これは知っておきたい!失敗の種類とその意図的なデザイン

内省

この記事でわかること

→ チーミングの大事なポイント、失敗と成功の関係について

一連の「チームが機能するとはどういうことか」の考察記事です。

今回は第5章の内容について考えてみましょう。

以下、記事アップ毎にリンクしてきます。

 

この記事のざっくり目次
・失敗には種類がある
・主張指向と探求指向
・失敗と学習をデザインする

では、始めてきましょう。

■失敗には種類がある

みなさん、失敗と言ったらどんなイメージを持つでしょうか。

基本、悪いイメージを持つような気がしてて、なるべく避けたいものと考える人が多いような気がします。

でも、失敗って実は悪いものじゃないよ!ってのがこの章の主張です。

まず、失敗の3つの種類を知ることから始めましょう。

チームには失敗の可能性がたくさんありますが、そのタイプは次の3つに分けられるそうです。

  • 防ぐことのできる失敗
  • 複雑な失敗
  • 知的な失敗

まず、防ぐことのできる失敗について。

これ、その名前の通り、本来ならやらずに済む失敗です。他の言い方をすればミスですし、良いか悪いかを言えば、悪い失敗ということになります。これはなるべく減らしていきたい失敗です。

次に複雑な失敗について。

これは複雑なシステムやプロセスによる失敗です。今の世の中って本当に複雑なシステムです。今、この記事を見ているPCやモバイルだって、中身は超複雑ですし、なんといってもその製造過程は世界中のいろんな企業といろんな人が関わってできているものです。それが全体として一つのシステムとして機能して、僕らは今PCやモバイルを操作しているわけです。どっかで部品の調達が不足したら、それが全体に関わってきます。そうならないために幾重にも対策をしているのだと思いますが、そういう複雑なシステムで今の世の中は成り立ってるわけです。複雑な失敗とはそういう大きなシステムの中のエラーから起こる失敗のことなイメージですかね。いつも通りの方法で回避できるものでない、不確実性から出てくる失敗だそうです。

そして知的な失敗です。

これは一言でいえば「実験」にあたります。最近イノベーションって言葉が盛んに聞こえてきますが、それって狙ってつくれるものじゃないわけです。数多くの実験をして、その中でようやく生まれてくるものがイノベーションですが、その実験過程の失敗が、この知的な失敗にあたります。仮説と検証ですね。本でも、「知的な失敗は新たな知識の開発にはなくてはならないものなのである」って書いてますが、その通りだと思います。

■主張志向のチームか、それとも探求志向のチームか

さて、失敗と言っても、それには3つのタイプがあって、一括りに悪いものと決めるのはいかがなものか、みたいな話をしてきました。

同じ失敗とはいえ、複雑な失敗は小さい段階で見つけることが大事ですし、知的な失敗は戦略的に行うことが大事なのです。

そこで大事なのが、チームの志向です。

本では主張志向ではなく、探求志向のチームがいいよ!ってことを言ってます。

主張志向ってのは、トップダウンの経営アプローチということです。これが正しいから、それで行く!と常に主張している志向ですかね。主張志向のチームでは、リーダーが確認的な反応をするらしいです。既にある信念、プロセスを正しいものとして、それを裏付ける確認的なデータを欲しがるんですね。保守的で受け身なリーダーはこの傾向があるということですが、確かに!ですね。

一方、探求志向ってのは、「代替案が複数あることや異論がたびたび唱えられる必要があることをメンバーが認識している」チームのことらしいです。探求志向のチームでは、リーダーは探索的な反応を示します。既にある仮定を正しいとするのではなく、「本当にそうなの?」と常に疑って検証しながらデータを集めます。今起きている事を観察して、それに対処していく志向です。

さ、主張志向と探求志向、どっちのチームが複雑な現代社会に対応できますかね。

答えは言わずもがな後者のほうですね。

■失敗と学習をデザインする

というわけで、リーダーは失敗に関して探求志向でアプローチするのがいいよ!ってのが、これまでの内容でした。

で、そのアプローチは具体的にどうすんの?ってのが「この失敗と学習をデザインする」って話です。

結論から言うと、そのシステムは、失敗に気付く、分析する、試みる、という3つの行動で成り立っているとのことです。

本ではそのステップが詳細に説明されていますが、ここではポイントを絞って説明しようと思います。

気付く、分析する、試みるに一番大切なポイント、それは対話と内省です。いつものパターンですが、これが本当に大事なのです。

気付くためには、率直な話ができるチーム関係が必要です。

例えば、失敗がまだ小さいうちに、それを全体に共有できる関係性ですね。これがないと、失敗は小さいうちは隠れてて大きくなってから出てくるという最悪の自体になります。。うぅ怖っ!

そして気付いたら分析することも大事です。これも対話と内省です。多様なチームの専門家と、お互いを認め合いながら分析します。どっちかが専門家だから、そっちの意見が正しいなんて雰囲気があったら、まずいですね。何が正しいかなんてわかりません。矛盾した問題も多様な参加者と第三極を探す力がチームには求められているのです。

最後。分析後は行動(試みる)ですね。
これは「試みる」って表現をされている通り、実験的・学習的なものとして行動をしてみるってことでしょう。これ、先に挙げた知的な失敗にあたるものですかね。これを沢山すれば、組織はイノベーティブな体質になっていくんでしょうねー。

本には「試みとそれに伴う失敗にはインセンティブを与えよ」ってありますが、そんな素敵な会社はどれほどあるのでしょうか。

==

以上、失敗のついてのフレーム転換、そして意図的な失敗(試み、知的な失敗)はドンドンやってくのがいいんじゃない?っていう内容でした。

ナカシマ、ここの章を読んでいてすごくリーン・スタートアップを思い出しました。
まさに、これからのカオスな社会を乗り切るには、こんなアプローチが大事になってくると思った次第です。

では、次は第6章、境界をこえたチーミングについて考えてみます。

この記事は連続記事です。よろしければ次の記事へどぞ(・∀・)