フライデーリフレクションを学習インフラにしたい

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今回のブログは、うちの理念を頭の整理がてらにちょっと文章を書いてみようと思います。

ネタはフライデーリフレクション。

こちらのHPがフライデーリフレクションの紹介のページですが、金曜日の夜にみんなで振り返りをしよう!というのをテーマにしたもので、2年半つづけて、延べ800人の参加が近づいている活動です。

フライデーリフレクションに関する最初のイマジネーションは、『上司と金曜日の夜に飲みに行くのをソーシャルにすると面白いのでは?』というのでした。

当初は、『それをすることで、いろんな学びがでてくるんじゃないの?』くらいに思っていたのですが、今考えてみると、もっと面白い意味付けができそうだなと思っています。

その意味というのは、結論からいうと『フライデーリフレクション=社会の新しい学習インフラ』とも解釈できるのではということ。

ちょっと大きい話ですが、そういう妄想も大事ということで書いてみましょう。

■フライデーリフレクションが実現したい学習とは

まず、学習インフラというからには、どんな学習が生じるのかということが保持しておきたいポイントです。

フライデーリフレクションが提供する学習は経験学習というものでしょう。日々の経験を、日常の文脈とは少し離れた場所で、振り返り意味付けしてみる。それをやって見ようと言うのがフライデーリフレクションです。

経験学習のポイントは、とりあえず次の2点。

  1. 日常から少し離れた多様な観点
  2. 意味付けをサポートする良質な問い

まず、日常から少しはなれた多様な観点ですが、これは同じ会社の人と飲みに行くのでもいいけど、全然知らない人と話をしてみると良い気付きが出てくる可能性が高まるよ!ということです。

リフレクションは「出来事を描写する」ことから始まりまして、それをどのレベルで描写するのかというのがポイントです。

どんな経験があったのか。それを言葉なり、絵なり、何かの制作物なり、それを通して場に描写すること、参加者の間で共有することが大事なのですが、これをいつもとは異なる文脈で行うと、自分の中でもより具体的な描写、いつもと異なる描写が発生すると感じます。

恐らく、知らない人に説明することで専門用語だったり組織の言葉だったり、そういうのが使えないから生じる現象です(あとは利害関係がないことも重要でしょう)。同じ会社の人と話すときよりも、よりフラットに経験を描写することができるのではということを感じています。その結果、いつもとは違う観点からリフレクションをすることになり、気付きもいつもの気づきとは違うのが出てくる、というものです。(その分、密度?というのは落ちている気もします)

なので、ある程度俯瞰的な視点でリフレクションをしたい場合は、フライデーリフレクションのようなソーシャルな場が使えると思っています。会社の文脈を離れて、個としての文脈を振り返ってみる。これからの時代はそんなリフレクション経験が大事な気がしていて、そんな学習の場というのをフライデーリフレクションはつくっていけるのではということを考えています。

で、(2)意味付けをサポートする良質な問い、ですが、こちらもリフレクションには非常に大事です。

経験学習って上手下手があると思います。上手な人は同じ経験からでも2倍も3倍も成長しますが、苦手な人は1倍の成長しかしない、というイメージです。

この背景には経験に対する問いかけが異なっていることがあると考えています。

例えば上司に怒られたというときに、

  • 怒られない為には次からどうすればいい?
  • 最終的に結果を出すためにはどうすればいい?

と2つの問いを出したとしたら、多分グッと成長するのは後者の問いをする人だと思います。

経験をリフレクションするための問いの出し方がどれだけ上手か。それが経験学習のクオリティを左右するポイントでしょう。

ちなみにそのクオリティを高めることをサポートするのがリフレクションカードです。誰でも、簡単に、ある程度深い問いを投げることができるので、このリフレクションカードがあることが、フライデーリフレクションの気づきのポイントになっていると思います。

■社会には振り返りの場が少ない

そんなフライデーリフレクションの場ですが、今の社会にはまだまだそういうソーシャルな学び場は少ないと考えています。

プレゼンだったり、ファイナンスだったり、ITのスキルだったり、特定のスキルを学ぶ勉強会なんかは有志の皆様が沢山やっていますが、こと「経験を振り返ること」に関してはそれを目指している場は少ないのではと感じています。

でも、そういう自分なりの経験を振り返り、そこから自分なりの学びを取り出すことはこれから必要なスキルになるのではないでしょうか。それは自分の頭で考え、自分で決定するというスキルです。

ということで、フライデーリフレクションは、多様な視点から日々の経験に対する意味付けをする場ということで、社会に対する1つの学習インフラになれるんではないか、という妄想を最近はしています。

つまり、学校や会社、プライベートで経験をする、それをフライデーリフレクションで振り返る、また学校や会社で経験をする、ソーシャルに振り返る・・・の繰り返しです。その繰り返しのサイクルの背骨になりたいんです。

2016年はその一歩として、全国20箇所で定期的なリフレクションの場をつくっていきたいと思っています。

現在、都内で7箇所、千葉、大阪、鹿児島で1箇所ずつが開催しています。

2ヶ月に1回くらいのペースですが、こういうのは定期的に開催すること、そして辞めないことが大事だと考えています。

そんな学びの場作りを一緒にやってくれる方は常に大募集中です。まずはフライデーリフレクションに一度遊びに来て頂ければと思います。(もし地元で開催していない場合は、交通費などの都合が付けば中島が出張して開催しますのでお気軽にご連絡ください)

地味〜に継続していきますので、ご興味有る方はぜひご連絡ください。