2015年を振り返るワークシート、公開。

※年末年始と書いていますが、一年のどのタイミングでも使えます。

2014年から公開している、1年間を振り返るシート。

今年は2015年バージョンをつくりましたので、こちらも公開したいと思います。

何とかギリギリ大晦日ですが、お正月休みでどこか時間をつくってやってみてください。3時間くらいかけてやればいいですが、1時間でも十分に面白い気づきが出てくると思いますよ。

基本は2014年度の流れに従っているので、昨年シートを使って頂いた方には進めやすいかと思います。

それでは、添付のワークシート、手帳などの今年を振り返れるものを準備して始めていきましょう。

ワークシートは下記からダウンロードしてください。

(※先行してメールマガジンで公開していたものと同じ内容です。読者の方は読まずとも大丈夫かと)

dlbotan

■まずはワークシートの概要を

本ワークシートは、1年を体系的に振り返るために開発されたワークシートです。
1年を次の4つの要素にわけて振り返ります。

  • 資源:Performance capability
  • 出した価値:Performance
  • 差分:Gap
  • 目標:Objective

それぞれの要素は、密接に絡み合っています。必要に応じて、4つの区分を自由に飛び回って、枠を埋めていってください。

基本的に自由に埋めていってもよいですが、次の手順に従うと埋めやすいと思います。

■左側(2/3を占める大きい枠)のワークシートを埋める

シートは左側と右側に分かれています。まずは左側のシートから埋めましょう。

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(1)目標を埋める

まず、シートの一番下にある、今年の目標の枠を埋めていきましょう。

枠は四半期事に分けられています。それぞれの時期に何を目標にして、日々を生活や仕事を行っていたのでしょうか。思いつくだけで構いませんので、カレンダーや手帳をみながら振り返って記入してみましょう。

10月~12月の欄から考え始めると、直近のことなのでわかりやすいと思います。(もし実施が6月だったら、4~6月の欄から考え始めると良いです)

(2)出した価値を埋める

次に、出した価値を埋めます。
こちらも思いついたままに記入していけばいいですが、先程と同じように、今自分がいる欄(12月にやっているなら、10月~12月の欄)から記入すると思いつきやすいでしょう。直近のことから思い出すのが一番やりやすいですね。

なお、出した価値は、最初は準備と結果の2種類で分けて記載します。

準備は、上司に◯◯を相談した、社外の勉強会にたくさん参加した、など行動ベースの価値です。判断基準としては、行動が自分の意思のみで完結するかどうか、です。

結果は、他人が介在することで達成することができる価値です。基本は準備の結果起きたことが対応してて、例えば、プレゼンで役員からOKを貰った、売上目標を達成できた、家族が涙を出して喜んだ、などの価値が対応するでしょう。

(3)資源:Performance capability

ある程度価値が埋まってきたら、次は資源を考えます。

資源とは、価値を出すために必要になる(なった)ものです。

先ほど記入した価値の欄を見ながら、次の問いを考えてみてください。

「この価値は、何があったから生まれてきたのだろう?何と何が繋がったのだろう?」

この問いを考えると、例えば「◯◯さんがいたから、◯◯のスキルを身につけていたから、この価値が出せた!」というのがあるはずです。

ここで出てきた、◯◯さん、◯◯のスキルというのが資源になります。

資源は、価値を出すための材料になるものです。資源を適切に加工(準備、行動)することで、価値が出せるのです。

資源は、ヒト、モノ、スキル(学んだこと)の3つに分けて考えます。

ヒトは、その名の通り、自分の周りにいる人達です。上司、後輩、家族、友達、いろんな繋がりがあると思います。「結果」の欄を見ながら、「あ、この結果はこの人が居たから達成できたんだな」とか、連想をしてみてください。ワークシートのポイントは、この「連想」です。僕達は日々、誰かと繋がり、何かを得ています。その得たものを資源に、また新しい結果を出したり、新しい資源を手に入れていくのです。特に人の繋がりは本当に大事です。連想で一年間を辿っていくにつれ、人脈の大事さに、人から助けられている事に気付くことでしょう。

モノは、自分の周りにあるモノです。これは、具体的に「新調したPC」、「偶然出会ったあの本」などの「物」でも構いませんし、「自分が主催している勉強会のネットワーク」などの「直接は触れないけど所有しているモノ」でも構いません。自分が利用できる、ヒト以外のモノです。

スキルは、自分が身につけたこと学んだことです。ある価値を出すために、こんなことを学んだということを記入していきます。

ちなみに、連想しながら記入していくと、「あ、この資源からこんな価値がでてきたよな」って「価値を思いつくこと」も出てくると思います。その連想も重要です、思いついたら価値の欄に移って、ドンドン記入していきましょう。

