この記事でわかること → チーミングの大事なポイント、越境について。 一連の「チームが機能するとはどういうことか」の考察記事です。 今回は第6章の内容について考えてみましょう。 以下、記事アップ毎にリンクしてきます。
- (1)「チームが機能するとはどういうことか」を考察してみた
- (2)チーム力を高めたい人必見!チーミングの駆動プロセス
- (3)学習する組織をつくる:フレーミングの力
- (4)リーダーなら絶対意識しておきたい、心理的に安全な場をつくるということ
- (5)これは知っておきたい!失敗の種類とその意図的なデザイン
- (6)越境。そう、チームは境を越えてこそ、相乗効果を発揮する。 ←今ココ
この記事のざっくり目次
・境界はどこにでもあるし、意識しないと見えなくなる
・チーミングでぶつかりやすい3つの境界
・越境がこれからのキーワードになる
では、始めてきましょう。
■境界はどこにでもあるし、意識しないと見えなくなる
まず境界について整理しておきましょう。 本によると、境界とは次の様に説明されています。
境界とは、アイデンティティを同じくするグループ同士の間の区切りのことである。そうしたグループは、ジェンダー、職業、国籍など、人間が属する意味のあるあらゆるカテゴリーに存在する。
そして、この境界には目に見えるものと、見えないものがあるとのこと。 例えば、上の定義にある、ジェンダーや職業などは目に見えやすい境界ですね。普通に見た目で判断できることも多いはずです。 一方目に見えない境界とはなんでしょうか。最も最たるものとして例が挙げられているのは次のようなものです。
人々が様々なグループの中で持つ当たり前になっている思い込みや考え方
これは本当にそうですよね。。 人って、自分が信じていること、価値観ってのを「一般的に正しいもの」って認識してしまう傾向があります。
これは心理学でもよく言われている認知バイアスのことで、例えば素朴実在論ってのでそれが説明されています。
超ざっくり言うと、「自分の意見こそが常識的なものであり、他人も道理をわきまえていたら自分と同じように考えるはず」というバイアス、ということです。
皆さんも、ちょっと思い返してください。そんなバイアス、自分の中にありませんか??
ただこれは、人ってそういうものだ!ってところがポイントです。良い悪いでなくて、そういうものなんです。 なので、そういう傾向が人にはある(そして自分にもある!)ってことを認識して、判断や行動を吟味し直す姿勢ってのが、人との関わりの中では大事だと思うのです。
というわけで、意識しましょう。自分と他人には、思った以上に大きな境界があります。
そして、それは人の集まりであるチーム、組織でも当然のことなのです。
■チーミングでぶつかりやすい3つの境界
そんな境界ですが、チーミングでぶつかりやすい3つのタイプがあるそうです。
物理的な距離:分離による相違。建物が違う、国が違う、など。
地位:格差による相違。役職が違う、など。
知識:多様性に寄る相違。専門性が違う、など。
どれもその通りって感じです。 最近は、オフィスが複数あったり、都心から離れている(けどお客さんは都心)みたいなパターンも多くなってますよね。
他の企業さんとコラボすることも非常に多くなってきてますし、3つの境界はものの見事に当てはまる方も多いと思います。
この境界、それぞれ注意したいポイント、陥りやすい罠からの脱出ポイントなどが本には書かれていますが、ここではそれを「地位の境界」について絞って考察してみます。
この地位の境界、非常によくあるパターンです。普通に上司と部下ですから。 中島もこれには苦しめられました。ちょっと意見すると「地に足がついてない」など言われて、当時の僕は「はあ?」とか心の中で思ってました(笑)
まあ、この地位の境界は明確に線引することによって機能することもあると思います。トップダウン型がまだ機能するところは、それでもいいでしょう。
でも、これからはトップダウン+ボトムアップ、つまり双方向のコミュニケーションがバランスよく混ざっている組織が力を発揮します。
そのためには、地位による境界は越境できるようにしといた方がいい、というのが本が言ってることであり、中島の見解とも一致するところであります。
じゃ、どうやればそのバランス良い越境ができるのか。
それは、対話と内省です(笑)中島の記事は、どれもが結局ここに落ち着くのですが、これって本当に本当に大事なんです。
チーミングの本では、「リーダーシップによる一体感」と表現され、地位の高い人が積極的に意見を求め、感謝を示せばOKって提言されてますが、これだと僕は足りないと思います。 継続的な対話と内省こそが、リーダーシップによる一体感を支えると共に、またつくり出すものでもあると思うのです。 そしてその対話と内省をチームでやり易いようにサポートすることが、僕の仕事でもあります。
具体的にどうすんの?ってことは、このへんのセミナーで話してますので、ぜひお越しください。
言うは易し行うは難し。の対話と内省ですが、上手く言ってるチームは殆どこれをちゃんとやって感じですね。外から見てると。
■越境がこれからのキーワードになる
皆様、越境学習って言葉は聞いたことありますか?
チーミングの文脈からはちょっと離れるのですが、人材業界で一時期前から言われていることです。
イノベーションの文脈から言われることが多くて、企業の競争優位性を高めるイノベーションを起こすためには、多様性が必要だ、つまり自社という境を越えて、越境な学習をする必要がある!ってのがそのメインな印象です。
1つの組織にいると、そこで生き残るために過剰適応しちゃったりします。(そして他では適応できない。。)
個人のキャリアは、(特に日本企業では)これまで組織が開発するものでしたが、これからは個人で開発する!って時代です。
そういう意味でも、境を越えて多様を扱う力を身につけることは、大事ですし、それが既存のチームの力を上げることにもつながるってわけです。 越境しない手は無いですよね。
偉い人にはそれがわからんのです。と言われないよう、チームリーダーの皆様は、積極的に越境をすすめてはいかがでしょうか。 では今回はこんな感じで。
この記事は連続記事です。よろしければ他の記事へどぞ(・∀・)
- (1)「チームが機能するとはどういうことか」を考察してみた
- (2)チーム力を高めたい人必見!チーミングの駆動プロセス
- (3)学習する組織をつくる:フレーミングの力
- (4)リーダーなら絶対意識しておきたい、心理的に安全な場をつくるということ
- (5)これは知っておきたい!失敗の種類とその意図的なデザイン
- (6)越境。そう、チームは境を越えてこそ、相乗効果を発揮する。 ←今ココ