気づく力は「原理」で高める

最近のブログでは、価値の原理、方法の原理といった考え方についてまとめてきました。
 
 
 
ところで「原理」という言葉にはどんな力が宿っているのでしょうか。
 
今回は物事を考えるときの「原理」について考察してみたいと思います。
 
効果効能から言うと、原理を考えることで、気づく力が高まります。物事に対する見通しがよくなります。
 
では、なぜそうなるのか、見ていきましょう。

原理とは

まずは「原理」の辞書的な意味からです。
 
WEBで調べたところ、原理には次のような説明がありました。
 
原理とは、事象やそれについての認識を成り立たせる、根本となるしくみ。主として人間の活動にあてはまる原則とは多少意味の違いがある。 「多数決の-」 「相対性-」
 
weblio辞書 「原理」の説明ページより
 
小難しいですが、僕なりの理解としては、原理とは「どんな状況でも成り立つ、もしくは成り立つと考えられている、何かと何かの関係」だと思ってます。
 
例えば、先のブログで紹介している「方法の原理」から考えると、方法というのはどんな状況でも目的と状況があるからこそ生まれる!という関係があるわけであって、その「どんなときでも成り立つ関係」があることをもって、方法の原理と呼ばれているわけです。(※なお「どんなときでも成り立つ」は「批判的に見たときに反例が考えられない」という状況を持って成り立つとします。ちょっと難しいかもですが、ここがわかると見通しがグッと良くなります)
方法の原理

原理は仕事にめっちゃ役立つ

 
さて、原理を考えることって、仕事の様々な場面でめっちゃ役に立ちます。
 
ポイントは原理の「どんな状況でも成り立つ」という性質です。どんな状況でも成り立つわけなので、ある状況にその原理を適用させると、どんな知見が生まれるのか?ってことを考えることができるからです。
 
論より証拠ということで、具体例を上げてみましょう。
 
例えば、ある会社で顧客満足の施策を考えているとします。
 
担当のAさんとBさんは、イベントを開催すべきか、延期すべきか言い争っています。
 
Aさんは「顧客満足のためには、イベントを開催すべきだ!」と言っていますが、Bさんは「顧客満足のためには、イベントを延期すべきだ!」と言っています。
 
目的は同じなのですが、方法が異なるのです。このまま言い争っていては拉致があきません。
 
ここで方法の原理を適用してみます。方法の原理を適用すると、次の関係が浮かび上がります。
 
 
 
こうすると、AさんとBさんで、状況に対する認識が異なることがわかります。目的が同じでも、状況に対する認識が違っていたので、そこから生まれてくる方法も、違いがでていたのです。
 
そこで、AさんとBさんは、どちらの「状況」の方がより妥当であるか話し合うことにし、状況に納得することで、適切な「方法」を決定することができました。
 
めでたしめでたし。
 

事象に対する骨格を見つける

 
ということで、原理を使うと、事象の背景にある情報(関係)が明らかにすることができます。
 
それは事象に対する骨格がわかるようなものであり、骨格がわかるとより強度の高い思考ができるようになります。原理を考えることで、様々な情報に気づくことができるわけです。
 
XXの原理というのは、こんな感じで、様々な事象に適用して新しい気づきを生み出すことができます。
 
ぜひ色んな原理を調べてみて、それを他の事象に適用してみてください。こういうのがメタ認知の極みとでも言うべき力なんじゃないかと思う次第です。