前回、チームの力という本で紹介されている「方法の原理」についての記事を書きました。
今回はその続きではないですが、同じ本で紹介されている「価値の原理」についても簡単にまとめてみようと思います。
価値の原理とは
結論から言うと価値の原理とは
- 全ての価値は目的や関心といったものから生まれる
- 目的や関心は、なんらかの契機(きかっけ)から生まれる
ということです。次のイメージです。
契機(きっかけ) ⇔ 関心 ⇔ 価値
例えば、日本の普段の生活で水をもらっても普通ですが、砂漠のど真ん中で水をもらうととても価値がありますよね。価値は、必ずそのときの関心や目的に応じて生まれてくるわけです。
仕事においてもそうです。僕らが仕事に対して「価値あるね!」と思うのはそれに関心があるからであって、価値と関心はセットで考える必要があるわけです。
何がよいか?の前に、何をしたいのか?を考える
本には面白い例え話が書いてあります。
僕らが何かしらのチームを作ると考えた時、例えばSWATのような凶悪犯罪に対応する特殊部隊をつくる場合と、愛情溢れた子どもを育てる保護者の会のチームを作る場合とでは、求められる理念、メンバー、リーダーシップは全く異なるというのです。
SWATでよいことが、保護者会ではよいことでないかもしれません。
「何がよいか?」を考える前に、「何をしたいのか?」を明らかにしなければいけないのです。本には『だからこそ、目的や理念、ビジョンを明確にすることが最初の最重要ポイントになるのである』と書いてありますし、これは納得の記述ですね。(そして、普通の組織やチームは「何をしたいのか?」を全員で共有できているかというと、グサリときますね)
関心は何から生じるのか
さて、先に示した図でまだ触れていない部分があります。「契機(きっかけ)」の部分です。
契機とは「関心が生まれるきっかけになる出来事」のことです。
例えば僕の事例でいくと、僕は地球環境に関心があるのですが、それは子どもの頃に本やテレビで環境に関するコンテンツに出会ったからだと思ってます。それが契機(きっかけ)になって、地球環境問題に関心を持ち、その後はエネルギーや物理学に興味が拡がっていったのですが、このように「関心」が生じる背景には「契機」がある、というのが先の図のもう一つの言いたいことでしょう。
価値の前に関心がある。
関心の前に契機(きっかけ)がある。
価値を出せるチームとは、この価値⇔関心⇔契機(きっかけ)を相互に把握しているチームであり、ここが共有できていると自信をもっているからこそ前回紹介した「方法の原理」が有効になり、自立主体的なチームとして機能するのだと思います。
では、この価値⇔関心⇔契機(きっかけ)を相互に把握するためには、どうしたらいいのでしょうか。そう、リフレクションです!(キリッ!)
自分は何に価値を感じているのか、何が関心なのか、それはどんな契機(きっかけ)で生まれているのか、そういうことをリフレクションして認知、明文化することが、本当に機能するチームには必要なことであると、改めて認識した本でした。
文庫で読みやすい本なので、ご興味をもった皆様はぜひ一読してみてください。