コンテキストアクセシビリティについて

最近考えを深めている言葉で、コンテキストアクセシビリティというものがあります。

ワークの設計などをするとき役に立つ考え方だと思ってて、自分の中で育てたい概念です。

今回のブログでは備忘録も兼ねてコンテキストアクセシビリティという考え方について簡単にまとめてみようと思います。

コンテキストアクセシビリティとは、その名の通り、

  • コンテキスト(文脈、これまでの流れ)に対して
  • アクセシビリティが高いかどうか(アクセスしやすいか、利用しやすいか)

という考え方のことです。

この考え方は、例えばワークの設計や、自分の中長期的な作業の質を高めることに役立ちます。

ワークショップとコンテキストアクセシビリティ

例えばワークショップにおいて。

ワークショップにおいてコンテキストアクセシビリティが高い設計とは、参加者が場に乗りやすい設計のことです。スーッと入って話題に入っていけて、議論がワイワイ盛り上がるものがそれです。

コンテキストアクセシビリティが高いワークとはそんな状態になりやすいワークのことです。
その場で扱っているテーマに対する理解が高く、どういうことが論点になっていて、どういう視点がポイントになるのか、そういうことが全体の中に共有されている状態になりやすいことです。

一方で、コンテキストアクセシビリティが低いワークというのももちろんあります。
それはテーマに対する理解度が上がりにくく、話が行ったり来たり、お互いに何を話せばいいのかわかりにくい状態になるものです。

ワークショップを適当に設計してしまうとコンテキストアクセシビリティが低いものになりがちなので、なんだかうーん?というワークになってしまいます。

ここをどれだけ丁寧に扱うことができるか、が、ワークが上手く行くのと行かないのの境目です。

自分の作業とコンテキストアクセシビリティ

コンテキストアクセシビリティは自分の作業の質を高めるときにも応用できます。

例えば、中長期に渡って作業をするプロジェクトAがあったとしましょう。

最初の一週間はAの作業に注力できたのですが、次の一週間は別のプロジェクトBが忙しくなり、プロジェクトAは一週間作業ができない状態が続きました。

一週間後、プロジェクトAの作業にようやく戻ってこれましたが、このとき担当者はどういうことになっているでしょか。

多くの場合は、プロジェクトAで自分がやってたことは何だったっけ?ということになっています。

普通はここからノートや資料を読み返して、「あー、そういうことだったね」と思い出して改めてプロジェクトAの作業を再開するという流れになると思うのですが、ここの「思い出す作業」というのをどれだけ早く正確にするのか、というのが、コンテキストアクセシビリティです。

コンテキストアクセシビリティが高い設計でプロジェクトAを保存すると、素早く作業を再開できます。
コンテキストアクセシビリティが低い設計でプロジェクトAを保存すると、何をやっていたか思い出す(コンテキストを思い出す)のに非常に多くの時間を必要とします。

イメージを図にするとこんな感じ。

アクセシビリティが高い場合は、すぐにコンテキストが復活するけど、アクセシビリティが悪い場合は前回と同レベルに復活するまでに時間がかかります。

自分の作業は常にコンテキストを保てるよう、コンテキストアクセシビリティを高く設計しておくべきであり、それが作業の量と質を上げる力点になると考えています。

コンテキストアクセシビリティを高める具体的な設計

コンテキストアクセシビリティの考え方がわかれば、それをどうやって高めるの?というのが次のポイントです。

まだ研究中なのですが、ワークショップに関してはいくつかの原則を考えています。例えば、その原則を守っていればコンテキストアクセシビリティが担保できる!というものです。

個人のワークについては、ノートの取り方、メモの残し方など、情報をどうマネジメントしていくか、という話しだと考えます。ちょっと仕事術とかに近い内容でもあるのですが、大切なポイントです。僕の場合は、Evernoteなどのツールへのメモの残し方フォーマットみたいなものです。タスク管理ツールや、毎週の仕事のレビューなどの仕組みをどう取り入れているかも大きく影響します。個人のワークに関しては千差万別なやり方があると思うので、各自で自分に最適なコンテキストアクセシビリティを設計していく必要があるでしょう。

と、ざーっと考えていることをまとめてみました。

コンテキストアクセシビリティは特にワークショップの設計のポイントになってくると思うので、引き続き手法の開発に力をいれてきます。