リフレクションの分類の試み3:変容すること

リフレクションとは?という疑問に答えるため、リフレクションの種類を分類してみようという記事です。

前回、前々回は、

リフレクションの分類の試み1:観察・理解すること

2015.09.03

リフレクションの分類の試み2:学習すること

2015.09.14
という2つの観点からの記事でした。

今回はリフレクションの中でも重要な「変容すること」というのをまとめてみましょう。

■基本はアージリスのダブルループ学習モデル

今回のメインはダブルループ学習という考え方です。

ダブルループ学習は組織学習の研究者、クリス・アージリスが提唱している概念で、次のモデルで表されます。

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主張は至極簡単で、物事を考えるときは、その背景にある前提まで考えるといいよ、ってことです。

超絶簡単に例を出すなら、

結果:お腹が空いているから、魚を食べるぞ!!

行動:よし、魚を釣るために、餌を変えたり、仕掛けを変えたり、いろいろためそう!でも釣れないなぁ。。どうしよう。。

前提:あれ、お腹が空いてるなら、魚じゃなくても、後ろになってる木の実を食べればよくない!?

って感じですね。

お腹が空いているから魚を釣ろう!ということをずーーっと考えてたのですが、そもそもお腹が空いているなら、魚じゃなくても他の食べ物もあるよねって話です。

もう少し詳しく!ということでしたら、それはこっちの記事で書いているので、御覧ください。

■大人の学習とは変容の学習である

では、このダブルループ学習、どんなときに意識すればいいのでしょうか。

結論からですと、成長したい「大人」は常に意識していればいいと思います。

というのは、大人になると、これまでの経験から自分の思考や行動パターンができてしまっているからですね。

数十年を生きた経験はだてではありません。こうやったら上手くいく!みたいなパターンは沢山体験してて、それを踏襲しているのが大人だと思います。

でも、それって前提が変わらないときには有効なんですが、残念ながら世の中の前提って、ドンドン変わるんですよね。

過去の成功パターンがいつまでも通じるとは限りません。

大人が成功をし続けるためには、既存のパターンの繰り返しは避けて、新しい現状(前提)に即した行動パターンにアップデートする必要があるんですね。

これ、まさにダブルループ学習です。

ということで、学習=成功することだとしたら、

子どもの学習は:成功のための基本の型を身につけること(既存の知識をインプットすること)

と言えるでしょう。一方、

大人の学習は:成功のために前提をアップデートすること(既存の知識を捨て去ること)

となるわけです。

これはメジローという教育学の有名な先生が『大人の学習とは変化することである』みたいなことを言っていますが、それと同じ主張だと考えます。

ということで、リフレクションの3つ目の型は「変容すること」ということの説明でした。

次の記事は最後、リフレクションとは「改善である」ということを述べてこのシリーズを終わりにしたいと思います。

補講:
ちなみに、ダブルループ学習における前提は、簡単に見つかるものではありません。

それはヒューリスティクス、認知バイアスといった、私達の脳みその構造がそうなってるからなんですが、このあたりは深く調べると面白いです。

今回の記事に興味を持った方は、ぜひ「ヒューリスティクス」「認知バイアス」というのをGoogle先生にでも聞いてみると面白いと思います。