リフレクションの分類の試み1:観察・理解すること

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リフレクションとは何でしょうか?

セミナーなどで参加者の人にしょっちゅう聞いてみるのですが、おおよそで言われることは次の内容です。

  • 振り返るもの
  • 改善するもの
  • 立ち止まるもの
  • 学びを意味付けるもの

・・・等ですね。

もちろん、これは全て間違ってないものであり、どれも「リフレクション」という言葉が意味している事項の1つだと思います。

実はリフレクション、1つの意味だけではないと思っています。

リフレクションはいろんな側面から解釈できます。

今日はその1つの切り口である「リフレクションとは起きていることを観察し、理解することである」の立場から、その考察を深めてみたいと思います。

※ちなみに、「観察・理解すること」の他には、リフレクションとは「学習すること」「変化すること」「改善すること」があると思ってます。トータル4種類です。

■観察するとはどういうことか

まず観察するということですが、僕は観察することを次のように捉えています。

観察すること = 起きていることをなるべく主観を排除して見る、認知すること

ここでのポイントは主観を排除する、ということです。

厳密には主観なんて排除できないですが、なるべく排除しようと思って現象を見ることはできますよね。

そうやってなるべく主観を入れないようにして現象をみて、そこから意味を汲み取ること、繋がりを見つけて全体として理解すること、それをリフレクションの1つの機能だと考えることができます。

■全体として理解するとは?

ここでもう一つポイントを。

全体として理解すること。これ、大事なのでもう少し詳しく書くと、理解するとは

理解 = 物事の関係性(繋がり)を全体として認知すること

だと思っています。

例えば、理科で習った食物連鎖とかを考えてみましょう。

食物連鎖の一部は、例えば、植物を昆虫が食べる、という部分があげられます。

それ一部だと、食物連鎖って何?何が連鎖なの?とかになるわけですが、一つ一つ食物連鎖を観察していくと、昆虫を鳥が食べて、鳥を菌類が分解して、その栄養素を植物が吸収して、植物を昆虫が食べて・・・と全体としてつながっている関係性があるわけです。

その全体としての関係性を認知したとき、それに対する理解をしたということができると思ってまして、それが「あ、そういうことか!!!」というあの瞬間だと思ってます。

これが全体を理解することですし、それは一部の事を観察して、具体と抽象を考えながら、全体として繋がりを見つけること、といえるわけです。

■リフレクションはイノベーションにも繋がる力である

・・・と、ここまで考えてくると、1つの新しい展開が出てきます。

それはイノベーションっていう展開です。

もうこの言葉を聞かない日はないくらい世間で求められている力ですが、イノベーションは今回説明したリフレクションの切り口からその可能性を感じることができます。

というのは、イノベーションとは新しい関係性の発見に他ならないからです。

技術革新とかでイメージされるイノベーションですが、既存パラダイムからのシフトをイノベーションだとすると、考え方を変えることもイノベーションですし、物事に対する見方を変えることもイノベーションなわけです。

で、リフレクションで全体を理解、関係性を発見することは、まさにイノベーションなわけでして、イノベーション人材を育成するには、僕はリフレクションの力は避けて通れないものだと思います。(たぶん、今のイノベーション人材と言われてる人たちは、自然にリフレクションをしている人達です)

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・・・ということで、簡単にですが、リフレクションの種類の1つ、「リフレクションとは起きていることを観察し、理解することである」ということを説明してみました。

リフレクションの可能性を感じて頂けたでしょうか。

今度は残り3種類についても、順次説明してみようと思います。