チームの生産性を考察する方程式とは?

さて、今回はチームの生産性を見出す方程式をご紹介してみたいと思います。

元ネタはこちらの本。超チーム力。

2016年の春先くらいに発売された本ですが、チームに対する考察が独自の視点でまとまっています。もし読んでない方がいらっしゃったら、これは読んでみて良い本だと思いますので、よかったら本屋でチラ見してみてください。

皆様にはチームをマネジメントする立場の方も多いと思いますので、そんな皆様にはきっと面白い内容なんじゃないかなと思います。

では本題に入りまして、チームの生産性を表す方程式について話を進めてみましょう。

チームの生産性を表す方程式とは

チームの生産性という言葉は、昨今の働き方においてキーワードになっている言葉ですね。

同じ1時間でも、生産性の高いチームと低いチームでは出来る作業の量と質が違います。どうせだったら、自分のチームは生産性が高いチームでありたいですよね。

でも、チームの生産性ってどう考えればいいのでしょうか。

アメリカの社会心理学者スタイナーは、その問いに対し、次のような方程式を示しました。(人材分野ではわりと有名な式で見たことがある方も多いかもしれませんね)

チームの生産性 = チームの潜在能力 ー チームのプロセス損失

この考え方の面白いところは、チームのプロセス損失という部分です。

プロセス損失とは、チームメンバーが協働する過程で生じる損失のことなんですが、例えば「話が上手く伝わっておらずミスが発生した」「理念共有ができていないため、一人ひとりの士気が上がらず仕事が早く進まない」なんかはプロセス損失の代表例です。

つまり、

  • プロセス損失が少ないチーム = 超効率的にお互いのやり取りが行われ無駄なく仕事をすすめるチーム
  • プロセス損失が多いチーム = お互いのやり取りが非効率的で各所で無駄が発生しているチーム

という表現ができるでしょう。

スタイナーはチームのプロセス損失をゼロに近づけることで、チーム本来の力を最大限に発揮することができるよ!と主張しているわけです。

プロセス損失を少なくするには

となると「プロセス損失を少なくするにはどうしたらいいの?」ということが当然気になります。

これには沢山の手法や考え方がありまして、例えば、最近良く耳にする組織開発という言葉はプロセス損失を少なくするアプローチの代表格だと思っています。

とはいえ、「組織開発って何よ?」という方もまだまだ多いと思いますので、プロセス損失を下げることをもう少し簡単に表現してみると、それは「チームの関係性を上げること」の一言に凝縮されると思います。チームの関係性が高まればコミュニケーションが良くなり、結果としてプロセス損失が減少するわけです。

※ちなみに組織開発の概要を掴みたい場合は下記の書籍がオススメです。新書ですが非常によくまとまっていて、費用対効果が抜群に良い本です。

そして、チームの関係性を上げることは、以前メール版でも紹介した、ダニエルキムの成功循環モデルがわかりやすく説明してくれます。

詳しくは下の記事を読んでもらえると嬉しいですが、簡単に紹介するなら、次の図のような考え方です。

成功循環モデルというもの。結果を出すには、まず関係の質にアプローチする

2015.01.27

結果を出すチームは

  1. まず「関係」を良くする
  2. すると、メンバーの考え方などの「思考」がよくなる
  3. すると、メンバーの「行動」がよくなる
  4. すると、結果がついてくる

というサイクルのことです。

なるほど!な考え方ですね。

プロセス損失という言葉こそ使っていませんが、関係性がよくなって、結果(生産性)が高まるまでのフローにはかなり納得できるものがあります。

でも、この「関係性を良くする」ということに対して、積極的にアプローチをしていないチームがどれだけ多いことか。。(一方で結果だけを求めるチームがどれだけ多いことか。。)研修などでスキルを学んでくるのも大切ですが、もっと「関係性」について投資をするチームが増えて欲しいと思っています。

で、関係性はどうアップさせるのか

ときたら、次は「関係性ってどうアップさせるの?」ということでしょう。

これは半分ポジショントークでもありますが、チームで日々リフレクションをすることです。

自分たちのチームが、より良い働き方をしてより良い成果を出すために、何をすべきなのか。このことを定期的にリフレクションして話し合うことで、チームメンバーの絆は深まり、関係性も高まります。

この辺の具体的な考え方は、チームが機能するとはどういうことか、が詳しいです。

チーミングという概念を提唱している本で、これからのビジネス環境において、この考え方は必須になると思われます。もし読まれていない方は必読だと思いますので、本屋で手にとってみてください。

今回のまとめ

ということで、今回大事なポイントは、スタイナーのチームの生産性を表す方程式

チームの生産性 = チームの潜在能力 ー チームのプロセス損失

という考え方が1つ。

もう一つは、プロセス損失を少なくするためには「チームの関係性」を上昇させるといいよ!ということでした。

関係性の上昇には、上で紹介したチーミングの本も良いですが、もちろんリフレクションカードも良い効果を発揮します。いつもの宣伝ではありますが、気になる方はぜひお試しください。