組織が次のステージに移るモデルを考えてみた:U理論からのアナロジー

最近、組織の変化と成長について思索を巡らせています。

その過程で、組織が次のステージに変化するモデルを考えてみたのでちょっと共有してみたいと思います。

基本はU理論というモデルを参考にしています。というか、U理論を言い換えただけのモノかもしれません。っていうか、U理論の本は厚くて難しすぎです、誰か教えてください(笑)

・・という話は置いといて、具体的に、そのモデルを見ていきましょう。

ナカシマの知見を集めたところ、組織の変化は下図のフローを辿ると考えることができそうです。

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■まず、組織が変化できない壁があると考える

図にもあるとおり、組織の今のステージと次のステージにの間には壁があると考えます。

変化とは組織レベルで「行動が変わること」と考えると、行動が変わることによるデメリット?のようなものばっかりが目につくので、それが壁になっているという状態です。

変わりたいけど変われない。。そんなとき、どうすればいいのでしょうか。

■行動が変わらないのは思考が変わらないから

行動が変わらないのは、その行動を起こす思考が変わらないからです。頭で既存の「何とかなっている」枠組みを考えてしまうので、無理に新しい行動に変わらなくてもいいと思ってしまうのですね。(固定概念と言ったり、メンタルモデルと言ったりするものです)

人って、リスクを避けるようにできている部分があります。リスクをとって新しい行動に出るより、現状維持を選んでしまうのです。変に頑張らなくても、現状のままで何とかなっているわけですからね。これはもう人としてしょうがないことで、その特性を心理学では現状維持バイアス、といっていたりします。

ナカシマは、この現状維持の力は浮き輪のようなものだと思っています。

上の図で考えると、次のステージへの壁を越えるためには、水面を潜ってくぐる必要があります。

でも水面下に潜ることは、怖いことです。変化というリスクを負うことです。

そうなると、現状維持の浮き輪が「さっさと現状に戻ろうよ」と上昇圧力をかけてくるのです。(それは逆に言えば、沈まないように安全の役割を果たしていることでもあります)

■行動を変えるには思考を変える、それが「手放す」ということ

でも、そこで現状維持の上昇圧力に負けてしまっては、思考と行動は変わらないわけです。次のステージに行こうと思っても壁が邪魔をします。

やはり、壁を越えるには、どうにか壁の下をくぐれる範囲まで思考を深めないと行けない。

上昇の浮き輪の圧力に負けず、深く潜っていくために必要なことは何でしょうか。

そのために必要なことが対話の場で「手放す」と言われていることだと考えます。

自分がこだわっているもの、現状維持をしたいという気持ちの原因を手放すことによって、僕たちは上昇圧力から逃れることができます。それは結構怖いことだと思います。水の中に潜って、浮き輪を手放すわけです。どこまで息が続くかもわからない中、そのライフライン(と思っているもの)を手放すのはかなりの勇気がいることだと思います。

そこを思い切って手放した人だけが、壁の下に到達することができます。ナカシマ、これがU理論でいうところのプレゼンシングという状態かとも思っています。源とも表現されるその状態は、全てが真に澄んでいて全てと統合しているような状態なんでしょう。仏教などでいうところの悟りの状態かもしれません。(この辺りはまだ探求する部分が沢山ある非常にチャレンジングな領域です)

■手放して、新しいものを手に入れる

そんな状態から次のステージに浮上していく。これが壁の右側のステップになります。

ここでは、源の状態から、自分が本当に欲しいと思うものを手に取るようなイメージがあります。するとそれが浮き輪になって、上昇してくれます。

そこでは旧プロセス(壁の左側)とは異なりますので、当然行動も変わってきます。つまり、「変化した」ということができるわけです。

変化したいけど変化できない組織が多いのは、このUのステップを踏んでいる組織が少ないからなどど最近は思っています。Uのステップを組織で踏むのは、超大変です。手放せないものばかりで、大論争が起こりそうですが、それでもそれを手放して変化しないと、結局壁に阻まれてそのまま終わりになりそうです。

新しい時代に合わせて、手放すもの、そして手放さないものを決めることの出来る組織がこれからは強い組織になることでしょう。

そしてそこには対話と内省が重要になってくるわけです。

これからの強い組織には、対話、内省をファシリテートできる人材がいるかどうか、というのは一つのポイントになりそうですね。