世の中には、自分の良い面を見つけるのがとても上手な人がいます。そういう人は、行動を起こすたびに「ここは自分の強みだな」とポジティブな部分を拾い上げ、自信につなげることができます。結果として「次も頑張ろう」と気持ちが前向きになり、自己成長を続けることができます。
一方で、世の中には自分のネガティブ面にばかり目が向いてしまう人もいます。行動を振り返るときに「ここがダメだった」「自分にはできない」と考えてしまい、ポジティブな側面を見逃してしまう人です。もちろん失敗を認識して対策を立てることは大切ですが、ネガティブに偏りすぎると、自分に自信がなくなり「次も頑張ろう!」とは思えなくなってしまう可能性が高まります。
「ポジティブは能力、ネガティブは性質」という考え方
先日、ある先生から「ネガティブを見つけるのは『性質』、ポジティブを見つけるのは『能力』」という話を聞きました。ネガティブは自然に出てきやすい『性質』ですが、ポジティブを見つけるのは後天的に鍛えられる『能力(スキル)』だというのです。
どういうことかというと、ネガティブに集中するのは人間に本能的に備わっている危機管理能力が原因だというのです。私たちは自分にとって危険なことがあったら、次からはその危険をさけていかないと生き残れません。つまり、ネガティブに敏感になるのは本能から出てくる性質であり、人間にとってすごく自然なことだというのです。
ただし、先も記載した通り、ネガティブだけを見つけていては「次も頑張ろう!」とポジティブに考えることは難しくなってしまいます。
私たちはネガティブな側面に加えてポジティブな側面も見つける必要があるのですが、ポジティブな側面を見つける力は実は後天的なものであり、意識すると身に付けることができるし、逆に意識しないと身につけることが難しいと言います。
ポジティブな側面を見つけるには
ポジティブな側面を見つけるには、たとえば、日々の小さな成功を「よくやった」と自分で認めたり、「今回うまくいった背景は何か?」を考えたり、意識して行動を振り返ることが必要です。
加えて周りからのサポートも大切でしょう。一緒にうまくいった所を探してみたり、自分では見えない点を、他人の目からフィードバックをしてもらうことで、徐々に「これは自分の強みかもしれない」と気づくきっかけが増えていきます。
もし、皆さんの職場や学校でも、自分の失敗にばかりに目を向けている人がいたなら、まず良かった点をフィードバックしてあげるといいでしょう。そうすることで、本人も「ここはできていたんだ」と思えるようになり、自己効力感が高まります。結果として「もう少し頑張れば、もっとできるはず」と前向きな姿勢が生まれてきますので、そうなったら少しずつ自分で自分のポジティブな側面を見つける力をつけてもらうようにすると良いでしょう。
ポジティブな視点を身につけると、困難な状況でも「なんとかなるかも!」と思えて行動につながりやすくなります。さらに周囲の人との関係性も良好になり、チームや組織の雰囲気が良くなるなどのプラス側面が盛りだくさんです。最終的には、自分の可能性に気づきやすくなるのはもちろんのこと、人生をより豊かに感じられるようにもなるはずです。
「性質」を変えるのは難しいかもしれませんが、「能力」は後からでも鍛えられます。ネガティブだけではなく、ぜひポジティブな側面にも目をむける力を育ててみるのもいいかもしれませんね。