チームデザインの大事な要素:合意を形成する3つの要素

【メール版アーカイブ160206】

チームデザインで大事な要素に「合意形成」という要素があります

合意形成はその名の通り、ある事項に対していチームで合意をとることですが、合意がとれたとはいったいどういうことを言うのでしょうか。

今回はある本を読んでたら目に飛び込んできた「合意形成」について書いてみたいと思います。

■合意が形成されるとはどんな状態なの?

今回参考にさせてもらった本はこちらです。

組織開発をやっている方はご存知かもしれませんが、わりとよくまとまってると思います。ある大御所の先生によると、この本は組織開発の先駆けとなっている本で、これが出版されたおかげで組織開発という言葉が少しずつ広まるキッカケになった本とのことです。

そういうストーリーにワクワクしながら読み進めていると、今回のキーワードである「合意形成」についての話が飛び込んで来たのでした。

リンク貼っておきますので、よかったら読んでみてください。

ではそろそろ本題へ。

合意が形成されるとはどんな状態なのでしょうか?

組織開発ハンドブックによると、合意が形成されるとは、次の3つの要件が成り立つ状態をいうことです。

1. チームの皆は私の考えを理解した、と皆が思う
2. 私もチームの皆の考えを理解した、と皆が思う
3. チームの決定は私の当初の考えと必ずしも100%一致しなくても、これを100%支持する。

なるほど、わかりやすいですね。

■(1)チームの皆は私の考えを理解した、と皆が思う

まずは個人の視点です。

これは一言でいうなら『自分の考えが全体に理解されたという感覚を持つこと』だと解釈するのですが、この要件を成り立たせるには『自分の意見を表明する』がまず必要だということがわかります。自分の考えを全体に理解してもらうには、少なくとも考えを全体の前に出すことが必要です。

全員で合意形成を目指す場合は、全員が意見を出すことがポイントです。

うちのチームデザイン論においては、一人ひとりが自分の意見を場に出すことを重要にしています。チームデザインの為に開発されたリフレクションカードは、それを『ルール』という形で実装します。つまり、一人ひとりが必ず主人公になるというルールを設定することで、絶対に自分の意見が場にでるようになっているのです。意見を出したくない人にとってはハードルが高いと思いますが、それはきっと乗り越えるべきハードルです。

誰かが主役、誰かは脇役ではありません。全員が主役なんです。そのためには、意見は場に出す必要があると考えるのです。

■(2)私もチームの皆の考えを理解した、と皆が思う

誰かが場に意見を出しても、それを無視されたり流されたりすると、意見は受け取って貰えてないと感じるでしょう。

それを避けるため『自分は意見を受け取った!と表明すること』が合意形成には重要です。

その表明にはいくつかの方法があると思います。例えば誰かが話しをしたとき次の要件が場に起きていれば、その意見は受け入れられたと感じやすくなると思います。

  • それに対して頷くこと
  • ホワイトボードにメモすること
  • 最後まで話しを聴くこと

全員の意見に対してこれらのレスポンスを返す必要もないとは思いますが、受け入れられていると感じてもらうためにどれかの要素は入れ込む必要があるでしょう。

話が盛り上がってくると、つい最後まで聞かずに話しを上乗せしたりしますが、受け取った感を出すことが必要だと思ったらそのへんはグッと我慢するといいと思います。(ファシリテーターの役割ってその辺をうまーくすることにあると思います)

■(3)チームの決定は私の当初の考えと必ずしも100%一致しなくても、これを100%支持する

そして最後のこれ。

これは非常に大事な考え方です。

チームで仕事をすると、最後は何かしらの決定を避けて通れないですよね。

全員の意見を取り入れたいところだけど、有限な時間、資源を考えると、どうしてもこの案でいく必要がある。これは今回含められないけど、ごめん!ということが出てきます。

仕事を進めているとどうしてもそういう部分は出てくるわけであって、「よし、そのときは清濁併せ呑みましょう!」的な納得をつくることがこの(3)の言わんとするところではないでしょうか。

一度決めたら、やり通すことにコミットする。そういうことでしょう。

もう一度まとめると「合意ができた!」とは、

1. チームの皆は私の考えを理解した、と皆が思う
2. 私もチームの皆の考えを理解した、と皆が思う
3. チームの決定は私の当初の考えと必ずしも100%一致しなくても、これを100%支持する。

というまとめ記事でした。

会議のときは、この3つをホワイトボードにでも書きだしてみてください。
で、「この3つの状態がみんなの中にある?」ということを最後に聞いてみてください。

それで「あるよ!」というレスポンスがあるならば、それは合意形成ができたと判断していいのだと思います。