良い生き方と働き方をするために考えておくべき4要素

良く生きる。

それは魅力的な言葉ですが、もっと詳しくいうと何を言っているのでしょうか。

今回はそんなことについて考えてみたので、メール版で配信したことをブログにもまとめておきます。

「良く生きる」は「良く働く」

さて、僕が考える良く生きるについて。

僕は「良く生きる」は「良く働く」に近似できると考えています。

というのは、生きることの多くの時間は「働くこと」に当てられていると考えているから。

本当かどうかちょっと計算してみましょう。

例えば1日8時間を働くとします。

すると、週5日働くなら1周間で40時間、1年が52週間としたら2080時間を働いていることになります。(祝日とか諸々考慮なし)

1年で2080時間って多いの?少ないの?となりそうですが、これはかなり多いです。

計算諸々は端折りますが、起きている時間の33%です。(1日7時間寝るとして)

実際は個人により差異があると思いますがざっくり計算して、1年の3分の1なんですね、働くことに費やす時間って。

3分の1って結構大きい時間です。

この時間を「つまらない」と感じているか、「楽しい」と感じているか、それは「生きる」ことの質に大きく影響すると考えます。

それなら「働く」を良くすることが「生きる」を良くするために大切である、と僕はそう考えます。

もちろん、時間に占める割合だけでなく「働く」は人生の質を高めるために多くのものを提供してくれます。

「働く」がよくなると、自分に対する自信がつくし、社会との繋がりを実感できます。

人は社会的な動物といいますが、社会との中で自己効力感を持つことは人にとって幸せを感じる大きな要素であったりします。

つまり、「良く働く」は「良く生きる」を実現するためにかなり大きな要素じゃないの?ということができるわけです。

「良く働く」とは

では「良く働く」は何によってつくられているのでしょうか。どうしたら「自分、良く働いているなぁ!」ということができるのでしょうか。

僕は「良く働く」には次の4つの要素が適合していることが重要だと考えています。

今働いていることに対して

  1. 自分の感性が適合しているか(好きで)
  2. 自分のスキルが適合しているか(得意で)
  3. 自分の価値観が適合しているか(世にとって価値がある)
  4. 社会の変化を踏まえたニーズが適合しているか(希少性もある)

それぞれ簡単に説明してみましょう。

(1)自分の感性が適合しているか(それが好きかどうか)

まず大事なものは、やっている事そのものが好きかどうかです。

「仕事は好きなものでなくてもOKよ。だって仕事って食うための手段だから」

そんなことをいう人もいますが、僕はどうせだったら仕事に対して感情が動くこと、それをやっている瞬間に「好きだ!楽しいぞ!」と思えることを仕事にした方がいいと思います。(もちろん、食うための手段と考えるのもそれはそれでOKでしょう。ここではその議論はしません)

そのためには「自分が何を好きなのか?」ということを認知していることが大切です。

といっても、それが意外に難しかったりするのですが、「自分が何を好きなのか」を認知するためには日頃の生活においてそこに対する「アンテナ」を立てておくことが重要です。

具体的には「自分がその行為そのものに対してワクワクを感じる瞬間っていつだろう?」と考えながら仕事をすると良いです。

Excelで表を作っている瞬間でしょうか、プレゼンの構成を考えている瞬間でしょうか。それともお客さんに商品の説明をしている時かもしれませんし、機械をいじっている時かもしれません。

ここに意識を向けることができるようになると、気づく力は少しずつアップして、自ずと自分の「好き」に対する認知も高まってくるでしょう。

ぜひ次の問いを考えてみてください。

  • あなたがつい勉強したくなることは何?
  • あなたがやっていて時間が経つのを忘れることは何?
  • あなたが何度でも繰り返しやってみたくなることは何?

(2)自分のスキルが適合しているか(得意かどうか)

では2番めの要素の「スキル」について。

これも読んでわかるとおり、自分が得意なことを仕事にしたほうがいいよ!というものです。

多くの人には向き不向きがあります。

実は僕、若い頃はチームメンバーがみんな自分だったらいいと思っていました(笑)(自分が一番なんでも上手く出来ると考えていたため)

でもあるとき、後輩にどうしても勝てないものがありました。何回やっても、彼の方がそれを上手く成し遂げるのです。

そのとき気づいたんですよね。

「あ、これは絶対に彼の方が上手だから、これは彼にやってもらって、彼の不得意(で自分が得意)なところを自分はやろう!」

ということに。

あなたが他人より得意なことは何でしょうか。その「得意」が生きる仕事をすることで、あなたは「良い仕事」ができるようになるでしょう。

ちなみに「自分の得意」を考えるときは、次の問いが役に立ちます。

  • あまり努力せずとも、他人より上手く出来ることは何?
  • 他人からよく頼まれることは何?(雑用ではない)
  • 「私の得意なことってなんだと思いますか?」と他人に聞いて返ってくる答えは何?

