2014年から公開している、1年間を振り返るシート。
2018年バージョンをつくりましたので、公開したいと思います。
それでは、ご興味のある方は添付のワークシート、手帳などの今年を振り返れるものを準備して始めていきましょう。
2018年版のワークシートは下記からダウンロードしてください。
※2018をご利用の年度に変更したらいつでも使えます。
【PDF版】
【PowerPoint版】
※2020年もつくりました。2020年より年度のナンバリングを廃止して、いつでも使えるようにしています。2018年より簡易的に使えますので良かったらこちらもどうぞ。
■まずはワークシートの概要を
本ワークシートは、1年を体系的に振り返るために作ってみたワークシートです。
1年を次の4つの要素にわけて振り返ります。
- 資源
- 行動・結果
- 学び
- 目標
そして振り返りの結果から次の4つの要素を抽出します
- 好きで、得意で、価値があることは何だったか
- どんな成功があったか
- どんな失敗があったか
- その他、気になるトピックは何か
基本は好きに埋めていっていただいて構いませんが、自由に記入することが難しい方は次の手順通りやってみると良いでしょう。
■左側(2/3を占める大きい枠、4つの要素)のワークシートを埋める
シートは左側と右側に分かれています。まずは左側のシートから埋めましょう。
※画像は2016年の振り返りになっていますが、基本同じで使えます
(1)目標を埋める
まず、シートの一番下にある、今年の目標の枠を振り返ってみましょう。
枠は四半期毎に分けられています。
それぞれの時期にどんなことを目標にしていたのでしょうか。思いつくだけで構いませんので、カレンダーや手帳をみながら振り返って記入してみましょう。昨年ワークシートを使っていたら、昨年書いたことから転記してみましょう。
ちなみに、12月に振り返っている皆様だと10月~12月の欄から考え始めると直近のことなので思い出しやすいです。(もし実施が6月だったら、4~6月の欄から考え始めると良いです)
- 手帳
- カレンダー
- スマホのカメラロール(これ、意外にいいです)
- SNSの投稿
などを見ながらやると思い出しやすいかと思います。
(2)出来事・行動・結果を埋める
次に、出来事・行動・結果の枠を振り返ります。
こちらも思いついたままに記入していけばいいですが、先程と同じように、今自分がいる欄(12月にやっているなら、10月~12月の欄)から記入すると思いつきやすいでしょう。直近のことから思い出すのが一番やりやすいですね。
手帳やカレンダー、SNSの投稿などを見ながら自由に埋めてみましょう。
こんな事があった、あんな事があった、深く考えずにまず書いてみることが大切です。書き出すと、書いたモノから連想して、次の記憶が呼び出ししやすくなります。
(3)活用できた資源を埋める
出来事が埋まってきたら、次は資源を考えます。
活用できた資源とは、出来事・行動・結果を出すために必要になったものです。
先ほど記入した欄を見ながら、次の問いを考えてみてください。
「この行動や結果は何があったから生まれてきたのだろう?何と何が繋がったのだろう?」
この問いを考えると、例えば「◯◯さんがいたからだよねー」とか、「◯◯のスキルを身につけていたからこの結果が出た!」というのが出ると思います。
ここで出てきた、◯◯さん、◯◯のスキルというのが資源になります。
資源は、結果を出すための材料になるものです。資源を適切に加工(準備し行動)することで、結果が出せるというイメージです。
資源は、「人」と「スキル」「モノ」の3つに分けて考えます。
人は、その名の通り自分の周りにいる人達です。上司、後輩、家族、友達、いろんな繋がりがあると思います。会社や、趣味の集まりなど複数の人で構成されている集団、コミュニティも「人」に含みます。
「結果」の欄を見ながら、「あ、この結果はこの人が居たから達成できたんだな」とか、連想して思い出してみてください。
僕達は日々、誰かと繋がり何かを得ています。その得たものを資源に、また新しい結果を出したり、新しい資源を手に入れていくのです。特に人の繋がりは本当に大事です。連想で一年間を辿っていくにつれ、人の大事さに、人から助けられている事に気付くことでしょう。
さて、「人」を思い出していたら、スキルも思いつくかもしれません。スキルとは、自分が身につけたこと学んだこと、自分の能力等のことです。ある価値を出すために、こんなことを学んだ、この能力が力を発揮したということを記入していきます。
