先日第3回リフレクション実践研究会を開催しました。
リフレクション実践研究会は、2016年3月から開催している実践家のための研究会です。
企業内でリフレクションに関連する活動を行っている実践者たちが集まり、それぞれの活動を発表しディスカッションします。
今回は都内の看護師50名規模の病院における実践について、現場の担当管理職をゲストに実践発表会を行いました。
前回もそうでしたけど、今回も本当に勉強になった会でした。。
ゲストはリフレクションカードによるリフレクションの場を、病院内で半年弱、延べ8回の開催を実践してきました。
この実践知をぜひ他の皆様にも共有したく、今回も開催報告の形で文章にしてみたいと思います。
さて。今回の実践研究会の流れは次の通り。ポイントは盛りだくさん!
- 看護部の理念、方針、教育プログラム
- 看護の現場の現状
- そんな組織にリフレクションカードをどう導入したのか
- やってみて見えてきたこと、今後の課題
それでは濃密な2時間のイベント、レポート開始してきましょう!
今日の期待は何?
今回の実践研究会も、参加者の期待を書き出すことから始めました。
この手法、前回ゲストがやっていた手法ですが、これが素晴らしく良かったのでパクって参考にして毎回開催することにしました(笑)
付箋に書かれた内容をざっくりまとめてみると次のような感じです。
- 組織内でリフレクションがどう活用可能か
- そもそもリフレクションってなんなの
- 立場や考え方が違う人たちをどうまとめていくのか
- リフレクションにより職場の風土がどのように変わるのか
- 多職種のスタッフとの間で、どう関係づくりをしていくのか
今回は、リフレクションに対してはじめて本格的に考える機会だった方も多く、そもそもリフレクションとは?という部分に疑問をお持ちの方が居らっしゃったのも特徴です。
皆さんの期待していることを共有して、いよいよゲストの発表です。
全体の方針、教育プログラム、そこで起きている現状
ゲストは看護師の数が50名程の病院にお勤めの、育成担当の管理職の方です。
50名規模の看護師が所属しているので、もちろん看護部の方針や教育プログラムは存在しています。
安心安全なケアを提供すること。日々の業務を見直し改善すること等、幾つもの方針があり、それに従ったプログラムが用意されています。
しかしながら、読者の皆様の職場もそうだと思いますが、看護師の現場は複雑さが極まる職場なわけです。日々やることに溢れてて、次の瞬間に何が起こるかわからない。しかも普通の職場と違って、そこには人の命も大きく関わっている。。。そんな職場において、方針通りかつ理想的な教育プログラムを実施することは不可能に近いわけです。
ゲストはそんな現場の状態を次のように語ってくれました。
- 基本的に採用は中途採用
- それぞれが複数の職場を経験している
- 医療現場は複数の専門職、患者さんで構成されているため、多様な価値観への対応が求められる
- 医療現場は感情労働である。
- 勤続年数の低下が続き、平均年齢も年々低下している
聞いていて発見だったのは、感情労働という言葉です。肉体労働という言葉は想定がつくと思うのですが、感情労働という言葉ははじめてでした。医療現場は人と人の真剣な向き合いです、それは感情も疲弊しますよね。感情的な体力という観点は今回の発表における新しい発見でした。
そんな現場の状態にはどの様な課題が含まれているのでしょうか。
現状から生じる課題:勤続年数の低下が問題の中心?