(3)自分の価値観が適合しているか(世にとって価値がある)

そして3番目の要素は「価値」についてです。

皆さんは自分の仕事に対して「価値」を感じているでしょうか。良い仕事のためには、その仕事に対して「価値」を感じていることが非常に大切です。

ちなみに、ここでいう価値とは「世にとっての価値」のこと。

『この仕事がないと、世の中は良くない状況になる。世の中のこういうニーズ、問題を解決するために、自分の仕事はこんなにも大事なポジションを担っているのだ!』

こんなことが自分の仕事に対して言えると、その仕事にはあなたにとっての価値があります。(ちなみに、それは主観でOK。むしろ主観が大事)

仕事を考えるときに、先で述べてきた「好き」、「得意」は考えている人は多いと思うのですが、「世の中にとって価値がある!と信じれるかどうか」というのは考える余地がある方も多いのではないでしょうか。

自分の仕事の価値を信じきれる時、私達は仕事に対して大きなエネルギーを持つことができます。

ぜひ次の問いを考えてみてください。

  • あなたが不条理に思い、強い問題意識を持つものは何?
  • あなたの仕事は誰を笑顔にする?
  • なぜあなたはその笑顔をつくりたいの?
  • それはあなたのどんな原体験に基づく想い?

(4)社会の変化を踏まえたニーズが適合しているか

これまでは個人の視点だったのですが、最後はちょっとだけ世の中の視点です。

ここは「希少性」をキーワードにして考えてみましょう。

例えば好きで、得意で、価値がある仕事があったとしましょう。

3要素が揃った仕事をしていたら、多分その人は良い仕事をしていると感じていると思います。

しかしながら、その仕事に「希少性」があるかどうかで、その仕事の未来は結構変わってきたりします。

どーいうことかというと、希少性の少ない仕事は別の人にどんどん奪われていくのです。

わかりやすい例だと、途上国に工場が移っていくのなんかそうですね。

別にその人(国)でやらなくても他のところですればいいわけです。やってくれる人は沢山いるのですから、より安くやってくれるところに仕事は移っていきます。

一方、希少性の高い仕事だと、そういうわけにはいきません。他でやってくれる人がいないのですから、少々高くてもその人にお願いするしかないわけです。

なので、自分の仕事は希少性が高い仕事をすべきです。

特にこれからはロボットだ人工知能だと、人の仕事を代替するものは沢山現れてきます。機械が代替しない仕事を自分の仕事にすることが、将来を見据えた上では大切になるでしょう。

そしてそれを見つけるためには、モノゴトの本質について常に考えることが大切。

世の中には沢山の種類の仕事がありますが、それら一つ一つの仕事は何が本質なのでしょうか。

どの部分に価値があってお金が発生しているのでしょうか。

そんなことを考えることです。(まあ、それが難しいのですが^^;)

ぜひ次の問いを考えてみてください。

  • そこにはどの様な構造が存在しているか
  • そこにはどの様な力が発生しているか
  • それは人間のどの様な性質にもとづいて生じているか(生じると予測されるか)

ちなみに、これは1人で考えるとものすごい難しいです。

最初は考えるより行動して、色んな人に話を聞いてみるとよいでしょう。本を読んでもOK。良い考えをするためには良いインプットが大切です。

まとめ

さて、ということで長くなりましたが、もう一度まとめると、

  • 人生を良く生きるためには良く働くことが大切
  • そのために次の4つの要素を適合させよう
    • 自分の感性(好き)が適合しているか(好きで)
    • 自分のスキルが適合しているか(得意で)
    • 自分の原体験が適合しているか(価値がある)
    • 社会の変化を踏まえたニーズが適合しているか(希少性もある)

ということでした。

ちなみに、僕は20代の頃にこの要素を3年間考え続けてみました。その結果20後半の頃にはそれぞれに対する答えがでてきて、今はすごく良い状態で仕事ができていると感じています。(それはもちろん「仮説」であって今後で変わっていくかもしれません)

皆様もぜひこの4つの要素にアンテナを立て、全てが一致する領域を考えてみてください。