意味づける力ってのが重要になる時代:課題解決アプローチから考えてみる

ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、鈍感力、共感力…。

世の中にはいろんなスキルや◯◯力がありますが、最近「これ大事だよなー」と思っている力に「意味づける力」があります。

今回のネタは、これからの世の中に意味づける力ってのが必要になりそうな理由を、課題解決アプローチの考え方から引っ張り出してみたいと思います。

課題解決アプローチを考えると、どうしても意味づける力ってのが大事になると思うのです。

まずは発端の課題解決アプローチから

ということで、今回のネタになった課題解決アプローチというものから簡単に。

課題解決アプローチというのは、その名の通り課題を解決するための考え方です。課題を解決することは仕事そのものでもあるので、この考え方を聞いたこともある人も多いんじゃないでしょーか。

課題解決には大きく分けて2つのアプローチがあります。(※人によって色々あります)

最も代表的なものはギャップ型アプローチ。

図を見てもらえたらわかりますが、ギャップ型アプローチは起きている問題を解決するタイプのアプローチです。

ギャップ型アプローチは、「今」と「問題がない状態」との「ギャップ」を解明し、その間を埋めることをします。

その特徴は「問題がない状態を目指す」ということです。頭の使い方としては、問題を起こしている原因は何?ということから始まって、それを解決していくために何するの?と進んでいきます。原因の分析をするためロジックツリーを使ったりして、論理的に考えを進めていく手法が向いています。

課題解決っていったら大体はギャップ型アプローチを指していることが多いのですが、最近もう一つの課題解決アプローチが重要になってきています。

その名はバックキャスティング型アプローチ。

こちらも図を見てもらえたらわかると思いますが、バックキャスティング型は理想の状態にどうやって到達するのか、というアプローチです。

頭の使い方としては、自分たちはどうあればいいの?何を目指しているの?というところから始まって、ではそのために何をするの?と進んでいきます。

ギャップ型アプローチとの差は、最初の出発点が「理想の状態って何?」から始まるということです。

ギャップ型アプローチの場合は、対処すべきものが明確(そこに問題がある)のですが、バックキャスティング型アプローチの場合は対処すべきもの(理想の状態)を自分達でつくらないといけない。そこが2つのアプローチの本質的な手法の違いです。

理想の状態をつくる力とは?

さて、それでは理想の状態をつくるとはどういうことでしょうか。

それは言葉通り自分たちの理想の状態を「こんな感じだよねー」と定義することなのですが、ここに必要な力が意味づける力なのです。(やっと当初のテーマに戻ってきました)

自分たちはこれに価値を感じる。これにこんな意味を見つける。そういうことを、自分たちで創造する必要があるわけでして、その創造のための力が意味づける力です。

実はこれ簡単なことに思えますが、結構難しい。

自分たちが何をしたいか、どうあればいいか、ってのを明確に描き出すことは結構苦手な人が多い印象です。

そりゃ、学校でも、会社でも、他人が考えた理想の状態をゴールに考えることが多いので、練習をしていない人が多いからだと思いますが、この意味づける力(理想を創造する力といってもいい)を身につけることはこれからめっちゃ大切になると考えます。

重要になる意味づける力

もうこの話題は食べ飽きている感もありますが、AIの台頭なんかは、意味づける力の大切さを際立たせてくれます。

例えばAIはギャップ型アプローチが大得意です。問題に対して過去のデータから原因を分析し、これが解決策じゃないの?ということを人間の何倍ものスピードで行うことができます。

医療なんかはその典型ですよね。今や、疾病に対する診断は、医師よりAIの方が正確であるなんてデータもあるくらいです。

ギャップ型アプローチはもう僕達が頭を捻って考える領域の問題ではないと思うんですよね。そこはAIに任せてしまえばいい。

僕達が頭をつかう領域はバックキャスティング型のアプローチ、つまり「どういう未来をつくればいいの?」という部分です。

こういうことに価値があるとしましょう、こういう未来をつくりましょう、こんな領域を自分たちの頭で考えることこそ、これから私たちが担うべき領域だと思うのです。

意味づける力が幸せを生む

名前は忘れてしまったのですが、ちょっと前に何かの論文で「意味づける力のある子が、将来幸せになれる可能性が高い」という内容の論文を読んだことがあります。

アメリカのポジティブ心理学系の研究だったと記憶していますが、よくよく考えてみれば当然の帰結だよなーと思います。

だって、意味づける力が高いということは、自分で「幸せ」をつくることができるわけです。

自分はこういうことに価値としよう、こういうことをやる人生にこんな意味を見出そう!ということを自分でやっていける。

それがわかっていれば幸せに近づく可能性はグンと上がりますよね。

ということで、課題解決の2つのアプローチから、「自分の理想の状態を定義すること、それすなわち意味づける力ってのがこれから大切になりそうだぞ?ということを考えてみた記事でした。

意味づける力はもちろんリフレクションで伸ばすことができますw

Let’sリフレクション!