価値と資源を連想しながら行き来することで1年間を体系的に振り返ってみてください。ちなみにこの連想は自分でやるのもいいですが、関係者と一緒にするともっと深い部分までたどり着けることもあります。可能であれば、ぜひ関係者と一緒に対話しながら振り返りを実施してみてください。思わぬ繋がりが連想される可能性大です。

(4)差分:Gap

前半戦の最後は差分です。
差分は、目標と出した価値の差から考えます。この2つの差は、実績と目標の差ということもできます。
目標を達成するために、もっとこんな事ができたかも、学んだことからこういう事をすれば更によかった、など書き出してみてください。

ここまでで前半戦が終了です。ふ〜、疲れましたね。疲れてきたら一旦休憩を挟んでください。

■右側のワークシートの埋め方

hurikaeri20152

ここまでで、左側のメインシートは埋まりました。ここからは右側のシートに作業を移します。右側のシートは左側のシートを材料に埋めていきます。

(5)成功パターン

出した価値、持つ資源などの関係性を見ていると、自分が価値を出す場合にパターンがあることに気付けるかもしれません。

それは例えば「地道に正攻法で仕事をしているときこそ価値を出せていた」というパターンかもしれませんし、「作りこみを諦めず、精度を高めていたときに上手くいっていた」というパターンかもしれません。

この成功パターンを抽出して、来年に生かすことこそが、この振り返りの大きな目的でもあったりします。自分の成功パターンをぜひ抽出してください。

(6)妨げてきたパターン

これも成功パターンと同じように抽出します。特に、差分のもっとできたことなどを参考に考えると抽出しやすいでしょう。
ここで出てきたパターンは、自分が克服すべきことです。来年はこのパターンを克服する、もしくは克服しなくてもこのパターンに陥らない方法を考えましょう。

(7)好きで、得意で、価値があると感じることは?

ある大御所の学者の先生も言っているのですが、私達が「キャリアを成功させた!」ということができるなら、それは「好きで」「得意で」「価値があると信じること」を仕事にしている時だと考えます。

一年間を通して、自分の「好きで」「得意で」「価値があると信じること」は何だと言えそうでしょうか?ここでは、その感じるキーワードを記入してみてください。

特に大事なことは「(世の中にとって)価値があると信じること」です。ここはぜひじっくり考えてみてください。

自分の好きで得意なことは、考えている人も多いのですが、「(世の中にとって)価値があると信じること」を考える人は稀です。

ここがなぜ大事かというと、好きで得意なだけでは、困難がやってきた時に打ち勝てないからです。(世にとっての価値を感じない)好きで得意なことは言わば趣味です。自分の好きなことを好きなようにしている趣味って、困難をクリアしてまでやろう!とは思わないですよね。

でも仕事は、世のため人の為に、困難に打ち勝っていかないといけない。

その困難に打ち勝つためには、(世の中にとって)価値がある!と信じていることをやっていることが重要なのです。

あなたが価値を感じていることは何でしょうか。そしてそれに対して自分の資源を投下することができているでしょうか。

(8)自分のミッション、在り方

後半戦の最後はシートの一番右上、自分のミッションについてです。

これまではこの2015年、1年間のことについて考えてきましたが、この領域で考えるのは、人生全体の方向性です。

ここまでに書いてきたシートを参考に、自分は何を目指せばいいのかを考えます。

 

ここまでに書いてきた成功パターン、自分の好き、得意、価値がある、その他全ての事をグルグル考えながら、自分のミッション、在り方を抽出してみてください。

正直ここは難しいのですが、最初は仮説で大丈夫です。とりあえずこれがミッションな気がするってレベルでOKなので、まず出してみることが大事です。(アブダクションって感じです。アブダクションが気になる方はググッて頂けると)

そしてミッション、在り方の仮説が出てきたら、次のことを考えてみてください。

  • 日々の大事なことが、将来の計画やミッションに含まれて(繋がって)いますか?
  • 将来のミッションに向けて、今年一年間の行動が繋がっていそうですか?

以上を考えたら、それらの材料を基に、次の1年の計画を考えてみてください。

■ぜひ、仲間と一緒にやってください

ということで、振り返りシートの使い方の説明でした。

少々量が多いのですが、その分の効果は保証します。自分でも気づいていない部分が、この振り返りによってわかる可能性大です。

この振り返り、1人でやってもいいですが、できれば同じシートを使って複数人の人とやってください。そして、なぜそう書いたのか、どうしてそう思うのか、ということを対話してください。

理由は、仲間との対話の中にこそ自分からは見えない価値が隠れているから、ですね。

それでは、今回はこの辺で。

年末年始の時間が学びに溢れた時間になることを願っております。