ゲストはそんな現場で生じている教育上の課題を次のように語ってくれました。
- 毎月新入職員が入ってくる。教育プログラムは新入職員中心になりやすい
- 研修参加率が低い
- 教えてもらい願望が強い(費用の自己負担は嫌がる:ここが医師、薬剤師とは異なるそう)
勤続年数の低下が続くと、新しい職員を採用する必要があります。
ゲストの病院では、毎月単位で新しい職員が入職してくるそうで、そうなると当然の如く、新入職員に対する教育プログラムが中心になります。
しかしながら、現場は忙しい。急な看取り、緊急入院などが日々発生します。
研修は勤務終了後に設定しているそうですが、日々の業務で疲労困憊な新入職員は、研修に主体的に参加する気持ちにはならないですよね。(だからと言って、休みの日にやるわけにもいかず。。)
でも、研修もせずに放っておいて、新入看護師が育っていくわけでもありません。何もサポートしないと、新入看護師は体力的にも、感情的にも疲れ果て、すぐに辞めていってしまいます。勤続年数の低下に拍車がかかり、さらに新しい職員を採用する必要があります。
新しい職員の採用はもちろん高い費用がかかります。これは負のサイクルですよね。
僕は話を聞いていて、まずこの勤続年数の低下を防がないといけないのではないかと思いました。組織内の様々なものが複合的なものが重なって、勤続年数の低下が起きている。勤続年数を1つの指標として対策をとれば、少しずつ良いサイクルの芽が育ってくるのではと。
看護師にリフレクションをさせたい
ゲストは、このような現状に対し、リフレクションが有効だと考えています。
どういうことかというと、看護師が感情的労働で疲れること、やめてしまうことには次の背景があると考えているからです。
- 成果が見えにくい職場、実感できにくい職場であること
- 価値観の対立が生じやすい職場であること
- 倫理的ジレンマへの対応が困難な職場であること
- 無力感を体験している職場であること
例えば1について説明すると、看護の職場は自分の看護がどれくらい成果に繋がっているのか見えにくいというのがあるそうです。
医療はチームで提供するものなので、医師の活動もあれば、薬剤師の活動もある。他にも様々なソーシャルワーカー等の活動もあり、それが総合的に患者さんに作用するわけです。明確な結果や即時のフィードバックがあるのではないので、自分の看護行為に対して価値を実感できないということが、現場では生じているそうです。
また、2:価値観の対立についても、看護現場ではよく生じているとのこと。特に方針について医師との対立というのはあるらしく、自分的にはこう対応したいという価値観があっても、医師や組織の価値観に引きづられて、自分が価値を感じる看護ができていないことに対するジレンマがあるとのこと。
これらは非常によく分かることですね。
一般企業だって、間接部門の方は明確な成果が実感できない場合が多いことだと思います。そしてそのモチベーション管理には四苦八苦している方も多いことだと思います。
また、営業と開発の確執ではないですが、お互いの部署や専門が異なれば、価値観は異なりますよね。そこを摺り合わせせずに、いつも営業のいうことだけを聞いていたら、開発部門の士気が下がる…というのも一般企業でよくある例です。
ゲストはこのような特徴がある組織はリフレクションをすれば良いと言っています。なぜかというと、リフレクションにはまさに次の効果があるからです。
- A:見えにくい成果を見える化し、実感できる
- B:価値観を摺り合わせ、納得しながら進むことができる
Aに関して言えば、例えば「あなたの仕事はどの様な場面で価値を発揮していますか?」などの問いでリフレクションしたとしましょう。
すると、自分で言葉にしながら「あ、自分はここに価値を感じて、毎日こんな行動をとっているんだ」と気づくことができます。リフレクションでは、もちろん他者からのフィードバックもあるので、「私は◯◯さんの仕事、ここに価値があると思うよ」と言ってもらえると「あ、そうなんだ!」と気づくことができるわけです。
このようなリフレクションは「意味付けのリフレクション」と呼んでいますが、成果が見えにくい仕事をしている人なんかには「意味付けのリフレクション」は非常に重要な行為だと思います。一般企業の間接部門の文脈でいえば、周囲がこの「意味付けのリフレクション」を支援することができているかどうか、というのはポイントになってくるでしょう。
