昨今は働き方改革等により、より良い働き方につながるための様々な組織課題を解決する必要があります。
企業が直面する複雑な課題を解決するには、部門間との対話が必要なわけですが、今回はその理由を3つ程メモってみようと思います。
部門間との対話の3つのメリット
1. 自部門には「思考の癖」がある
まず、1つ目は思考の癖からの脱却です。
というのは、各部門は独自の文化や業務プロセスを持ち、それが部門内の思考パターンに影響を与えているからです。これは思考の癖とも言えるものだと考えていて、自部門だけで検討を進めていても、いつも同じ結論になってしまう(もしくはいつも解決策がでない)というのはよくあることです。
この「思考の癖」は視野を狭くして、新たなアイデアや革新的な解決策の創出を阻害する要因となります。
他部門との対話を通じて異なる視点やアプローチを取り入れることで、自部門内の思考の偏りを是正し、より多角的な問題解決が可能となるわけです。
2. 他部門のリソースや情報を活用できる
もう1つは、組織内の各部門は、それぞれ異なるリソースや専門知識、情報を持っているということです。
他部門との情報共有と連携を図ることで、これまで見えていなかったリソースを活用したり、相乗効果を生み出すことができます。同じ情報を見ても、背景や経験が異なれば異なる結論に至る可能性だって上がります。
これは、単独部門での限られた視野での問題解決に比べて、より包括的で効果的な解決策を得られる可能性を高めてくれます。
3. 協力関係が構築される
3つ目は、対話を通して、部門間の信頼関係と協力体制を築くことができるということです。他部門と一緒に対話をして、共に見出した解決策には力があります。部門間で利害関係の対立などが起こることもなくなり、単独で解決策を推し進めるより、より相乗効果の高い施策が実施できるわけです。
協力関係の構築は、組織の持続的な成長と競争力の強化に不可欠です。
部門間の対話が進まない理由
と、このようにたくさんのメリットのある他部署との対話ですが、現実には部門を横断した対話が円滑に進まない組織も多いわけです。よくある理由は
1. 業務が忙しい
日常業務に追われ、他事業部との対話に割く時間がない!ということですね。これは非常によくあることですが、業務効率を優先するあまり、長期的な視点での組織間連携が後回しにされているという問題の表出でもあります。
2. 競争意識や人間関係の問題
部門同士の関係性が悪化していたり、過度な競争意識が存在する場合、情報共有や協力が阻害されることがあります。部長同士の仲が悪くお互いにコミュニケーションが取りにくかったり、何をするにも上を通して進めないといけないため、手続きの煩雑さにエネルギーが負けてしまう場合もあります。
3. 物理的距離が離れている
拠点が複数ある会社さんの場合、距離的な問題で対話の機会が制限されることもあります。日常業務中に食堂等で出会い、そこで半分雑談をしながら「対話してみない?」という話のジャブなんかを出せると良いのですが、そもそも拠点が離れている場合などは、わざわざオンライン会議をしたり出張に行ったりしないと簡単なジャブ的な話もできません。そうなると、もちろん本格的な話にも発展しづらいので、物理的な距離というのは結構大きな障壁になるわけです。
こんなところでしょうか。
できない理由ではなく、できる理由から一歩を踏み出そう
ただ、これらの「できない理由」を先行させて対話を避けていては、組織の課題は解決されず、結果として組織全体の競争力は低下し、ゆっくりと衰退していく危険性があります。
できない理由を考えて行動を起こさないのではなく、できる理由を考えて小さな一歩から行動を起こすことが重要です。例えば、オンラインツールを活用し、短時間でも定期的に他事業部との情報共有の場を設けたり、本当に1人、2人で非公式に情報交換会や飲み会でも良いわけです。
これらの取り組みは大きな労力を要するものではありませんが、積み重ねることで確実に組織の連携強化につながります。小さな炎を少しずつお裾分けして、それがゆっくりと大きくなっていけばいいわけです。その一歩がやがて大きな変革をもたらし、持続可能な組織の実現に寄与するわけですね。
持続的な成長を目指す組織にとって、部門間の壁を越えた対話は必要不可欠です。「できない理由」ではなく「どうすればできるのか」を主体的に考え、行動に移すようにしてみましょう。