最後、「モノ」は自分が所有しているモノ、権利のことです。具体的には「新調したPC」、「偶然出会ったあの本」や、何かしらの自分に有益な権利を指します。自分が利用できる、ヒト以外のモノです。
これら「資源」を記入するポイントは「出来事・行動・結果」等の他の項目から連想して思い出すことです。
出来事・行動・結果の欄を見ると「あ、この結果はこの資源があったからだよな」とか、「そういえば、こういう人から、こういう結果に繋がったな」とか出てくると思います。書いた事を繋げながら、自由に記入してみてください。
連想をしているときは、今書いている枠に拘らず、枠を自由に飛び越えながら記入することもポイントです。一箇所を埋めることに拘らずに、自由に飛び回って記入することが本ワークシートの醍醐味です。
(4)学んだことを埋める
前半戦の最後は学んだことです。
学んだことは、目標と出来事・行動・結果の差から考えます。
この2つの差は、実績と目標の差ということもできます。
目標を達成するために行動したら、こんなことがわかった、こんなことに気づいた、など書き出してみてください。
また、そういうことに拘らずに、単に思ったことを書いてもよいでしょう。
「これが良かったなー」「これは来年もっと勉強したいなー」など、他の枠を埋めながら思いついたことも自由に記入してみてください。
ちなみに一連の手順は自分でやるのもいいですが、仲間や友人と一緒にするともっと深い部分までたどり着けることもあります。可能であれば、ぜひ仲間や友人と一緒に対話しながら振り返りを実施してみてください。思わぬ繋がりが連想される可能性大です。
ここまでで前半戦が終了です。ふ〜、疲れましたね。疲れてきたら一旦休憩を挟んでください。
■右側のワークシートの埋め方
さて、左側が埋まったら、次は右側です。(もちろん、最初に右から書いてもOKです。自由にやってください)
(5)好きで、得意で、価値があると感じることは?
ある大御所の学者の先生も言ってい たのですが、私達が「キャリアを成功させた!」ということができるなら、それは「好きで」「得意で」「価値があると信じること」を仕事にしている時だと考えます。
一年間を通して、自分の「好きで」「得意で」「価値があると信じること」は何だと言えそうでしょうか?ここでは、そう感じるキーワードを記入してみてください。
3つの中で特に大切なことは「価値があると信じること」です。
自分が価値を信じていることは何か?
ここはぜひじっくり考えてみてください。
自分が何を信じているかは、仕事を進める上でめっちゃ大切です。
なぜかというと、信じていることがないと、困難がやってきた時に打ち勝てないからです。
好きで得意だけのことって、言わば趣味です。そして趣味は「困難」があると続ける気にはなりません。
趣味って自分の好き勝手にするから楽しいのであって、周りの色んな利害関係を考えながら困難を乗り越えてするものではないですよね。
でも仕事は、世のために、困難に打ち勝っていかないといけない。困難を乗り越えないといけない。
その困難に打ち勝つためには、(世の中にとって)価値がある!と信じれることが重要なのです。それがあると人は前に進むことができます。
あなたが価値を感じていることは何でしょうか。
そしてそれに対して自分の資源を投下することができているでしょうか。
価値を感じないことに資源を投資しているのなら、それは改める必要があるかもしれません。
(6)成功パターン
次は少し飛んで成功パターンへ進みましょう。
シート左側で出した出来事・行動・結果、資源などを見ていると、自分が結果を出す場合にパターンがあることに気付けるかもしれません。
それは例えば「地道に正攻法で仕事をしているときこそ価値を出せていた」というパターンかもしれませんし、「作りこみを諦めず、精度を高めていたときに上手くいっていた」というパターンかもしれません。
この成功パターンを抽出して、来年に生かすことこそが、この振り返りの大きな目的でもあったりします。自分の成功パターンをぜひ抽出してください。
(7)妨げてきたパターン
これも成功パターンと同じように抽出します。学んだことに書いたことを参考に考えると抽出しやすいでしょう。
ここで出てきたパターンは、自分が克服すべきことです。来年はこのパターンを克服する、もしくは克服しなくてもこのパターンに陥らない方法を考えましょう。
(8)その他、何でも思ったこと感じたこと
その他、何でも思ったこと感じたことは、他の項目を埋める上で「書きたいけどどこに書こうか迷ったこと」を書いてください。大きな流れに書くほどの内容ではないけど、自分にとって少し気になる事、などメモをしましょう。
