この記事でわかること
→ 男性型・女性型のリーダーシップの意味。効果的なリーダーシップの構成要素
先日あるイベントにて活躍する女性の話を聞いてきました。
そこでは、これからの時代は「女性型のリーダーシップ」が大事!ということが言われていて、その比較として「男性型のリーダーシップ」というのも説明されていました。
説明を聞いていて、これってリーダーシップ論の一つであるPM理論の話だなーって思ったので、今回はその辺りについてまとめておこうと思います。
- リーダーシップ論の一つ、PM理論とは
- PM理論と男性型・女性型リーダーシップの関係性
- これからのリーダーシップ像
では説明していきましょう。
PM理論とは
まずPM理論について説明しましょう。
PM理論は日本の社会心理学者の三隅によって提唱された、リーダーシップに関する理論です。
そしてその名前の通りP(Performance:目標達成能力)とM(Maintenance:チーム維持能力)の2軸でリーダーシップを捉えます。
普通、リーダーって言ったら「チームをガンガン引っ張って目標を達成する人」というイメージがあると思います。
それ、まさにPM理論でいうところのP(Performance)です。
具体的に指示を出したり、期限の管理をしたり、そんな目標を達成するための行動がPerformanceを司る行動です。
ではPM理論のM(Maintenance)とは何でしょうか。
それはチームの活性能力ですね。簡単に言えばmaintenanceとはメンバーが安心して気持よく働ける環境をつくる能力です。
例えば、人は感情で動くものなので、頭ではやらなきゃいけないとわかってても、行動したくないってことはよく起こる問題です。
Maintenanceは言わばその感情もしっかり扱うもので、タイミングで褒めたり、メンバーの特性を上手く掛けあわせたりして、チームとして力を発揮できる状態をつくるものです。
よく考えると、このMaintenanceという行動も、立派なリーダーシップな行動ですね。
PM理論ではPerformanceとMaintenanceを合わせ、例えば図のようにリーダーシップを理解します。
PM理論と男性型・女性型リーダーシップについて
では、PM理論と男性型・女性型リーダーシップはどのように関わっているのでしょうか。
これはもう察しがついている方も多いでしょうが、
- 男性型:Performance
- 女性型:Maintenance
です。
冒頭のイベントで女性型リーダーシップと言われていたものは、Maintenanceの能力について焦点があたっているものでした。
- メンバーの話しをちゃんと聞く
- メンバーを信じて任せてみる
- チームで合意を形成する
どれも Maintenance に関係する行動です。
こういうMaintenanceの行動が多いリーダーの下では、チームの関係性がよくなり、全体としてチームが成長することができるわけですね。
理想のリーダーシップ像とは
女性型リーダーシップというのは、PM理論でいうところのMaintenanceに対応するものだということがわかりました。
最後にまとめておきたいことは、このMaintenanceのリーダーシップは、Performanceのリーダーシップがあってこそ力を発揮するということです。
新入社員を育成するとき、同じ時間でも成長が大きいのはどちらでしょうか。
- その力を信じて、全部任せる。(Maintenance)
- 教えることは厳しく教える。でもちゃんと話も聞いて、任せる場面では任せる。(Performance+Maintenance)
僕は後者の方だと考えています。
チームが成長するときも同じことで、目標を達成するための管理や指示(Performance)があって、そこにメンバーのモチベーションや関係性をMaintenanceする行動があることで、チームは成長すると考えられます。(もちろん逆もしかり)
ということで月並みの結論ではありますが、女性型リーダーシップも大事だけど、男性型リーダーシップも大事だということです。(しつこいけど、もちろん逆もしかり)
2つのバランスのとり方がリーダーシップの難しいところであり、そして真髄なんだということでした。