チームを機能させるために:社会的要素について振り返りをしよう

チームについて考えを深めている今日この頃ですが、またもや素晴らしい本を発見してしまいました。

こちら、チームワークの心理学です。

これはチームを良くしようと思っている方には必読かと思いますので、ぜひゲットして読んでみてください。

今回のメール版は、チームワークの心理学の中からその土台となっている「チームを機能させるため、見ておくべき2つの要素」についてご紹介してみたいと思います。

まずいつものように結論から書くと、チームを機能させるために見ておくべき2つの要素とは

  1. チームのタスク要素
  2. チームの社会的要素

となります。これ、非常に納得です。

それぞれどういうことか説明していきましょう。

■チームのタスク要素とは

まずチームのタスク要素ですがこれは言葉のイメージのままです、チームに遂行することを求められているタスクです。

チームをつくるのは、一人ではできないタスクを成し遂げるためですよね。

したがって、どんなタスクを誰がするの?ということをちゃんとマネジメントしておきましょう、というのがこの視点です。

タスク視点については、基本的にどのチームもある程度は気を配っていると思います。管理ツールもたくさんあって、見える化しながら日々の仕事を進めているチームもたくさんありますよね。

この視点は僕のメール版を読んでいただいている皆様にはそんなに新しいことでもないと思います。

■チームの社会的要素とは

大事なのはもう一つの要素「チームの社会的要素」です。

これはパッと見でわかりにくい言葉ですが、チームメンバーが集団としてどのように協働するか、という要素です。

人が複数人集まると、そこには様々な社会的要素が発生します。

例えば、お互いをどう感じているのかの感情的要素、目指す目標に対する共感度の要素、メンバーから評価され尊敬されているかの自尊心的な要素、など実に様々な要素が発生します。

社会的要素とは、人が集まることによって生じる「人間的な要素」のことを言うんですね。

チームを効果的に機能させるためにはこの社会的要素を上昇させることが必要で、この社会的要素の役割を無視してタスク要素だけに着目してマネジメントするのは、チームマネジメントとして視点が狭いですよ、ということが本には書かれています。

■2つの要素とリフレクション

で、僕がメール版で紹介するからには、これらの要素がリフレクションと絡んでくるわけです。

以下、少し長いですが本より引用します。

効果的なチームを作りそれを維持するためには、常に刷新し続けること、そして良い実践を見出していくことが必要です。さらに、チームは請け負ったタスクや働く状況、メンバーシップによって変わります。変化は断続的に起こるので、チームは組織の内外で直面する変化に適応しなくてはなりません。チーム間の多様性とチームの状況の変化の両方によって、柔軟なチームメンバー、柔軟なチームプロセス、そして柔軟な組織が必要となります。そして、私たちはそのような柔軟性を促すための驚くべき能力をもっているのです。他の動物にはできなくて私達だけにできることは、自分たちの体験を振り返り、状況の変化に合わせるためにするべきことを意識的に行い適応することなのです。

マイケル A ウェスト チームワークの心理学より

これはまさにリフレクションですね。タスク要素、社会的要素、2つの視点は状況により様々に変化します。今、効果を発揮しているものでも、明日にはそれがどうなっているのか誰にもわかりません。

効果的なチームを作るためには、継続的にリフレクション(本の中では「振り返り」と表現)を実施して、常に変化し続ける他ないのです。

そして、リフレクションをするには、タスク要素、社会的要素の2つの視点を持って実施するといいよ!ということが、チームワークの心理学の主張しているポイントなのでしょう。

ちなみに本では、2つの視点でリフレクションをするチームを4つのタイプに分けています。図を見てください。

4typeterm

タスクの振り返り、社会的な振り返りをどれくらい行っているかで、チームを4つに分けています。

僕が見ている限り、タスクの振り返りをしているチームは多い印象です。手法もKPT法などが一般的に使われるようになってきたと思います。

つまり「駆り立てられたチーム」は結構あるのです。

一方、社会的な振り返りを実施しているチームはまだまだほんの一握りな印象です。そもそも、社会的要素が大切だということにも気づいていません。

ここも本から少し引用させてもらうと

感情の役割を無視して、パフォーマンスだけに着目すれば効果的なチームを作ることができるという考えは、感情は労働において無視することができるという誤った前提に基づいている。

マイケル A ウェスト チームワークの心理学より

このような前提を持っているチームが多数派ですよね、残念ながら。

■社会的要素の振り返りをしよう

ということで、いつもの話に戻ってきますが、やはりリフレクションは大切なのです。

特に社会的要素、僕の言葉で表現するなら「関係性」のリフレクションは、チームワークを発揮するために本当に必要な行為だと思います。

社会的要素のリフレクション、ぜひ意識してやってみてください。

具体的にどすうんの?ということは、本を読んで頂いたり、リフレクションカードを使ってもらったり、その他ワークをするなどでしょう。

それでは今回はこのへんで。