実践から見えてきたリフレクション上手な人の10の特徴

さて、今回はリフレクションが上手な人の特徴って?ということをまとめてみたいと思います。

職業柄、色んな人のリフレクションする場面をみているのですが、そこで「この人リフレクションが上手だな!」と感じる人にはある共通の特徴があるんですよね。

その特徴を10個にまとめて共有しますので、皆様のリフレクション活動にお役に立てたらいいなーと思います。

ということで早速行ってみましょう、リフレクションが上手な人が持っている特徴は次の10個です。

  1. 一呼吸置いて考える
  2. 「そういう自分がいるよね」と、主体としての自分は切り離して考える
  3. 自分が話していることに一貫性をつけようとする
  4. 「自分はここがモヤッとしているんだ」と分からない部分を言葉にしている
  5. 違和感を大切にする
  6. 自分の癖や特徴を見つける
  7. まず受け取る、でも捨てるところは捨てる
  8. 変化しようと思ったら出来ると思っている
  9. リフレクション原体験がある
  10. 知識欲求がある

※元データ:リフレクションカードワークの観察メモ

では、それぞれ簡単に説明しましょう。

■各特徴の説明

1)一呼吸置いて考える

リフレクションが上手な人には、いきなり話を始めず「まず一呼吸置いて考える」という特徴があります。

何度も考え抜いたことは一気に話すのですが、「ん?ここは考える余地がありそうだぞ?」と感じたときには、彼ら彼女らは一呼吸置くのです。

そして「多分、こういうことかもと思うんだけど…」という風に話を切り出します。

いきなり反応せず、まず一呼吸置いて考えること。

リフレクションのレベル?を上げたい方は、違和感を感じたときにはぜひ一呼吸置いてみてください。

2)「そういう自分がいるよね」と、主体としての自分は切り離して考える

「私の中に、それを許せない自分がいるんだよねー」

リフレクションをしていると、自分の受け入れたくない部分が現れることがあります。そんなとき、リフレクションが上手な人は、その問題を自分自身と切り離すことをします。

まず、本当の自分がいる。そしてその脇に受け入れたくない悪い自分がいる構造をつくるのです。

そうすると、問題はその悪い自分(ここではそう表現します)に押し付けることができます。そうすることで、自分の受け入れたくない部分を客観的(他人のように)に扱うことができるようになり、自分の嫌と感じている部分にも向き合いやすくなるのです。

自分の嫌な部分に向き合っていく。そして強くなっていく。そんな現象がリフレクション上手な人の中では起きていると感じています。

※ちなみにこれはナラティブセラピーという分野で「外在化」と呼ばれる手法に類似していると感じています。この辺はまだリサーチ中なので、情報がまとまったらおいおい記事にしようと思います。ご興味ある方は「ナラティブセラピー、外在化」とでもしてグーグル先生に聞いてみてください。

3)自分が話していることに一貫性をつけようとする

リフレクションをしていると、いろんな領域に話が飛んでいきます。

Aの内容について話をしていたと思ったら、次はBの内容について話をしている、そんなことが生じます。

で、リフレクションが上手な人は、このAとBで話していたことを一貫性を持って繋げることをします。

「ここで◯◯と考えてたんだよね。ということは、ここは△△と解釈できると思うよ」

と、こんな感じです。

複数の要素を抽象化して、そこから共通点を引き出して、考えを進めているのです。

4)「自分はここがモヤッとしているんだ」と分からない部分を言葉にしている

リフレクションをしていると、途中で詰まることがあります。

それに対してどう考えたらいいのかわからない。そんな現象が起きたとき、リフレクション上手な人は「あ、自分はここがわかっていないんだ!」という感想をつぶやきます。そう、わからないということを言葉にして明確化するのです。

で、その後の日常で「自分がわかっていない領域」に対してアンテナを立てます。「自分はこの部分がモヤッとしているなー。これなんだろうな?」と思いながら日常を過ごします。

そうすることで、日々の経験学習を質の高いものにする(自分がわかっていないことに対する解に気づきやすくする)工夫をしている人が多いと感じています。

5)違和感を大切にする

違和感を大切にしていることもリフレクション上手な人の特徴です。

話をしているとき、聞いているとき、自分が「ん??」と思ったことに対して、彼ら彼女らはタグをつけます。

「自分はここに違和感を感じるんだな」ということを明確にすることで、違和感の原因にアプローチする話しが出てきたときに「ここは考えるポイントだぞ!」ということに気づきやすくなるのです。(ちなみに、5)の違和感は、4)で触れているモヤッととは異なります)

違和感のアラートは「感情」です。

自分の感情が動いた時、そこにタグをつけてみてください。

「あ、自分はこういうことを嬉しいと感じるんだ」

「自分はこういうことを悲しいと感じるんだ」

こんな感じです。

6)自分の癖や特徴を見つける

私達は色々な行動に癖や特徴を持っています。

それは考え方、解釈の仕方についても当てはまります。

「あ、自分ってこういうことに対して、こう考えがちだなー」

リフレクション上手な人は、そんなことによく気づくのです。

7)まず受け取る、でも捨てるところは捨てる

リフレクションでは他人からのフィードバックが大きな価値を持ちます。

自分ではなかなか気づけない部分に、他人はいとも簡単に気づいてくれるからです。

リフレクション上手な人は、他人からのフィードバックをまず受け取ります。でもそれを全て鵜呑みにすることはありません。

自分の在りたい姿、目指しているものと照らし合わせ、そこに到達するために必要なことを受け入れます。

逆に言えば、そうでないと判断したものは捨てることをしているのです。

8)変化しようと思ったら出来ると思っている

リフレクションは変化を促します。

現状を観察し、必要に応じて変化していくことがリフレクションの目的の1つです。

リフレクション上手な人は「自分はいつでも変化できる」と思っています。変化に対してマイナスのイメージを持っていないので、リフレクションが変化を促してもそれを受け入れることができるのです。

一方でリフレクションに苦手意識を持っている人は、変化に対する自信がない場合が多いように感じています。面倒くささ、難しさが先に見えてしまって、変化をマイナスのものに感じてしまうのです。

十把一絡げにしては乱暴ですが、自分の能力と未来に自信を希望を持っている人は、リフレクションが促す変化を楽しく受け入れる人が多い気がしています。

9)リフレクション原体験がある

これは8)の「自分の能力に自信を持っている」に近い話しかもしれません。

リフレクション上手な人は、子ども時代にリフレクションによる成功体験を持っていることが多いと感じています。

例えば小学校のテスト、中学校や高校の部活、受験などで「どうしたら◯◯が良くなるのか?」ということを真剣に考える体験です。

そしてそこで得た解に従って行動し、結果を出す。

そんな体験をしている人が多いのです。

その体験をした人は、(それがリフレクションだということは知らずとも)リフレクションに対して良いイメージを持ち、成長する過程でリフレクションを実践しながら育ちます。

そうして大人になった人達は、リフレクションが上手であることに何の違和感もありません。

10)知識欲求がある

良い気づきには、良いインプットが必要です。

リフレクション上手な人は、色々なことに興味を持ち、新たな考え方を知りたがります。

新しい知識は気づくための土壌を豊かにします。

豊かな土壌からは良い気づきが生まれ、良い気づきはさらに豊かな土壌をつくるのです。

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以上、リフレクション上手な人に観察される10の特徴について簡単にまとめてみました。

リフレクションスキルをレベルアップに、真似できるものは真似てみてはいかがでしょうか。