この記事でわかること
→ チーミングの重要ステップであるフレーミングの全体像
一連の「チームが機能するとはどういうことか」の考察記事です。
今回は第3章の内容について考えてみましょう。
以下、記事アップ毎にリンクしてきます。
- (1)「チームが機能するとはどういうことか」を考察してみた
- (2)チーム力を高めたい人必見!チーミングの駆動プロセス
- (3)学習する組織をつくる:フレーミングの力 ←今ココ
- (4)リーダーなら絶対意識しておきたい、心理的に安全な場をつくるということ
- (5)これは知っておきたい!失敗の種類とその意図的なデザイン
- (6)越境。そう、チームは境を越えてこそ、相乗効果を発揮する。
この記事のざっくり目次
・フレーミングって何?
・成功するフレーミング、3つの特徴
・チームに学習フレームをつくる4STEP
では、始めてきましょう。
■フレーミングって何?
まずフレーミングという言葉について、少し説明しておきましょう。
フレーミングとは、その言葉通り世の中を見るフレーム(を変える)ことです。
例えば「好きなことを仕事にしよう!」という言葉をみたときに、ある人は肯定的にみるかもしれませんが、ある人は否定的に見るかもしれません。
そうなんです、世の中に起こることって、その人なりのフレームで解釈されてるので、人によって見方は全然違うわけです。
ただ、これって周知の事実のようですが、ちゃんと機能しているとは限りません。
多分皆さん経験あると思いますが、人には自分の見方の方が他人の見方より正しいって感じる認知のバイアスがあるんです。
チーミングをするとき、リーダーはこれを持ってはマズイですね。
じゃ、どんなフレームを持てばいいのでしょうか。
本によると、成功するフレームには3つの特徴があって、リーダーはそのチームがそういうフレームを持つように行動(フレーミング)する必要があるとのことです。
■成功するフレーミング、3つの特徴
ではその3つの特徴を紹介しましょう。
本ではある研究対象を基に、成功したフレームを「学習フレーム」、うまく行かなかったフレームを「実行フレーム」といって表のように整理しています。
- そしてその特徴は
- リーダーの役割
- チームの役割
- プロジェクトの目的
によって、次のように分類できるようです。
学習フレーム | 実行フレーム | |
---|---|---|
リーダーの役割 | 相互依存するチームリーダー | 一個人の専門家 |
チームの役割 | 権限を与えられたチーム | 技術に長けたスタッフ |
プロジェクトの目的 | 向上心あふれる目的 | 受け身で消極的な目的 |
※チームが機能するとはどういうことか より作成
まず、リーダーが最初に持つべきは、リーダーは相互依存するチームの一部だってフレームとのことです。研究事例によると、上手く行ったチームリーダーは「自分も間違う場合があること、他人の意見を必要としていること」を強調していたようです。なるほど、このフレーミングをチームに適用することにより、メンバーは自分の意見を言いやすくなり、風通しのよい空気ができるのでしょう。
そして、メンバー一人ひとりが「欠くことのできない、チームの一員」として考えられていることも重要ですね。表にあるように補助スタッフとしてメンバーが捉えられていると、思ったことや気付いたことなど言い難いですよね。
そして、プロジェクトの目的をチームがプラスに捉えているところも大事です。人ってやらされ仕事より、自らやりたい仕事の方がパワーを発揮すると思うんですよ。チーム全体で「このプロジェクトは価値に溢れている!絶対に成功させるぞ!」ってフレームがあれば、そりゃパワーも数倍にアップしますよね。
ただ、これも言うは易く行うは難しです。
どうやってそんなフレーミングをすればいいのでしょうか。
■チームに学習フレームをつくる4STEP
チームを機能させるためには、実行フレームよりも学習フレームの方がいいってことでした。(もちろん、これは場合にもよると思います)
ではその学習フレームはどうやってつくるのでしょうか。
本では次の4STEPを紹介しています。
- 登録
- 準備
- 試行
- 省察
登録とはチームメンバーを選ぶとこですね。そこでメンバーにプロジェクトの目的を伝えます。これ、メンバーにとって価値があるように伝えることが大事でしょう。というのは、ここでプロジェクトのフレームをつくるからです。表にある「向上心あふれる」のフレーミングをするわけです。
準備とは職場を離れてセッションを開くことだそうです。これはざっくばらんに評価なしで話をすることが大事ですね。というのは、ここでチームメンバーとリーダーに対するフレーミングをするからです。お互いを信頼して、腹を割って話せるかどうか、それが大事でしょう。
そして試行です。ここでは、実際にいろいろチームで試してみることが大事ということです。完璧にすることが目的ではなく、どんなことが起こるのか、そしてそこから何を学習することができるのか、それが大事なSTEPです。このSTEPを効果的にするため、3つのフレーミングをしているといってもいいでしょう。
最後は省察です。これ、中島がいつも言っている内省と同じことです。やったことに対して、みんなで対話し内省します。それにより、試行で学習したことが次に生かされ、3つのフレームがさらに強化されるわけです。チームのPDCAをまわす、しんがりの部分です。
以上、ざっくりですが、チームに学習フレームをつくる4STEPでした。こういう行動を信念をもって愚直に実行するのが、リーダーシップの本質なのかもしれませんね。
===
さて、フレーミングに関しての考察と説明はいかがでしたでしょうか。
フレーミングって、仕事でもプライベートでもホント重要だと思います。フレームを一つ変えるだけで、嫌なことでも良いことに変えることができちゃいますからねぇ。
というわけで、第3章の考察でした。
次は第4章の考察です。
この記事は連続記事です。よろしければ次の記事へどぞ(・∀・)
- (1)「チームが機能するとはどういうことか」を考察してみた
- (2)チーム力を高めたい人必見!チーミングの駆動プロセス
- (3)学習する組織をつくる:フレーミングの力 ←今ココ
- (4)リーダーなら絶対意識しておきたい、心理的に安全な場をつくるということ
- (5)これは知っておきたい!失敗の種類とその意図的なデザイン
- (6)越境。そう、チームは境を越えてこそ、相乗効果を発揮する。