振り返りのコツ:目指す方針を明確にすること

いつも参考にさせてもらっている、松尾先生の本、新刊が出ていたので、ジャケ買いしていました(笑)

今回はケーススタディということで、沢山の事例が乗っています。どれも参考になりそうなもので、これから読み込んでみようと思います。

まだチラッと読んだだけですが、非常に納得することを見つけたので、まずはそれだけでも文章にまとめてみようと思い、今回の記事です。

一言でまとめるなら、タイトルでもある「よい振り返りには、全体の方針が必要だ」ということです。本では「方針支援」という言葉で説明されていましたが、これは非常に納得するところなのです。

■方針があるから、振り返り(リフレクション)できる

振り返りにおいて、方針とはそのガイドラインになる重要なものです。ここで言う方針とは、自分がどんな方向を目指しているのか、そこに到達するため何を拠り所にするのか、それを示唆するものを言います。

方針がない振り返りは、いきなり「はい、では振り返ってください」と言われるようなもので、「は?何を振り返るの?」となるわけです。人って、考える対象が何か明確で無いと、考えることが苦手なんですよね。

方針がある振り返りとは「うちが大事にしている価値観は主体性だ。主体性について、今日の仕事はどうだっただろう?」というものです。方針がある振り返りは、方針がない振り返りより、だいぶクリアな振り返りができそうですよね。

■明確にすることもだけど、何度も共有しているかも大事

読者の皆様は、自分たちのチームの方針を明確にできているでしょうか。明確でない皆様はぜひ明確にしてもらいたいのですが、明確にすることと同じくらい(いや、それ以上に)重要なことが、それを「何度も共有する」ということです。

方針って1回立てたら、それで満足しちゃうことって多いと思うんですよね。で、そのまま忘れ去られちゃうと。立派な額縁に入って壁にはかかっているけど、皆の心には入っていない、と、そんな状況になってしまうわけです。

方針を明確にしたら、その方針は何度も口に出して共有するべきです。

「うちのチームは主体性を大事にできているのか」「どんなタイミングで主体性が発揮できているのか」「出来てない人はどうすれば発揮することが出来るのだろうか」

そう、方針を基にチームメンバーで何度も振り返りの対話をするのです。すると、方針は共通言語になり、チームメンバーの共通する価値観になります。

方針がチームの共通言語になると、それは文化になります。

目指すべき方向性が文化になっているチームは強いですね。

■振り返りは無意識のレイヤーとのインターフェースである

で、ここから少し考えを深めると、振り返り(以下、リフレクション)は、意識側と無意識側のインターフェースであることがわかります。

例えば、新入社員が「主体性」を大事にしようね、って先輩社員に言われているうちは、それは意識側で考えていることです。頭で主体性という言葉を動かしている状態です。

で、リフレクションで「主体性とは何か「主体性を発揮した行動をしているのか」ということを先輩社員たちと対話していると、その「主体性」が自分の中に段々と落とし込まれてきます。意識側から無意識側へ移動するのです。

で、頭で考えなくても主体性が発揮できるようになれば、それは主体性が無意識側にインストールされた状態になったということができます。

つまり、リフレクションという行為は、主体性という言葉を意識側から無意識側に移動させることができるのです。リフレクションがインターフェースになっているわけですね。(インターフェースとは、何かと何かを繋ぐものです。例えば、人間とコンピューターを繋ぐものは、PCの画面とかマウスとかですよね。画面のつくりとかをインターフェースのつくりとか言ったりします)

最近は、無意識のマネジメントとかそんな言葉が言われるようになってきました。リフレクションの重要性が益々広がりそうです。

・・ということで、だいぶ話がそれましたが、松尾先生の経験学習の新刊の話でした。この本は面白そうなので、読み込んでまた記事にしよーと思います。では今回はこの辺で。