もし職場に自分の仕事に意味付けが出来ていなくてやる気が少ないと感じる人がいたら、「あなたの仕事で、私はこう助けてもらっている。いつもありがとう」ということを伝えてみてください。自分の仕事の意味が明確になり、少しずつモチベーションを上げてくれるはずです。
また、B:価値観をすり合わせ納得しながら進むことができる、に関して言えば、この場合は例えば「なぜこの仕事をやっているの?」「将来は何のプロになりたいの?」「そう考えるのはどんな過去の体験があるからなの?」などの問いでリフレクションするとよいでしょう。
そうすればお互いの仕事に対して持っている価値観を表に出すことができ、認め合うことができるはずです。もちろん1回で上手くいくとは限りませんが、続けていけばいく程、お互いの価値観は擦り合わさっていくことでしょう。
集め方の工夫:ロジック的な戦略ではなく、感情的戦略を取る
さてリフレクションが看護師にとって効果もあることをわかってきました。
しかしながら、効果があることと、実際に始めることは、また別の問題です。
むしろ始めることが難しい。本当に難しい(笑)(どこの職場もですが、組織の新しいことに対する不安は本当に大きいですね)
そこで、ゲストは色々と考えを巡らせます。いかにして参加者を集め、リフレクションを実践するか。
結論から言うと、ゲストは上手くリフレクションの場を運用しているのですか、そのポイントはリフレクションを広めるためにロジック的な戦略を取らなかったということです。
普通リフレクションっていいものだよ!と伝えるならば、「コレがこうで、こんな効果がある」とロジックを組み立てて話すと思います。
でも、ゲストがやったことは「新しいことにチャレンジしてみない?」だったり「私の企画に協力してくれない?」という声のかけ方をしたんです。
このへん、看護師を知り尽くしているゲストならではですね。こういう言い方をすれば、新しいものに対する不安を最小限に抑えることができるし、むしろ新しいものに対するワクワク感を演出することができます。
僕はこれを聞いて「あ、ロジック的戦略じゃなくて、感情的戦略だ」と思いました。
リフレクションって体験しないと本当のところの価値はわからないんですよね。だったら、理詰めで体験の価値を説明するよりも、まず来てもらうこと体験してもらうことを目標に「行ってみたいな」と思わせればいいわけです。
うーん、上手。。。
ただ、これだけで終わらないのが今回のゲストの凄いところ。
他にも沢山の工夫をしていて、
- カードのテーマを事前に配っておく、考えてきてね!と当日のハードルを下げる
- 学び好きのスタッフから声をかける
- 参加者に「楽しかったよ」と口コミを広げてもらう
ということをしていたそうです。
特に、終わった後の口コミ操作(笑)は面白いと感じていて、「◯◯さん、リフレクションについて良い印象を広げたいから、積極的に感想をいろんな人に伝えてね!」と仲間に引き込むのが秀逸です。
でもこれだけで本当に口コミするかはわかりません。(実際数人に話すくらいで終わることがほとんどだそうです)
そこでゲストは、人が多い場所で「◯◯さん、この間リフレクション参加してくれたけど、どうだった?」と感想を求めたらしいです。そうすると、そこから良い噂が広がっていって、最終的には自分から参加したいと言ってくれる人が現れるようにまでなったそうです。
その後、リフレクションカードの場は、4ヶ月程、開催も8回を重ねているらしいですが、今では朝礼の場で「今日、リフレクションするから、参加したい人は来てね!」ということを言えるようにまでなったということ。
この草の根活動が本当に凄いですね。これは見習いたい手法です。
場所の工夫
ゲストは場所にも工夫をしていました。
最初は看護部長室の隣でやっていたようですが、いろいろ感じるものがあるということで場所を変更(笑)
今は、スタッフルームの半オープンな場所で実践をしているそうです。オープンな場で実践をすることにより、何をしているのかが他の職種の人に伝わったり、楽しそうな雰囲気から参加してみたいなと思ったりなどの効果があるそうです。
確かに、これまでは話の内容を聞かれないようにと、個室でする場合も多かったのですが、半オープンな場所でやっても、そうやたらめったらに聞かれることはありません。寧ろ、開放された空間だからこそ、参加者もリラックスして話せるということもあるかもですね。
開催の様子を見て、医師が「頑張っとるね!」と差し入れを持ってきてくれたりもするそうで、そういう風景が継続していけば、リフレクションの場も市民権を得てくるだろうなと思いました。
開催時間の工夫
工夫はまだまだ続きます。
