目標なんてありません病:意味を作る力が処方箋

人材業界で有名な理論に「ロックの目標設定理論」というものがあります。

目標設定理論はその名の通り「人々のモチベーションを上げるには、適切な目標を設定することが大切である」という理論です。

毎年、目標設定面談なるものが行われている会社も多いと思いますが、それはMBO(Management By Objective)という考え方で、目標を使ってマネジメントしようぜ!という考え方から来ている制度です。

さて、そんな目標設定理論ですが、様々な企業で活用されている一方「目標なんてないよ病」が発生しやすいことでも有名です。

仕事がら企業研修に行くことも多いのですが、受講者に「皆さんの働く目的(そして目標)は何ですか?」と聞いてみると「忘れました」とか「特にありませんねぇ。。」という回答が結構な頻度で発生することが多かったりするのです。

仕事は与えられるものであるが…

私たちは日々、様々な仕事や責任に直面しています。多くの場合、これらの仕事は上司や組織から与えられ、私たち自身が直接選ぶものではないですよね。

日々、そういう仕事をやっていると自分の働く目標や目的なんてものは忘れ去られてしまって、ただ、言われたことをこなすことが仕事になっているのかもしれません。

「与えられる仕事に、目標なんて設定できるはずがない」

もし、そんなことを思っていたのなら、それは目標なんてない病が忍び寄っているかもしれません。というのは、実は目標はいつでも自分でつくり出すことができるからです。

目標=自分で作ることができる!というのは、もしかすると当たり前のようで意外なことなのかもしれません。

そこに意味をつくり出すことはできるか

例えば、与えられた仕事でデータ入力のような仕事があったとしましょう。データ入力は確かに単純でつまらない作業かもしれませんが、もしそうであっても、作業を通じてデータ管理能力を向上させる、あるいはチーム内のコミュニケーションの改善に寄与するなど、自分なりの意味は必ず見出すことができます。

一見、自分にとって意味のない仕事に見えるものでも、それを自分自身の成長や目指す姿と結びつけることで、全く新しい価値を見出すことができるのです。

目標なんて無い病にかかっている状態とは、与えられた状況の中で、このような意味を見出す力が弱い状態です。自分の仕事に意味なんて無い、ここから掴み取れるものなどないと考えてしまい、本来そこからつくり出すことのできる意味を放置してしまっているのです。

どんな状況でも、自分自身で意味を作り出すことは可能なわけなので、単なるポジティブ思考ではなく、現実を受け入れつつ、それを自分の成長や目標達成のためにどう利用できるのか?を考えることが、目標なんてない病から抜け出すヒントです。

まあ、このような考え方はよく言われることですし、脳筋といえば脳筋なのかもしれません。でも、その筋力が弱っている状態=意味を作る力が弱っている状態が、目標なんてない病の原因だとも感じています。

「意味を作る力」を鍛えて、なんでもいいので目標、希望、ワクワク的なものが日々感じられるようになることで、私達一人ひとりのウェルビーイングが高まかっていくと感じる次第です。