第8回リフレクション実践研究会:経験学習にはトップのコミットがやっぱり大事

第8回リフレクション実践研究会、開催しました。

先日は定期的にやっている活動、リフレクション実践研究会の第8回の活動でした。

実践研究会は、input&Createをキーワードに、企業文脈でリフレクションの活用に関する知見を深めあおう、という集まりです。

リフレクションは企業活動にとっても非常に重要な概念なのですが、それを実行するのはまた困難が伴うということで、そのあたりの困難さをみんなでクリアしていこうというのが活動のポイントです。

さて、そんな実践研究会の第8回は、某有名IT企業の人事担当のお方をゲストにお迎えし、企業内の経験学習についてinput&Createをしてみました。

以下、その様子を簡単に報告しましょう。

まず結論から共有すると、僕なりのポイントとしては

  • 経験学習を取り入れる一番のポイントはトップのコミットである
  • 戦略と戦術をあわせることが大事(普通はズレている)

ということだと感じました。

それでは、全体を簡単に説明していきましょう。

■今回のテーマである経験学習とは

まず、経験学習について。

僕の周りの人は「またかよ」と思うかもですが、経験学習とは次のサイクルで表される「経験から学ぶサイクル」のことです。

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経験を内省(リフレクション)して、教訓を引き出して、次に繋げる。非常にシンプルでわかりやすいサイクルですね。詳しくはこっちの記事などに書いてあるので、読んでみてください。

で、今回のイベントは、このサイクルを従業員が回すことをどう支援するのか、ということが趣旨です。

というのは、この経験学習サイクルって、見た目は簡単なんですが、いざ回そうとすると、これが以外に難しいのです。

それを会社として支援するために、どうしたらいいのか、ということを今回は話をしてもらったのでした。

■inputセッション:経験学習を生かすコツは何か?

ということで、inputセッションです。

まずはゲストのプレゼンテーションにて、経験学習サイクルを生かすコツについて情報を共有してもらいました。

先進的な取り組みをされているということで、皆さん真剣に聞いています。・・・ちなみに、終了後の飲み会ははっちゃけてました(笑)

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詳細を書きたいところですが、今回は僕の方で2つのポイントを抽出して共有しますね。

■inputセッション:経験学習を取り入れる一番のポイントはトップのコミットである

はい、来ました。重要なのはトップのコミットメント。

これ、いろんなところで聞く言葉ですが、経験学習を根付かせるためにもほんとに重要だと思いました。

というのは、経験学習を支援することって、嫌がる上司が多いんですよね。

だって、いつも部下の話を聞いて、それに対して内省(リフレクション)を促す質問をするんですよ。

それだけでもかなり時間かかるので、そんなことに時間を使うなら、お金に直結する仕事を進めたい!となるわけです。(そしてこれは長期的にみて危険な考え方でしょう)

こういう背景があるので、ただ「経験学習が良さそうだから導入してみよう」という安易?な気持ちでやると、組織としての反発に耐えられなくてなし崩しになるんですよね。

で、そのなし崩しをストップさせるのがトップのコミットメントなわけです。経営陣が「絶対に経験学習を支援する、それを導入する」とコミットメントすれば、「部下の経験学習支援は面倒くさい」と思っている上司も支援をせざるを得ないわけです。

そしてもう一つのポイントが、そのことが文化として根付くまで1,2年がかかるということ。

決まったらすっと進むのではなくて、決まってからも元に戻ろうとする圧力は常に掛かってくるわけです。あっちこっちで色んなことが起こりますが、それに一個一個対処していく必要があります。

それを1,2年も続けないといけないんですよ、それは相当に大変なことだと思います。

ただ、それを耐え切るだけの力が、トップのコミットであり、今回のゲストのお話では、社長と人事部長が経験学習にコミットしていた。お互いが強い絆で結ばれていた、というのがポイントだと思いました。

1、2年を乗り越えるだけの、強いエネルギーがそのコミットメントにはあったということでしょう。

・・・凄いですね。。。

皆さんの会社はどうでしょうか。

1、2年の航海を耐えきるだけのエネルギーがその船には準備されているでしょうか。それだけのコミットメントが経営陣で醸成されているでしょうか。

■inputセッション:戦略と戦術をあわせることが大事(普通はズレている)

あと、戦略と戦術をあわせることも非常に大事だと感じた次第です。

戦略として、経験学習を支援する!というモノがあるなら、戦術もそれに従ったものであるべきです。

ここで言う戦術とは具体的な打ち手です。

例えば、ゲストの会社では制度としてそれが整えられいて、リーダーを

  • 経験学習を支援するリーダー
  • 業務遂行を支援するリーダー

と分けているそうです。

こういう制度(具体的な打ち手、戦術)があるから、育成支援したいリーダーはそっちに、業務遂行をしたいリーダーはそっちに、ということがスムーズに進むわけです。

加えて、経験学習の支援が人事評価につながることも流石だと思いました。

支援ができると、自分の業績として評価されるのです。それだったら、上司も「いっちょ頑張るか!」ってなりますよね。

こういう口で言うこと(戦略)と実際に行動すること(戦術)がシームレスに一致することって、めっちゃ大事です。

でも、多くの組織はそうなっていない感じがします。

従業員一人一人の想いを大切にします、といいながら、従業員の声を聞くシステムがないなど、あるあるですよね。。残念ながらですが。

ということで、ゲストの会社は流石の取り組みでした。今後、この取組がどのような成果に繋がるのか非常に楽しみです。

■Createセッション:

inputセッションの後は、Createセッション。

今回のCreateセッションは、「自分たちの会社で経験学習を上手く進めるためには?」

を問いにしました。

ゲストの話を受けて、各自が感じたことを付箋に書き出していきます。

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今回は机にクレヨンで書き出す!なんて技も使いながら、参加者で楽しくCreateを進めました。

ちなみにCreateセッションのポイントは「前提を崩す」ことにあります

「経験学習を上手く進めるためには?」がテーマではあるのですが、そのサブテーマとして「今、囚われている思い込み、前提」というのをつけています。

上手く進まない部分って、ループ構造であることが多いです。あっち立てればこっち立たず、というので、こんな状況をどうしろってんの!?的な叫びが聞こえてくるのですが、その膠着状態を打破するポイントって前提なんですよね。

何かの前提があるから、それが当たり前のことになっているから、ループ構造が生じているのです。

そのループ構造を生じる前提っていったい何なのよ?ということが、今回のCreateセッションのテーマなのでした。

で、どんなoutputがでたのか?結果は写真のような感じです。

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前提を覆したものとして、例えば、

  • 上司も実はその事について話したい
  • 上司は気分屋であるが、話を聞きたくないわけではない
  • 考え方も、合う部分がいっぱいあるかも。そこを探して行きたい

というのが出ました。

実はもっと沢山のoutputが出ているのですが、そのあたりは次の実践研究会で実際に体験して頂ければと思いますw
次回は11月末くらいに、『学習する組織』を関連させてに開催してみようと思います。

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