経験をリフレクションして学びを引き出す2つのポイント

【メール版アーカイブ160119】

今回は2016年も始まったということで、その基本に戻るということで、経験学習モデルについてその大事なポイントをおさらいしてみましょう。

新しく登録頂いた方も多いので、この機会にぜひ基本の経験学習モデルを把握して頂けたらと思います。

 

■経験学習モデルとは

経験学習モデルとは、その名の通り経験から学習をするという考え方で、次の図のように表される考え方です。

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経験学習モデルはコルブという学者さんが提唱したもので、僕のリフレクションモデルではこれを学びのPDCAサイクルとも呼んでいます。

社会人になったら一度は聞いたことのあるPDCAサイクルの学びバージョンって感じです。

内容は図を見て頂ければそのままですね。

まず(1)経験をしよう。そして(2)リフレクションして(3)教訓を取り出そう!それを(4)次に生かして、(1)また新しい経験をしよう!というものです。

で、この経験学習モデルを上手に回せる人は成長が早いです。

でも上手く回せない人は、なかなか成長が遅くなってしまうようです。

成長の早い遅いを決める、この経験学習モデルの回し方のコツって何なんでしょうか。

 

■経験学習モデルを回すコツ1:解釈を自分で選択すること

経験学習モデルの回し方のポイント、それは解釈を自分で選択することです。

例えば、上司に怒られたという経験があったとしましょう。

その経験を「余計なことはするな!ってことだな」と解釈する人がいます。

一方、同じ経験を「怒ることってエネルギーがいることだから、上司は自分を応援しているんだな」と解釈する人もいます。

同じ怒られた、という経験なのに、解釈は複数存在するわけです。

ここで問題。

上で説明した人のうち、成長上手なのはどっちでしょうか。

答えは言わずもがな、上司は自分を応援してくれていると解釈した人ですね。そう解釈した人の方が、いろんなチャレンジをするでしょうし、その状態で1年くらい時間が経てば二人の差はけっこう大きなものになっているのではと思ってしまいます。

ということで、(2)→(3)に行くときって、実は自分で好きに解釈することができるんですね。この解釈を自分で選択できること、自分の成長に繋がるように選択すること、それが成長上手のコツ1なわけです。

 

■経験学習モデルを回すコツ2:目標を持つこと

で、もう一つ成長のコツ2です。

それは、「経験を解釈するときに、何らかの目標を持って解釈すること」です。

(2)→(3)で自分で解釈を選べばいいと言いました。

ではその解釈って、どう選べばいいの?ってことがここのポイントなんですが、解釈って「目標達成に繋がるように」選ぶといいんです。

「こう成長したい」「こんな目標を達成したい」それに繋がるように、経験を解釈するんです。

自己啓発本とかを読んでると、すぐ「目標を紙にかけ!すると達成できるから!」って書いてます。でも大体の本にはその根拠は書いてません。ただ、書け!と書いてあるだけです。僕の解釈でその根拠を考えるなら、それは「目標を紙に書くと意識の中にタグが付いてて、脳はそのタグに従って経験を解釈するから」でしょう。

その目標が強い思いであればあるほど、経験を解釈するときにそのバイアスがかかって、目標にとって都合のよい解釈ができるのだと思います。

 

■経験学習を上手になるために:後輩への質問にもどうぞ

ということで、経験学習の力をアップさせるため、ぜひ次の2点を意識してみてください。

  • 目標を持つこと
  • 目標達成に向けて経験を解釈すること(自分に都合のいいように)

これは自分の経験学習にも使えますが、後輩などの経験学習支援にもかなりつかえます。

質問するときに「目標は何?その達成に役立つように、今の経験を解釈するとどうなる?」などと、スクリプトを使ってみてください。

これを自然にできる先輩(上司)が育て上手だと思っています。

ということで、基本の経験学習モデルに関して、久しぶりにまとめてみました。

こちらには「事実と解釈」について更に詳しく書いてますので、ご興味あればどうぞ。