ワークショップのデザイン:テーブルは丸型?四角型?場の対称性について

ファシリテーション

この記事でわかること

→ ワークショップで対話をするときは円形のテーブルがいい。参加者全体が参加した感がでるから。

 

ワークショップの対話って、様々なものに影響されます。

 

ただ、話せばいいんでしょ?って思われがちですが、その「話す」ってことはいろんな事から影響を受けるのです。

 

例えば、集まるメンバー、集まる時間帯、部屋の形、壁紙の色・・・など、その要素をあげたらキリがありません。

 

効果的なワークショップ対話のデザインって、ホント難しいと思います。

 

ということで、僕が気付いたデザインのポイントなどはブログで発信することで、皆様のお役に立てたら嬉しいなと思っています。

 

ファシリテーション論というカテゴリで発信してきますので、よかったらたまに遊びに来てください。

 

さて、今回は対話をするときの「テーブルの形」について、ちょっとポイントを書いておこうと思います。

■対話のテーブルは基本円形がいい。場の対称性って話

 

ワークショップで対話とかするとき、テーブルの形は結構様々だと思います。

 

もちろん、どんな形のテーブルでも対話はできるのですが、できれば円形のテーブルを使ったほうが話がスムーズに進みます。

 

理由は、円形だと参加者がどこに座っても同じ関係性になるからですね。

 

円は中心が真ん中にあるので、どの位置に座ってもお互いのバランスが保たれます。

 

図で表すと図1の感じですね。

 

fig1

 

ただし、図2のように座ってしまうと、せっかくのバランスが崩れてしまうので、そんな座り方はやめましょう。
(まずこんな座り方はしないと思いますがw)

 

fig2

 

僕はこれを場の対称性という考え方で理解しています。

 

対話の場って、全員が参加して全員でつくっていくことが大事です。

 

全員の参加感を引き出すためには、参加者同士の深い傾聴や、全員が同等に協調することなどが必要です。

 

そのためには、ある参加者に重心が隔たっていたらマズイわけです。全員が等しく、対称に参加できてたら、グループには自然と全員の参加感がでてきます。

 

そのためには、場の対称性ってのも大事なんですね。

 

■四角テーブルは対称性がデザインしにくい

 

丸テーブルだったら、場の対称性がつくりやすいことがわかりました。

 

では、四角テーブルではどうなのでしょうか。

 

結論から言うと、場の対称性は丸テーブルに比べてつくりにくいです。

 

参加メンバーが偶数とかだと作れる場合も多いのですが、奇数とかだと難しいんですよね。。

 

図3、図4にそれぞれの場合のイメージを示しました。

 

fig3   fig4

 

図4のように、参加メンバーが奇数で場の対称性がつくられていない場合、場の重心が偏ってしまうことがあります。

 

場には、相対的によく喋る参加者がいます。よく喋る参加者が、例えば図5のような位置に座っていたとしましょう。

 

fig5

 

場の重心がその参加者の近くになってしまうわけです。

 

そうなると、その重心から遠い参加者は、場からの疎外感を感じてしまいます。

 

その方が主体的に参加する方だったらまだいいのですが、始めて参加した方や、消極的な参加の方の場合は、結構ヤバイです。

 

場に参加してくれないんですね。

 

■ハードに対称性がない場合はソフトでカバーする

 

では、場の対称性が崩れている場合はどうしたらいいのでしょうか。

 

1つの答えは、テーブルというハードが難しいなら、ファシリテーターというソフトが、それをフォローすればいいのです。

 

例えば、テーブルファシリテーターが、図6の位置にくるといいでしょう。

 

 

fig6

 

 

図6の位置なら、完全に対称とはいきませんが、全体に意識を通すことができます。そうすることにより、場の重心もわりかし中心にもってくることができます。

 

この位置なら、始めて参加した方などにも、平等に意見を求めることができやすいですね。

 

 

地域づくりやアイデア出しなど、多様な参加者へ参加感を醸成したいときは、この対称性という考え方が効果を発揮します。

 

ぜひワークショップでの対話のデザインに使ってみて頂ければと思います。