アクティブラーニングとリフレクションのワークショップ開催してきたよ:アクティブラーニング型授業研究会くまもと

先週末は、熊本にてアクティブラーニングの勉強会に行ってきました。
アクティブラーニングに使えるリフレクションとは?ということをテーマにおおよそ40人の高校の先生達と、丸一日頭を捻ってきたのでした。

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今回のブログでは、開催報告ということでやってきた様子をざっくり紹介したいと思います。

■ワークショップのきっかけは

まず今回のワークショップ開催のきっかけですが、熊本アクティブラーニング研究会の代表である溝上先生と僕が知り合いだったところから始まります。

お互いに方向性は一致していたため、そのうち何か勉強会したいねーと言っててついに開催できたというのが今回のワークショップなのですが、その裏には先生方に共通するアクティブラーニングの悩みもありました。

その悩みというのはまさに「リフレクション」のこと。

なんとなく大事そうなのはわかるのですが、何が大事であるとか、リフレクションをどう支援していいのか、細かい部分になると先生方の間でも「??」という状況が、リフレクションにはあるということでした。

実際、クラスで実施している先生方に話を聞いてみると、工夫のしどころがわからずなんとなくやってしまっているそう。

リフレクションがいつものお決まりのパターンになっていて、生徒の間にも「はいはい、やればいいんでしょ(何が良いのかわからないけどね!)」という空気感が漂っているらしく、有用なリフレクションが支援できていないということでした。

そんな問題を背景に「そもそもリフレクションって何なの?」ということを、自分たちなりに考えて理解し、その手法を開発してみることが今回のワークショップの大きな目的なのでした。

当日はこんな会場で、こんなお菓子とともに。お菓子たくさん(笑)

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■実際にやったこと

というわけで、午前の部と午後の部で

  1. リフレクションってそもそも何なの?考察して構造化しよう!というワークと、
  2. 構造化だけではしょうがない、リフレクションを深める問いとは?

という2つのワークをやってきたのでした。

午前の部では(1)のリフレクションのそもそもを考えるワークをやってきたのですが、アウトプットだけ示すと、次の写真の感じ。

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全部で6つのグループで6つの構造化マップを作成しました。マップを作成する過程において、先生方の間で「リフレクションってこういうこと?」ということが徐々に構成されていったようです。

ちなみに、写真でアップしているのは全体で投票をした結果、一番票を獲得したもの。行動と動機づけに軸がわけられていることがポイントで、こういうふうに構造化すると、先生方が「授業でこれ大事だよね!」と考えているリフレクションがきれいに分類されるようです。

本当はまだまだリフレクションの構造化についても考えたかったのですが、時間の都合上で午前中はここまで。

お昼休憩を挟んで、午後の部に移りました。

■午後の部でやったこと

というわけで午後の部ですが、こちらでは(2)リフレクションを支援する問いを考えよう!というワークをやってみました。リフレクションのことを理解したのはいいけど、どうやってそれを実現するの?ということを考えていきます。

こんな感じで先生方皆様で、頭を捻って考えております。

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お互いに問いを吟味しあって、自分たちの考えた問いがちゃんと機能するか実験もしてみました。

実験の結果次のような感想が出てきました。

  1. 自分たちでは当たり前と思っていた表現が、グループが違うと別の意味で伝わったりする。問いに使う言葉って慎重に考えないといけないな
  2. 問いの狙いや目的の部分を日頃は考えていなかった。適当に聞くのではなく狙いをもっと深める必要がありそうだ

どちらも深い気づきですね。

■知識や情報をつくる、ということ

また、リフレクションへの感想ではないのですが、次のような感想もいただきました。

  1. 今回のワークショップで「教えない授業」ということがどういうことかわかった。
  2. 教えてもらっていないのに、リフレクションについて理解が深まる体験をできたのは良かった

これは非常に嬉しい感想です。

というのは、今回の裏目的の一つに、知識デザインと言う言葉がありまして「知識を自分たちでつくってみる(誰かに教えてもらうのではない)」ということが僕の裏テーマで存在していました。

多分、これからの子どもたちは知識デザインが求められていきます。外から与えられる知識を吸収すること、それを使うことではなく、どこにもない知識を自分でつくること、それを活用することが求められていきます。(もちろん、外にある知識が必要ないというわけではありません))

そのような時代には、知識を吸収するスキルも大切ですが、知識を作り出すスキルが明暗をわけると思います。

リフレクションという、海の物とも山の物ともつかないものは、その練習にはピッタリでしょう。自分たちでリフレクションについて考えて、理解していく、それを授業で応用するために手段を考えてみることは先生方にとっても面白い体験になってくれたのではないかと思っています。

その裏目的も、感想を聞く限り多少は達成できたようです。とはいえ改善点もたくさん見つけることができたので、今回のワークを踏まえてまた次のワークをブラッシュアップしてみようと思います。

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アクティブラーニングとリフレクションはこれからも深めて行きたいテーマですので、同様の取り組みはぜひいろんな人達と続けて行きたいと思います。面白そうなことがあればお声掛けください。

アクティブラーニング型授業研究会くまもと皆様、ありがとうございました!

ちなみに、熊本の締めはこちら、文龍。熊本行ったら絶対食べておきたいラーメン。相変わらず美味かった笑

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