組織をよくする手法とは?対話型組織開発、診断型組織開発の2つのアプローチ

前回から引き続き、組織を良くするための「組織開発」ってものについてご紹介します。

組織開発入門って本があるのですが、それが凄く面白くて、本の内容をまとめるついでに発信してみようという試みの記事です。初心者にもわかりやすく書いてありますので、組織開発に興味があるというかたの入門にはまさにうってつけです。

これまでを読んでない方のために、少し補足しておくと、

  • 組織開発って言葉が最近流行ってる
  • 組織開発とは「みんなが働き方に満足しながら、かつ最高の成果も出している状態をつくること」
  • それには組織の「プロセス」って考え方が大事
  • プロセスとは組織の中にある「お互いの関係性」のこと
  • つまり、働く人同士の関係性がよくなれば、組織はよくなるよ!

ということでした。

超ざっくりですが、関係性がよくなるとは、お互いに気持ちよく協力しあう関係ができる、ということです。そんな組織だったら組織開発されている組織、ということは十分に可能ですね。

いいですよね、こんな組織。ぜひ自分達の会社でもやってみたいですね!

ということで、今回は、その組織開発をどーやってやっていくのか。その手法部分にフォーカスをあてて紹介したいと思います。

組織開発入門によると、その手法は(1)診断型組織開発、(2)対話型組織開発です。

■診断型組織開発って何?

では、組織開発の手法として「診断型組織開発」という手法についてです。

診断型組織開発というのは、その名の通り、ある診断を行いながら組織をよくしていきます。

ある診断というので代表的なのが、次のODマップという手順です。

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こんな感じで、外部の組織開発コンサルタント的な人が入ってきて、客観的に組織の状態を観察、診断して、その改善点をみんなで改善していく、という流れですね。

まさに診断、という感じです。

■対話型組織開発って?

次は対話型組織開発です。

入門組織開発には対話型組織開発を次のように表現しています。

対話型組織開発は、診断というフェーズがない取り組みや手法を指す

ただこれは少々ミスリードな解釈も生まれると思いまして、僕なりの定義をしてみると、対話型組織開発は次のよう表現できると考えます。

対話型組織開発とは、診断型組織開発を第三者ではなく、対話を通して自分たちで主体的に行うことである。

そうなんです、『診断があるか、ないか』でなくて、「第三者の分析を客観的に受け入れるのか、自分たちの主観で評価するのか」その違いです。(それ以外は基本同じ)

どちらの手法も一長一短があると思ってまして、組織開発を考えるならば、どっちの手法でいくのかはそれぞれの組織によるものです。(ただ、そこは対話で決めていくものだと思いますので、そういう意味では、対話型組織開発ってのが優勢になるのかもと思いつつ)

■組織に起きやすい4つの問題、その対応策としての組織開発

話は少し飛びまして、組織に起きやすい問題というものがあります。

組織開発入門によると、カミングス&ウォーリーという研究者たちが、組織には次の4つの問題が起きやすいということを指摘しています。

  1. 戦略的な問題
  2. 技術・構造的な問題
  3. 人材マネジメントの問題
  4. ヒューマンプロセスの問題

それぞれ、◯◯コンサル、とかと比較するとわかりやすいですね。

  1. 戦略的な問題=戦略コンサル
  2. 技術・構造的な問題=業務改善コンサル
  3. 人材マネジメントの問題=人材コンサル

 

そして最後、(4)ヒューマンプロセスの問題=組織開発コンサル、ってイメージです。(ちなみにヒューマンプロセスというのは、超々ざっくり言うと、人間関係の問題ですね)

この(1)〜(3)までは、比較的目に見えやすい問題なんですよね。だから対応がされている。

(4)は見えにくい問題です。だから対応が遅れている。もしくは放置されている。

でもですよ、(4)って(1)〜(3)にアプローチするための根幹の部分だと思うのです。

(1)いくら戦略が良くても、(2)いくら業務フローが完璧でも、(3)いくらチームメンバーが強者揃いでも、(4)そこに所属するメンバーが、こいつらと一緒に働きたくない!って思ってたら、全体の成果なんてでないですよね。

なので、(4)のヒューマンプロセスの問題って、実は対応すべき本丸だと考えます。

この本丸にいかに早く対応できるか、それがこれからの組織の競争力を支える土台になるはずです。

・・・ということで、組織開発に関する2つの手法、その手法がアプローチする組織の問題についての記事でした。

組織開発入門、このへんに興味ある方には本当にオススメです。

では、次回はそんな組織開発を具体的にどう進めていくのか、という部分に関してまとめてみます。

ナカシマの実践も交えて、考察してみますね。