リモートワークに必要な「信頼」はどう作ることができるか?

2021年4月現在、日本社会にも随分とリモートワークが広がってきたと感じます。
 
かく言う僕もお客さんとの打ち合わせはここ半年以上全部リモートですし、これからコロナが収まってきたとしても、昔のようにほとんど全ての仕事をリアル対面でするということは、もうなくなってしまうのではと思っています。
 
通勤時間が短縮される!家族との時間が増える!など様々なメリットもあるリモートワークですが、一方ではもちろん弊害もあるようです。
 
例えばお客さんから聞くのは、上司が新入社員を監視してしまうということ。新入社員からタレコミがあるようなんですが、プライベートも全部が上司に監視されてるような気分になって、家にいても全く落ち着かないということです。
 
なぜ上司はそんなに監視してしまうのかを話したところ、結局上司には新入社員に対する信頼がないからということになりましたが、いきなり新入社員を信頼しろ!と言われても、それはそれで難しいことも良くわかります。
 
そもそも信頼ってどうやったらできるものなんでしょうか?信頼しよう!と思ったら信頼できるのでしょうか?
 

信頼には要素がある

 
ということで調べてみたところ、信頼には2つの要素があるようです。
 
信頼は「信頼しよう!」と思ってできるものではなく、
 
  • 相手はその仕事ができる!
  • 相手はその仕事をやる気がある!
の2つが揃えば、私達は相手を信頼できるというのです。
※参考文献は文末にあります
 

1)相手はその仕事ができる

 
これは相手の能力に対する認知があるかどうかです。お願いした仕事をやり遂げる能力を持っているのかどうか?まずはそれが大事だということです。
 
確かに、新入社員の能力に不安を感じていたら、仕事が進んでいるかどうか、上司としては気になりますよね。実際新入社員なので、まだまだ仕事に不慣れな部分が多いのだと思います。しかしながら、新入社員も日々成長しています。一人でできること、できないことをしっかり切り分けて、一人でできそうなことは(監視しないで)任せてみるか!と実験してみることが大切です。
 

2)相手はその仕事をやる気がある!

 
次は相手のやる気に対する認知があるかどうかです。実際、やる能力があったとしても、やる気がなければその仕事は蔑ろにされるかもしれません。
 
ではやる気をどう担保すればいいのか?
 
今回のケースでは、それに対する上司の答えが「監視」だったのかもしれません。
 
人は本来怠け者で、外力がなければサボるものである。なので、上司である私が外力(監視)を与えることで、相手のやる気を担保するのである。
 
上司の内側には、本人が気づいている、いないに関わらず、こんなロジックがあったのかもしれません。
 
確かにそのようなロジックが有効なことも事実ですし、これまではそういうロジックのマネジメントで成功しているリーダー、会社もたくさんあると思います。(なお、このように外からの力で人を動機づけすることを外発的動機づけと言います)
 
しかしながら、そういうロジックでマネジメントする時代は終わりつつあります。そんなマネジメントをしていたら、優秀な人材から去って生きますし、若くて優秀な人はそういう組織文化などを見抜くもので、そもそも入社してきません。
 
じゃあ、どうすればいいか。
 
その答えは外発的動機づけから、内発的動機づけへのマネジメントの転換です。
 
内発的動機づけとは、個人の内部からやる気を引き出す(動機づけする)方法のことです。
 
罰則で外から従わせるのではなく、本人が、その仕事を自ら主体的に楽しんでする状況をつくるのが、内発的動機づけによるマネジメントです。
 
その上司には、新入社員に内発的動機づけをして欲しいと思います。その手法は今回の投稿とは趣旨が離れるので詳しく書きませんが、例えばコーチングや1on1など、様々な手法で内発的動機づけは実施できますし、高めることができます。そうすれば、新入社員のやる気を感じ、最終的に新入社員の信頼に繋がることができるのだと思います。
 
新入社員は監視されなくて済むし、関しに使われていた上司の時間も節約することができます。
 
リモートワークの時代、1)相手の能力をしっかりわかること、2)相手のやる気(動機づけ)を理解することは、信頼をつくるため必須なのかもしれません。
 
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以上、企業のリモートワークあるあるの話から、信頼について考察してみました。
 
もし皆様がご自身の組織、チームのリモートワークで、ギクシャクな感じに悩まされているのでしたら、ぜひ信頼の再構築にチャレンジしてみてください。
 
これからは働き方もどんどん変化してきます。組織やチームにとって、信頼を作ることはこれまで以上に重要な課題になるはずです。
 
※今回のネタ本はこちらです。信頼の構造