リフレクションカードのファシリテーター講座ってのをやってます。
リフレクションカードは、対話と内省を誰でも簡単に、そしてある程度効果的に行えるように設計されたカードなのですが、それは言い換えると対話をデザインしているツールであると言えます。
最近、対話経験デザイン(DXD:Dialog Experience Design)と勝手に言ってますが、この対話経験のデザインはこれから大事になってくる考え方でしょう。
対話はこれからますます重要になる、人と人のコミュニケーション手段です。が、それを効果的に行えるかどうかはまた別の話し。これからはただの対話ではなく、効果的な対話が求められます。
そんな効果的な対話を生み出すデザインはぜひファシリテーター講座に来ていただくとして、ここではリフレクションカードのルールを考察することで、対話の経験のデザインについて考察してみたいと思います。
■リフレクションカードのルール:カードを手渡しをすること
リフレクションカードの使い方のルールに「カードを相手に手渡しする」というものがあります。(正確にはルールというより推奨手段です)
リフレクションカードは、カードの裏に書いてある問いを相手に問いかけるものなんですが、問いかけるだけだったら、カードを指さしたり、机の上に置いたりすればOKですよね。(使っている様子はこっちの動画にありますので、よりイメージしたい方は御覧ください)
でも、基本では敢えて手渡しをする、ということにしています。
理由は手渡しをしたら対話経験が上昇するからです。
僕が体系化している対話経験デザインの重要ポイントに、相手との関係性、という要素があります。
関係性が良い相手とだったら、良い対話ができますが、悪い相手とだったら微妙な対話になってしまいます。
つまり、対話経験を良くするためには、相手との関係性をよくする必要があって、それはカードを手渡しすると実現することができる、んですよね。
問いって、プレゼントのようなものだとも思ってて、ただ指さして「これ教えて!」と言われるより、「はい、どうぞ!」と手渡しされる方が、もらう方は心がこもっている気がするわけです。その状況を実現するために、カードは手渡しというルールがデザインされているのです。
■対話経験デザインは全体のデザインである
というわけで、リフレクションカードのルールを土台にして、対話経験デザインという考え方について説明してみました。
対話経験デザインの要素には、関係性の他にも、目的の共有、場の重心・・など様々なものがあります。現在体系化の作業中ですが、少しずつ検証して公開していこうと思ってます。
ただ、対話経験デザインの要素はそれぞれで独立しているのではなく、全体が密接に繋がったシステムであることは言及しておきたい点です。
部分の和は、全体を超えます。部分は全体であるし、全体は部分であります。ぱっとみ意味不明なことかもしれませんが、おそらくそんなものだと思います。うーん、研究するテーマとして、こんなに魅力的なものはないですね。
というわけで、対話の経験をデザインすること、ってテーマでの考察でした。
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ちなみに、そんな対話を引き起こすリフレクションカードなるものは、この辺で説明したりお渡ししたりしているので、ご興味ある方はお気軽にお越しください。
カード自体の詳細はこちらです。