1つ上のステージの学びをつくる。知っとくべきダブルループ学習とは

みなさまダブルループ学習という概念を知っているでしょうか。

これ、アメリカのアージリスという学者さんが提唱した考え方で、人間の学び方に関する理論です。

これはリフレクションをする上で、かなーーーり大事な考え方なので、ブログでも紹介しておこうと思います。

■まず、シングルループ学習について

ダブルループ学習を説明するまえに、シングルループ学習というものから説明しておきましょう。

シングルループ学習というのは、その名前の通りループがシングル(1つ)の学習のことです。図を見てください。

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シングルループ学習は、図の色が付いている部分のように、一つの輪(ループ)で学習が成り立っていることをいいます。

例えば釣りをしているときに、「仕掛けはこれでいいのか」、とか「どの種類の浮きがいいのか」、「どの餌を使えばいいのか」・・・。など、目標を達成する際の手法について考えることをシングルループ学習といいます。

普通の組織はシングルループを繰り返して、目標を達成しようとします。改善、改善、改善です。

■ダブルループ学習とは

では、ダブルループ学習とはどんな学習なのでしょうか。図を見てください。

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ダブルループ学習とは、図のようにシングルループ学習をもう一個繰り返すような学習のことです。その真髄は、行動の前提「そもそも、それでいいのか?」を考え直すことにあります。

釣りの例で言いますと、「そもそもこの釣り場でいいのか?」とかを考えることが対応します。

例えば、鯛を釣ることを目標に釣りをしていたとしましょう。

頑張って釣っていたのですが、鯛は中々つれません。仕掛けを変えど、餌を変えど、どうしても釣れないのです。

ダブルループ学習の場合は、ここでなぜ?を考えます。

手法を工夫しているのに、うまくいかない。 → なぜうまく行かない?手法ではなくて、そもそもの前提が間違っているのではないか?

そんなことを考えると、ふと自分が立っている所が川辺であることに気付くのです。

現実の釣りではそんなことは無いかもしれませんが、ビジネスではこういうことはよく起こりますよね。自分のポジショニングを間違えたら、優位な資源を持っていたとしても、競合に勝つことは格段に難しくなります。

■シングルループ学習の限界、ダブルループ学習のススメ

シングルループ学習の限界はここにあります。シングルループ学習ではあることを前提にしているので、その前提までが間違っていることにはかなり気づきにくいのです。

ところが、現代は変化がすっごい激しい時代です。気を抜いていたら、新しい技術がやってきて、既存の前提なんかあっさり覆してしまいます。そんな時代の中で、シングルループ的な学習しかできていない組織は、マズイことになるんじゃないでしょうか。

このダブルループ学習はリフレクションや振り返り、そのものです。ということで、ぜひダブルループ学習を意識して日々行動をしてみるといいと思います。ある日、突然と自分の前提に気づくことがあるかもしれません。