行為のデザインと対話のデザインと

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【メール版アーカイブ151103】

こんにちは、ナカシマです。

先日、『行為のデザイン思考法』なる本を読みました。

僕は対話のデザインなることを1つのキーワードにしているのですが、『行為のデザイン』は『対話のデザイン』にも繋がる非常に面白いものでした。

今回はその気付きをシェアさせてもらおうかと思います。

■行為のデザインとは

まず、行為のデザインについて簡単に説明します。

本によると、行為のデザインとは、

人の行動に着目し、改善点を見つけてより良く、新しい形を見つけていくデザインマネジメントの新手法

とあります。

うーん、わかるような、わからないような。。

僕の言葉でまとめるなら、行為のデザインとは

目的の行動がスムーズにできるデザイン

でしょうか。

本ではそれをハンガーの例で説明してくれてます。

例えば、ズボンとジャケットをハンガーにかける行為を想定しましょう。

通常は殆どの人がハンガーを使うとき、ジャケットからハンガーにかけますよね。で、その後ズボンをかけようとしますが、そうするとジャケットが邪魔でスボンをハンガーにかけにくいんですね。

ズボンから先に脱げばいいのですが、人はどうしてもジャケットから脱ぎたくなってしまうということが書いてあります。

『人はジャケット→ズボンの順番で服を脱ぐ』

これを発見することが「人の行動に着目する」ということでしょう。

そして、人はジャケットから脱ぐんだから、ジャケットの後でもズボンがかけやすいハンガーをデザインしよう!というのが行為のデザインというものだと解釈しました。

■アナロジーで考える対話のデザイン:比較して考えてみる

では行為のデザインと比較しながら、対話のデザインというものを考えてみましょう。

行為のデザインが『目的の行動をスムーズにできるデザイン』だとしたら、対話のデザインは『目的の対話がスムーズにできるデザイン』ということができます。

目的の対話とは様々なものが考えられますが、僕が得意としているリフレクティブな対話だったら、例えば『自分の本質的な気づきが生まれ出るような(ことが目的の)対話』ということが言えるでしょう。

自分のコアに繋がる本質的な気づきを、有限の対話の時間内でどうつくり上がるか、その対話の運び方をどうサポートするか、が対話のデザインになるわけです。

■対話のデザイン、その基本は問いのデザイン

となると、次はそのスムーズな気付きをどう生み出すのか、ということに焦点が移ります。

気付きを生み出すポイント、それは問いが適切であることだと考えます。

気付きって「ある領域に意識を集中して生み出すもの」だと思います。

問いの1つの機能に「思考領域の明確化・指定」というのがあるのですが、その思考領域が(その時の)自分にとってピッタリだと気付きの確率が上がるよね、っていうのが僕の主張したいところです。

簡単に具体例を出すなら、自社の理念に対し対話し考えを深めているとき、「週末はどこで遊びますか?」という問いがあったら、思考領域としては「週末の遊び≠自社の理念」になるわけです。当然の事ながら、これだとその場の思考は上手くつながりません。問いが逆効果を発揮しているパターンですね。

自社の理念に対して思考を深める適切な問いとは、「その理念はどのような経験から出てきているのですか?」とかですかね。そんな問いだったら、思考領域としては「理念+これまでの経験」という領域になって、「あ、こんな経験があって、こんなことを思ったからこんな理念なんだ。やはりこれを大切にするべきなんだな」とかリフレクションできるわけです。

こんな問い(そして思考)をデザインすることが、対話のデザイン(の一部)なわけです。

・・・ということで、対話をデザインするということについて考えていることを簡単に紹介してみました。

今日の話からちょっと離れますが、以前紹介した差分解析法の考え方なんかも対話のデザインの手法です。

今後は、ただ対話を楽しむだけではなく、未来に繋がる気付きをどう生み出すか、というメソッドに着目したアプローチを増やしていきますのでどうぞ楽しみにして頂けたらと思います。

最先端の話はイベントでやりますので、ぜひ一緒に議論しましょう。

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