YWTという振り返り手法について:KPTとも比較してみた

YWTという振り返り手法について

今回はYWTという振り返りの手法についてご紹介してみたいと思います。前、メール版で書いてた記事ですが、ブログでもアップしときます。

さて。

振り返り、その手法はいくつかあるのですが、大御所の手法はやはりKPT(ケプト)と言われる手法でしょう。

KPTとは、その名の通り

  • K:Keep
  • P:Problem
  • T:Try

の頭文字を取った手法のことで、(やってみて)Keepしたいこと、Problemだと思うこと、次にTryしてみたいことを、分野別にまとめることができます。

KPTはシンプルながらかなり使える方法でして、以前僕もこんな記事をまとめていました。

振り返りの手法紹介:KPT法

2015.06.16

YWTとは何か?

KPTは最近知っている方も多くなってきたのですが、YWTという手法はまだあまり知られていないようです。

かくいう僕も、昨年くらいにどっかで見かけて、「これ面白いなー」と教えてもらった手法です。

ではどんな手法かというとYWTもそれぞれ頭文字を取って、

  • Y:やったこと
  • W:わかったこと
  • T:つぎにやること

というのをまとめるらしいのです。

「Y」がやったこと、「W」がわかったこと、「T」がつぎにやることです。

・・・ん?日本語??

そう、YWTって日本で開発された手法らしいのです。経験学習の大御所である松尾先生のブログで言及されていますね。

日本語だったら、僕達にも覚えやすいですし、YWTもシンプルながら強力なフレームワークなので、これはぜひ使って行きたいところですね。

ちなみに、具体的なやり方はKPTと同じようにできます。

こちらの記事が参考になると思いますので、同じようにしてやってみてください。

YWTの使い方

では、YWTはどんな場面でどう使っていけばいいのでしょうか。

僕は◯ヶ月に一回の目標面談や、合宿などの節目節目で使えばいいと思います。

まず、Yではこれまでに「やったこと」という自分の経験をふりかえります。
この数ヶ月、こんなことをやった、あんなことをやった、と書き出します。慣れていない方は、まず思いつくまま書き出してみるといいと思います。

WではYの内容から「わかったこと」をふりかえります。
この経験からこんな事を学んだということを思い出していきます。このとき、特にWが繋がらないYは、そのまま放置すればいいです。質の高いWに繋がるYを深めて考えてください。

このYからWを出す力が、実はリフレクション(内省、省察)の力です。

経験学習の能力が高い人は、総じてこのリフレクションの力が高いですね。自分が経験したことから、効果的に本質を捕まえて、次に生かすことができるのは、成長上手の代名詞でしょう。(ちなみにリフレクションは筋トレと似たようなものですので、繰り返し繰り返しY→Wを考え続けると伸びる力です)

そして最後のTです。TではわかったことWの内容から「つぎにすること」を考えます。
これはわかったことを踏まえることが大事ですね。せっかく見出したポイント(W)を適用せずに次の行動に移るのは、非常にもったいないことです。

Wを効果的に生かすよう、Tを設定して、次のYをやってみるわけです。そうすると、次のYから次のWを考えるときが効果抜群になりますね。

YWTとKPT、どっちを使えばいいのか

ここで出てくる疑問は、YWTとKPTって、どっちも振り返りの手法だけど、どっちを使えばいいの?ってことだと思います。

僕の基準では、YWTとKPTは次のように特性をわけることができます。

ywtkpt

結論からですと、図のようにYWTは経験を振り返るとき、KPTはプロジェクトなどの業務を振り返るときに使うといいと思います。

KPTは改善の振り返り、YWTは変化の振り返り、って感じですね。

図の最後にある、ダブルループ学習、シングルループ学習という括りで、どっちの学習を起こしたいか、というので使い分けるのもありですね。

この辺りの比較はもっと考えてみると面白そうなので、また機会があったら深めてみようと思います。