リフレクションの場作りにおいて、開催時間の工夫は大事なポイントです。
ゲストの場合は、決定はしておくが希望者の業務状況に合わせて柔軟に調整しているようです。これまで、10回の開催を予定しましたが、うち2回は業務状況がうまくあわず、延期になったようですが、いざとなったら延期できるとしていることで、開催の合意は得られることが多いようです。
また、状況によってはあまり忙しくなく、看護師の数が多い時間もあるようです。そんな場合は看護部長の承諾を得て、余った人数でリフレクションの場づくりをするそうです。
これも有効な策ですね。
このように、状況に合わせて柔軟な体制で運用することが、開催時間を決める上での大事なポイントでしょう。
メンバーの工夫
最後にメンバーの工夫を。
リフレクションではもちろんセンシティブなことも話します。
上司がいると気をつかって話ができない人もいますので、上司が参加するときは必ずメンバーに確認するそうです。「上司の◯◯さんが参加したいと言ってるけど、参加してもらっていい?」と聞けたば、大抵OKと言ってくれるそうです。ちなみに、上司は毎回1人までと人数を決めているそう。上司が少数側、一般の看護師が多数側。この構造をつくることで、上司を脅威にせず、全体の場に上手に溶け込ませているところが、ゲストの工夫のポイントです。
もう一つメンバーで気をつけている点は、必ず多職種をミックスしていることです。他の職種(薬剤師やソーシャルワーカーなど)や看護師などをバランスよく合わせることで、多様な視点で物事を見ることが出来るように工夫しています。
また、メンバーには参加後に必ず改善策を聞いているそうです。参加者の募集方法だったり、開催の場所だったり。また話すテーマの決定の仕方だったり、カードの並べ方など、あらゆることを参加者に聞いて、改善意見を出してもらっているとのことです。
話を聞いていてこれはかなり秀逸だと思いました。人って頼られると嬉しいじゃないですか。自分が改善点を言って、それが次回反映されていたりすると、自分が場づくりに参加している感が大きくなります。すると、自分事としてリフレクションの場を考えてくれるので、かなりの味方側になってくれるんですね。
こうやって少しずつ味方を増やしていくこと。これがリフレクションのような新しいことを組織で始めるためのセオリーなのでしょう。
他にも様々な小さな工夫をしているようですが、全部書くと膨大な量になってしまうので、気になる方はぜひ実践研究会に足を運んでください(笑)
参加者の感想は
そんなゲストから、最後に参加者の感想を教えてもらいました。箇条書きですが、いかに掲載します。
- カードだから気楽に質問ができる
- 誰が参加するのかあらかじめ知りたい
- スタッフ全員が体験したほうがいい。お互いの価値観を理解する良い機会になった
- 目標設定できた。モチベーションが上がりそう。リフレクション後に目標管理面接をしたい
- 初めて行うときは時間少ない。1人45分くらい必要
- 語ることで自分が何を考えてるのかわかった
- 語りながら自分の考えが浮き彫りになってきた
- 自分の価値観はっきりした。自分の声に意味付けができた
- 自分のジレンマを表現することで気持ちがスッキリした。モヤモヤが減った
- 患者家族の語りの重要性がわかった
- カードの質問を理解するのに時間がかかるのでもっとゆっくり考えてみたい
- ポジティブなコメントが多いので、もっと厳しい意見があってもいいのでは
等など、沢山の感想があったようです。
良い点も、改善する点も話してくれて、これは嬉しいです。全体としては、リフレクションの効果は十分に出始めているようなので、引き続き実践を継続したいと話し、発表は終了しました。
その後のディスカッション
いやー、ここまで、濃密な時間でした。
文章量も多くなり、ここまで読んでいただいた皆様、ありがとうございました(笑)
しかしながら、本番はここからです。ゲストの話を踏まえて、参加者全員でディスカッションを行いましたがこれがまた面白かった。
結果は写真の通り。僕の字で恥ずかしい限りですが載せちゃいます。
ディスカッションはゲストの実践がなぜうまく進んでいるのか、それにより看護師がどのように変化しているのかを中心に行われました。
またリフレクションカードの実践的な使い方に関しても質問がなされました。
例えばリフレクションカードにはテーマを選ぶと言うステップがあるのですが、全く話し慣れていない人はリフレクションのテーマを選ぶところから時間がかかります。