…以上で、一年の振り返りは終わりです。お疲れ様でした。
※余力のある方はワークシート2枚目、2019年の準備に進んでください。
■次の1年の計画を立てる
ワークシート2枚目は次の1年の計画を立てるワークシートです。1枚目だけでも一年の振り返りはできますが、せっかくなので次の一年の計画も立ててしまいましょう。
(9)前年の学びを引き継ぐ
まずは、前年の学びを引き継ぎます。※2019年準備シートは画像とは少し異なりますが、基本同じで使えます
1枚目のワークシートで書いたことを思い出し、改めて「自分はどのように生きたいのか」「そのためにどんな方針で1年を進めばいいのか」を書きましょう。
粒度(記載の細かさ、確からしさ)を考えるよりは、思いついたことを自由に書いた方がよいです。思ったことはまず書き出してみましょう。
(10)行動の優先順位をつける
次はちょっと頭を切り替えて、図に記入することをします。
このBOXは「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)(ウィキペディアに飛びます)」の考え方を取り込んで作成したものです。
PPMはもともと企業が力をいれる商品を考えるための手法なのですが、これが個人が力をいれるべき戦略を考えるためにも使えます。
ここには例えば、こんな感じで今、自分がやっている行動(仕事)を書き出します。
横軸が「現在収益を得ていること」、縦軸が「将来収益を得る可能性が高いもの」です。
例えば、この図であれば「お茶を汲むこと」は収益を得ることができていますが、将来的に伸びる見込みがありません。
一方「ラーメンをつくる」に関しては、まだお茶くみより収益を得ていませんが、将来的に伸びる可能性が高い分野です。
この図から言えることは、お茶汲みで収益を得つつ、ラーメンをつくることにも分散投資すると、将来的な収益は増えるぞ!ということです。
稼ぐ仕事と投資する仕事(まだ稼げないけど将来稼ぐ仕事)を分けて考えるんですね。これは意思決定をするときに結構使えるやり方だと思います。
みなさんも、自分の仕事をこの図のようにマッピングしてみてください。そして将来的に収益を生み出す可能性が高いものへ投資を進めてください。(つまりシート右側への達成目標に取り入れるわけです)
ちなみに、マップ左下の「おにぎりを食べる」は現在収益をあまり得ていないし、将来的にも得る見込みのないものです。ここの領域の仕事をはなるべく早くに見切りをつけないといけません。こちらも来年の行動目標に反映させてください。
(11)やること、止めることを決める
ワークシート左側の最後の項目です。
このBOXはこれまでの流れを受けて「やる事」「やめる事」を決める部分です。
- 自分の成功パターンを生かすことだし、
- 失敗パターンを減らすことだし、
- 自分の生き方に繋がることだし、
- 戦略的に将来の稼ぎに繋がることは何でしょうか
そのために「やること」「止めること」は何でしょうか。
書き出してみましょう。
(12)次の1年の計画を立てる
最後、次の1年の具体的な行動目標、達成目標を決めましょう。
ここまで書いてきたことから発想を広げて、何月の時点で何を達成していたいのか、そのためにどんな行動をすればよいのか、シート右側に書き出していきましょう。
枠にとらわれず自由に書き出して構いませんが、1枚めと同じように「連想」をポイントにしてください。
「目標を達成する」ために「どのような行動」が必要か、その行動のために「どのような資源」が必要か、その資源を得るために「どのような行動」が必要か。
そういうことを連想しながら、ワークシート右側を埋めていきましょう。もちろん、全部埋まらなくても大丈夫です。あとで振り返る時に「年初の目標はこういうことを考えてたな」と思い出せれば十分です。続きは未来のその時に連想して埋めていきましょう。
■ぜひ、仲間と一緒にやってください
ということで、振り返りシート、計画シートの使い方の説明でした。
少々量が多いのですが、その分の効果はあると思います。自分でも気づいていない部分が、この振り返りによってわかる可能性大です。
この振り返り、1人でやってもいいですが、できれば同じシートを使って複数人の人とやってください。そして、なぜそう書いたのか、どうしてそう思うのか、ということを対話してください。
理由は、仲間との対話の中にこそ自分からは見えない価値が隠れているから、ですね。
年末年始の時間が学びに溢れた時間になることを願っております。