不確定構造について

最近、不確定構造という言葉を考えています。

不確定性原理という言葉がありますが、そこからのアナロジーで思いついた言葉なんですが、今後キーワードになってきそうな考え方なので、備忘録がてらに簡単にまとめて見たいと思います。

まず不確定構造とは、その名の通り構造がバシッと確定されない構造の事です。

どういうことかというと、普通、モノって、何かしらの構造を持っていますよね。

家でも、椅子でも、コピー機でも、車でも、構造を持っています。

構造があるから、それらのものは認識できるし、人と意味や情報を共有することができます。

そんなものを確定構造と呼んでみましょう。

確定構造は目に見えるもの意外にも沢山あります。

WordやExcelといったソフトだって構造を持っていますし、会社や学校なんかも構造をもっていますよね。組織図とか、クラスわけとかまさに構造です。

一般的に、僕達が目に見えるもの、認識できるものは構造を持っていると考えることができます。

構造を持っているから、目に見えるし、認識できるのかもしれません。

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ただ、最近僕が気になっていることは「実は構造を持っていないものも多いのでは?」ということなんですよね。

構造を持っていないと言うよりは、構造が一定に定まらないと言った方がいいです。いや、見る角度によって異なる構造になると言った方がより正確な気がします。

そんな性質があるものを、不確定性構造であると呼んでみます。

具体例を出して考えましょう。

例えば皆さんがいつもやっている「ビジネス」は不確定構造です。

というのは、ビジネスは不確定で切り口によって、その形を自在に変化させます。

自社の強みをどこに置くのか、狙うターゲットはどこにするのか、などどの切り口を選ぶかによって、ビジネスはその構造を変えるからです。

そしてその変数(切り口)は無限にあるので、切り口毎に構造が異なるのなら構造も無限にあるというわけです。つまり構造はもはや確定できないもの「不確定構造」なんですね。

不確定構造を持つものは、どの切り口で切るか、というのが非常に重要になります。切り口を間違えてきると有用な構造は見えません。

正解(である可能性の高い)切り口は、時代の流れ、タイミングにあっているかどうか、です。

例えば、今人工知能が話題ですが、江戸時代に人工知能のことを叫んでも、多分良い構造は生まれません。また、100年後の人工知能なんて当たり前?の時代に人工知能を叫んでも、それはそれで良い構造は生まれないのかもしれません。

時代の最先端で、人間の力がそこにアプローチできはじめた今の時代だからこそ、人工知能に関する切り口はよい構造を生み出すものなのかもしれません。

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というわけで、不確定構造について考えていることをまとめてみました。

リフレクションは、不確定構造を扱う非常に重要な力です。

不確定構造はリフレクションをすることで、(一瞬だけ)確定構造になり、私達が認識できるものになります。

それは暗闇の中の一瞬のライトだと思えばわかりやすいかもしれません。

一瞬だけライトで構造(世界)が見える、でも次の瞬間にライトは消えてしまう。世界は暗闇の中でも構造をゆっくり変えていて、ライトがあるときに見えていた構造は、しばらく立つとなくなってしまう。

だから、またライトをつけて世界を確認して、また一歩歩みを進める。

そんなことが、不確定構造に挑む僕らの唯一の戦略なのかと思っています。