ちょっと前の本ですが、チームの力という本を読み直していました。
昔読んで「なるほどなー」と思ってたことに「方法の原理」というものがありまして、今回は方法の原理についてブログってみようかと思います。
方法の原理とは?
結論からいうと方法の原理とは、
- 必ず普遍的に「正しい方法」というものはない
- 方法は、そこに関連している「状況」と「目標」により決まる
ということです。
図にするとこんな感じ。
例えば、私たちはそれぞれ色んな業界、仕事で「方法」を使っていますよね。
でも、その方法は業界が同じであれば上手くいくかもしれないけど、それはその業界だけの話です。他の業界には他の方法がある。
例えば相手を笑わせる方法があったとして、それは赤ちゃんを相手にする場合と、大人を相手にする場合では異なった方法になるでしょう。
笑わせるという方法を決めるためには、どんな笑わせ方をしたいのか(目標)だったり、誰と誰がどういう文脈で笑わせる必要があるのか(状況)など、その2点があってはじめて方法も決まるよね、というのが方法の原理のいいたいことでございましょう。
方法の原理はチームの力とどう繋がるのか
言われてみたらそうだよねと納得できる「方法の原理」ですが、元ネタとなった本のタイトルは「チームの力」です。
方法の原理がどう「チームの力」を伸ばしてくれるのでしょうか。
これも言われて納得なのですが、そのエッセンスは、共通の認識基盤を置くことによってメンバーの自律性を担保できるからでしょう。
一般的に、自律性の高いチームは強いチームであるといって良いかと思いますが、そうは言っても、それが難しいからチーム運営は難しいところってあると思います。
自律的に動くのがなぜ難しいかといったら、これも様々な視点があるとは思いますが、一つ上げるなら「何が正しいのか判断基準がわからない」というのがあるでしょう。
チームメンバーは各自考えています。こうやったらいいのではないか?という方法論は持っていてたりします。
でも、この方法でやっていいか上に確認してからじゃないと…なんて思考が働いてすぐに行動に移せません。
ここで起きていることは、要は後で批判されたら嫌だ!ということだと思います。前例がないとか、リスクが大きすぎるとか、色々文句を言われるのが嫌なわけです。
では、後で批判されないためにはどうしたらいいのでしょうか。それは共通の認識基盤を設けることです。
例えば、ウチの組織はこういう判断基準を持っている→その判断基準に従って行動した→後で批判されない(それが正当な行動であるので)という図式があればいいのです。
その行動(方法)で本当にいいのか?を、方法の原理で担保させるわけです。
原理に従って行動した。
だからその方法で対処した。
そういう大義名分がチームメンバーの中にインストールされていたのなら、チームは自律的に判断し、行動できるよ、しなやかなチームになるよ、というのが、チームの力という本で方法の原理が紹介されている構造なのでしょう。
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ということで、チームの力より、方法の原理の紹介でした。
チームの力には、方法の原理の他にも価値原理や人間の原理など、チーム運営に役立つ様々な原理が紹介されています。非常にコンパクトに、かつ強度のある視点で書かれていますので、チームで働かれている方はぜひご一読してみてはいかがでしょうか。