今回はコミュニティを「発展」させる要素について説明したいと思います。
コミュニティを発展させる上で大事なポイントは、次の3つです。
・規範
・価値
・貢献
では、それぞれ説明していきましょう。
▼コミュニティと規範
コミュニティも形成の段階が終わると、次は発展の段階に入ります。
コミュニティが発展すると、それこそ色んな方が関係してくれるようになり、コミュニティはより多様な場になっていくでしょう。
そうなると、「あれもいいし、これもいい」となったり、「コミュニティには共感が必要なのだから、全てを受け入れましょう!」となる場合があります。
これは、メンバーの受け入れとしてはいいのかもしれませんが、コミュニティの発展に対しては危険な側面も含みます。
コミュニティが何でも受け入れ過ぎると、何のコミュニティかよくわからなくなり、所属する意味がなくなってしまうからです。
規範とは、コミュニティの広がりを防ぎ、コミュニティのアイデンティティを守る道徳です。
基本的には自由にしていいけど、これだけは外してはならないという、コンセプトです。
大事にしたい想いを、言葉で表現し、それをブラさない規範をつくりましょう。
規範を外れるものは、強い意志をもってノーと伝えます。(ここ、ポイント)
その規範が、コミュニティの多様性を確保しつつも、意味をもつコミュニティを支えてくれます。
▼コミュニティと価値
コミュニティの価値とは、来てくれているメンバーにちゃんと価値を提供できているかどうか、です。
例えば、勉強会のコミュニティをつくったとしましょう。
その場合、コミュニティの価値とは、「成長できたと感じること」が挙げられます。
それは、モヤモヤ考えてたことがスッキリした!かもしれませんし、新しい知識が1つ増えた!かもしれません。
メンバーそれぞれの、「成長した!」に繋がることが提供できていたら、メンバーはまた来てくれるでしょう。
一方、その価値が提供できない場合は、メンバーの足は少しずつ遠のいていくことでしょう。
「行くと楽しいんだけど、成長している実感はないんだよな~」
こんな状態になったら要注意です。
これがでると、仕事が忙しくなったらコミュニティに行かない人、続出です。楽しいだけのコミュニティは、継続性に欠け、形成はされても発展は難しいのです。
そのコミュニティの価値は何で、何を求めてメンバーは来ているのか。
メンバーにコミュニティの価値が提供できているかということは、基本的なことですが、定期的に見直しをすることが重要です。
▼コミュニティと貢献
最後の要素は「貢献」です。
コミュニティにおける貢献とは、メンバーがお互いに関心をもち、それぞれが協力し合うことです。
貢献という相互作用をすることで、コミュニティはその価値を大きくするわけです。
貢献は、自分がちょっと得意なことで行うことがポイントです。
自分にとっては当たり前にできることでも、他人にとっては凄いこと、というのはよくあることです。
それぞれが強みを発揮して、仲間と達成する経験をしてもらいましょう。
仲間のパワーで物事が成し遂げられていくことは、コミュニティで活動していて1番ワクワクすることでしょう。
ただし、この貢献というものは、メンバーを放置していて自動で発生するものではありません。
メンバーの相互作用を促進し、それぞれが貢献をする間柄になるためには、コミュニティマネジメントが必要です。
このマネジメントの技術というのがコミュニティ運営の真髄なのですが、そこを真剣に追求しているコミュニティって、実はそんなに多くない気がしています。
途中で瓦解するコミュニティが多いのはそのせいだと思っているのですが、コミュニティのマネジメントって実は肉体労働的に大変なものなので、それもしょうがないかな、という思いもあります。
ただ、コミュニティを発展させる上で、貢献のマネジメントは必須の機能です。
その辺はまた別の話ですが、ボチボチと紹介していこうと思います。
はい、ということで、コミュニティを維持するための3つの要素でした。
コミュニティは複雑なシステムです。
この手順を守れば必ず上手くいく!という魔法の手法はありません。
ただ、上手くいっているコミュニティをみると、ここまでに説明してきた要素は必ずといっていいほど、見かけられるものです。
いわばコミュニティの必要条件とでも言えるものでしょう。
以上、2回に渡り、コミュニティを形成する要素と発展させる要素を紹介しました。皆様の参考になれば幸いです。