ギスギスした組織を変えるには:関係の質にアプローチする3ステップ

組織開発は関係の質を変えることだ、と言われることがあります。

その際によく引き合いに出されるのはダニエルキムの成功循環モデルというもの。

成功循環モデルとは、図の様に関係の質が上がれば、思考の質が上がる、そうすれば行動の質が上がり、最後に結果の質が上がるというものです。

※詳しくはこちらの記事にあります↓

成功循環モデルというもの。結果を出すには、まず関係の質にアプローチする

2015.01.27

成功循環モデル


なるほど、成功循環モデルはその通りでわかりやすいモデルなのですが、この関係の質を上げるというのは、実はいくつかのステップに分かれると考えています。

ギスギスしている組織ほど「関係の質を早くあげなきゃ!」となるのですが、すぐそれに飛びついてしまうと関係の質は上がるどころか下がってしまう可能性もあります。

自組織が関係の質を改善するためには、状況を見極めてそれに対応する施策を取ることが大切です。

いくつかの実践からそんなことが見えてきたので、今回のブログでは関係の質にアプローチする3つのステップ的なものをまとめてみようと思います。

関係の質1段階目:まずはここから、パブリックプライベート

雑記レベルですが、僕らが考えている関係の質の段階は次の通りです。


1段目の段階は相手のことを「仕事以外の側面も含めて」ちゃんと知る段階です。関係の質改善は、最終的には「この人達になら何でも気兼ねなく安心して話せる!」という状態に持っていきたいわけですが、いきなりそうなるわけではありません。

これは実践を観察して出てきた知見なのですが、関係が悪いチームが良くなるときは最初にちょっとしたプライベートの話が行われることが多いです。

「XXさんは週末何をしてるんですか?え、マラソンをしているんですか!?全然イメージなかった!」

とか

「え、犬を飼ってるんですか?うちも同じ犬種飼ってますよー、可愛いですよね!」

とか、そういうレベルの話です。

一見、どうでもいい話なんですけど、参加しているメンバーを観察していると、このような話を通して、表情が柔らかくなっていき、盛り上がることが多いのです。

休憩のときに「最近マラソンはどうですか?」とか話のネタにもなってくれるようでして、クライアントさんからも「雰囲気が良くなった!」と評判をもらっています。

僕らはこういう話を、公開可能なプライベートとラベリングして「パブリックプライベート」と名付けています。

関係の悪いチームでは、お互い把握している情報は仕事に関することだけの事が多いです。相手のプライベートのことは全く知らずに、仕事のいち面で見えることだけから、相手を理解しようとしてしまいます。

パブリックプライベートを知れば相互認識も変わってきますので、まずパブリックプライベートから相手のことを知り、徐々に関係を高めていくのが実践的コツだと考えています。

関係の質2段階目:ストーリーを通して理解と信頼をつくる

パブリックプライベートを共有して関係ができてくると、次は相手を信頼する段階に移ります。

パブリックプライベートの話を通して、もっと深い話をしても良さげかな?という雰囲気になっていますので、ここから少しずつ自分の仕事に対する考えや、信念、それまでのストーリーの共有を進めます。

各自の信念や考え、そこに至るまでのストーリーを話すことで、「そうかー。。だから仕事でもそう考えるし、行動するんだよね、納得!」という状況が生まれます。

ここまでの体験を通すことで、メンバーには少しずつ理解が生まれ、相手を見る目が変化してきます。これまでは腹を立てていた相手にも「…こうサポートすればいいかな?」と関わり方に変化が見え始めます。

関係の質3段階目:不安や疑問を口に出しても不利にならない

3段階目はこれまで口に出してこなかった疑問を出す段階です。

これまでは関係が悪かったため「こんなこと言ったらバカにされるのでは…」「めんどくさいやつだと思われるのでは…」と不安だったものが、ちょっと言ってみてもいいかな?と表出されるステップです。

「定例会議のアレ、必要ある?」「この業務フロー、ここがおかしいと思っている」とか、そういう話がようやく個人の口から(本音として)出始めてきます。

これが出来るようになれば、組織としてはかなり良好な段階です。いわゆる心理的安全が確保されている状態で、疑問や不安を安心して共有し、それを変えて行こう!とアクションに移ることができます。

先の成功循環モデルで言えば、関係の質が十分に高まってきて、次の思考の質が高まりつつあるというステージでしょう。

ちなみに、2段階目と3段階目にはちょっとした開きがあります。自己開示をし、これまで見て見ぬふりをされてきた疑問を口にすることは中々怖いものですよね。

ここで必要なのが「勇気」です。

ペンギンは最初の一匹が海に飛び込むと、残りのペンギンもみんな海に飛び込むといいますが、組織でもそれは同じです、最初の一人が勇気を持ってファーストペンギンになって飛び込んで見る。そうすると、それに続く人が少しずつ現れてきます。(ファーストペンギンになるのは権力と持っている人が望ましいです)

2段階目が整ってきたら、ぜひ勇気を持って3段階目に飛び移ってみてください。

関係が悪いチームはまずパブリックプライベートから

ということで、関係の質を高める3ステップについてまとめてみました。

関係の悪い組織でよくありがちなのが、何もステップを踏まないまま「今日は本音で話をする場にしよう!」と1、2ステップを飛ばしてしまうことです。いきなり3ステップ目にいっても、メンバーは本音を出してはくれません。(それっぽい話にはなっても、それは誰にも否定されない正論か、表面レベルの話であることが多いです)

ローマは一日にして成らずではないですが、一歩一歩、丁寧に物事を進めていくことが関係の質改善には大切だと考えています。

関係の悪い組織では、まずは1ステップ目のパブリックプライベートから話を始めてみてください。予想以上に相手の知らなかった部分が見えてきます。

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