そのような時間ロスを少なくするため、ゲストは前日にテーマを渡すという工夫をしたそうです。カードを印刷して参加者に「このような内容で話すから自分が話したいテーマを決めてきてね」ということをあらかじめ伝えるのです。
ただし、これはこれで「前日ずっと考えてしましました。。」なんて問題があったらしく、最近は リフレクションの開始前に、ザックバランにおしゃべりする時間を作っているそうです。
お菓子をつまみながら、「そういえば今日のテーマは何にしよっか?」と聞くと、参加者はお互いに「えー、何にしようか?私はアレにしようかな〜」などど雑談ベースで話がすすんでいくとのこと。
硬すぎず、でも柔らかすぎずテーマが決まっていくようで、雑談の中でテーマを決めていくという手法は今後他の会社さんでもぜひ取り入れて欲しいと思いました。
リフレクションカードって、ルールに従えばある程度の対話とリフレクションが簡単にできます。
でも、普段からリフレクションに慣れてない人にはそれでもハードルが高かったりします。(これは僕ら実践者は忘れがちです)
初めての参加で心配している人たちに対し、このような細かいところまで視野に入れて現場のサポートをしているのが今回のゲストの凄いところであり、ここまでサポートしているからリフレクションの場が、病院という複雑な場でも上手く進んでいるのでしょう。いやー ゲスト凄い。。
また、勤続年数の長い人って何が特徴なの?という議論も面白かったです。
勤続年数が長い人の特徴は「自分の看護行為に対して、意味を感じている人、価値を信じている人」ということでした。
これは非常に納得する回答で、一般企業の場合でもそうだと思いますが、自分の仕事に対して意味付けが出来ている人って長く会社で頑張ってくれますよね。そして何より成果も出します。
自身の仕事に対して意味付けを持つことというのは、看護の現場でも、他の一般的な仕事でも大変に重要なポイントになりそうです。(そしてそれを支援するのはリフレクションです)
自分に対する天職とは何なのか
最後に今回の実践研究会で外せない議論を載せて終わりましょう。
本筋からは少しずれるのですが、本報告に書いておきたいことは、天職と言うものに対してでしょう。
この議論のきっかけは、ある参加者の「看護の仕事の楽しさってなんですか?」という質問からでした。
ゲストの回答は「看護は自分にとっての天職。この楽しさと価値は、◯◯さん(質問者)には多分体験できない。それくらい私にとって絶対的に価値があると思っている」というものでした。
ゲストの回答を受けて、質問者は「心に響き過ぎてで泣きそう」ということを言っていました。
心から仕事を楽しんでいる方の言葉って、やっぱり響くんですよね。
ゲストのような人が職場に増えると、チームの力は限りなく最強に近づくと思うのですが、どうすればゲストのように仕事に対して価値を感じることができるのでしょうか。
議論を展開したところ、日々の実践の中でリフレクションを繰り返していくのが一番大事だよね、というところに収束しました。
と言うのは、ゲストは初めから看護師になろうと思っていたのではないんですね。
いろんな道を回り回って看護と言う道に入ったのです。しょうがなく。
でも、ゲストは看護の仕事をしながら日々リフレクションを実践します。自分の行為を振り返り、自分がどのようなときに嬉しいのか、悲しいのか、価値を感じるのかということを常に考えます。
すると、あるとき自分の看護師としての生き方に意味付けができて「あ、看護で人と関わることはこんなにも神秘的で、自分はその道にいることを心からうれしく思う」ということを心から感じたということです。
ゲストは言っていました。「多分、看護に対するこの気持は、他の人にはわからないと思う。私だからこそ、この気持ちになれる。他の人はきっと感じられない」
これは非常に含蓄に飛んだ言葉です。自分の行為を自分で意味付けした人だからこそ、出せる言葉です。
日々リフレクションを重ねて、自分の行為を意味付けし続けること。
そこから自分の生きる意味を考え続けること。
このような具体的行動と抽象的思考の繰り返しを通してのみ人は自分の天職を見つけることができるのでしょう。
…というわけで、リフレクション実践研究会Vol.3の開催報告でした。
ものすごい長文になってしまってアレですが本当に楽しい会でした。リフレクション実践研究会はこれからも様々な職場のリフレクション事例を共有し、実践を広げていきます。
第4回の募集ももうすぐはじまるので、組織内でリフレクションの場を作ってみたい人、興味ある人はぜひお気軽にお越しください。
以上、なかしまでした。(疲れた。。)