リフレクション実践研究会第3回の報告

 

昨日、リフレクション実践研究会第3回を行いました。

今回は全部で6名の実践家の方たちに集まっていただき、白熱した議論を行うことができました。

それでは、ざっくり報告するとしましょうか!

■今回から、ゲストをお呼びしてます。

Input&Creationをテーマにしている実践研究会。

これまではナカシマからの事例のInputで、学びをつくっていくスタイルでした。

ただ、毎回ナカシマからInputをしても面白くないということで、今回からゲストをお呼びして、その方の実践例を踏まえて学びをCreateしていくスタイルにレベルアップしてきました。

初回のゲストは、某大手人材研修会社の菊地大翼さん。

菊地さんは、こんなブログもやっていて、読んで頂ければわかるとり、研究家&実践家としてゲストに呼ぶことにピッタリな方です。

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お話してくれている菊地さん。貴重なお話をありがとうございました!!

さて、そんな菊地さんには、新人のOJTと経験学習にまつわるお話をして頂きました。

話はゴール設定の問題から始まります。

菊地さんはいいます。

企業でも経験学習が重要と考えられるようになっているが、まずゴールの共有がされていない場合が多い。人事担当者に聞くと、経験学習のゴールは「一人前になること」というけど、一人前ってどういうこと?そのゴールをちゃんと共有してないから、人事の一人前と現場の一人前が違ってきて、研修が意味のないものになったりしている。

なるほど、採用と育成の現場が離れているとこういうことも起こりますよね。
また、こんなことも言っていました。

現代はものすごく早い育成スピード(即戦力化)が求められている時代である。つまり、新人が求められるスキルは上がっているのに、求められるゴールは「一人前」から変わっていない

こちらも、その通りだと思います。一人前っていうのは便利な言葉でそれに頼って流されてしまうと、せっかくOJTが無駄なものになってしまう。何をどこまでという基準を明確にしていないと、「とにかく一人前になれ!」と言われて結局根性論になってしまうということでしょう。

ということで、菊地さんは、まずは経験学習のゴールの共有から始めた方がいいといいます。そしてそのために、経験学習というものが「全体として」どう動いているのか、まずそれを把握しよう!と、概要を説明してくれました。

詳細は省きますが、とても面白い説明でした。

菊地さんはいいます。

OJTの学習で得られるものには大きく3つのカテゴリがある。それは(1)ビジネス基礎力、(2)自己成長力、(3)精神的成長だ。

これ、ナカシマが提唱しているBeの土台、Doの土台っていう考え方があるのですが、それと凄く似ている考え方です。

■Beの土台と精神的成長

ナカシマの場合、Beの土台は「自分のあり方」と表現します。ビジョンや価値観、そしてミッションがここに含まれます。どう存在して、どう世の中に貢献していくか、その基礎がこのBeの土台です。菊地さんは、ここを精神的成長と表現しています。別の言葉で言うと、内発的動機づけです。心から自発的にあふれるモチベーションがあることが、経験学習を最大限に活用するためのキーになる、ということです。

■Doの土台とビジネス基礎力

Doの土台は、「自分の行動のやり方」と表現します。プレゼンのスキル、営業の方法、新しい企画の考え方など、実践の部分がここに含まれます。菊地さんの言葉でいうと、ここはビジネス基礎力に相当するのでしょう。スキルとして技術的に学ぶことができる部分がこの範疇ですね。

■ハンドリングと自己成長力

そして、菊地さんの言葉でいう自己成長力。これはナカシマの言葉でいうと、「ハンドリング」という言葉で表現できます。ハンドリングは、日々の経験をどう活用するか、日々どう判断して、行動をしていくのか、そんな部分になります。実はこのハンドリングが、経験学習のコアになる部分です。日々起きていることを、いかに成長に変換することができるか。この経験の変換がリフレクションであり、その上手下手が、新人の成長スピードを決めている部分だと考えることができるでしょう。

■支援すべきもの、精神的成長

で、こういう3つの成長があるのですが、その中でも支援が遅れているものが、精神的成長ということです。そして最も大事なのも精神的成長だということです。

というのは、精神的成長は、他のビジネス基礎力、自己成長力の土台にもなるから。もう少し詳しく言うと、自分のビジョンや価値観と密接に関わる精神的成長の力があってこそ、ビジネス基礎力や自己成長力をのばそうと頑張る、ということでね。

精神的成長をすることができると、その他への「取り組みの姿勢が異なる」ということです。

これ、子どもを見ていると顕著ですよね。やりたいことは目を輝かせて一生懸命やりますが、やりたくないことはホントつまんなそうにやります(笑)

ある言葉で「大人とは抑圧された子どもである」という表現がありますが、まさに皆さん「大人」なので、精神的成長がなくても何食わぬ顔で素直に取り組んでいるのかも、と思うと複雑な心境です(笑)

■トークのあとはDiscussion&Creation

という、菊地さんの素晴らしいトークのあとは、フリーのDiscussion、そしてカードを使ったCreationのワークでした。

今回のCreationは、「自己体験で経験学習が上手く回ったパターンを取り出す」というのをテーマに、各自の経験で、「経験学習が上手く回った!」と思われるエピーソードを取り出していただき、そのグループわけを行いました。

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結果、こんなことが示唆されました。

  • 経験学習を回すには、見える化が必要
  • 見える化にもいろんな種類がある。例えば手段の見える化、目的の見える化などがある
  • 見えているものは、視点を変更して別側面を見るというのも有効。自分に有利な見方をするのがポイント

こちらも詳細は省きますが、6人の視点でも実に様々な要素が炙りだされるもので、楽しいCreationができたと思います。ただナカシマの反省として、ワークのやり方が少し難しかった気もしますので、次はもっとシンプルにCreationワークをしてみようかなーなんて思っています。

■リフレクション実践研究会第4回は

というわけで、今回も楽しく&学べる研究会ができたと思います。最後に次回の案内をして、レポートを閉めようと思います。

次回
日にち:2015年1月15日(木)
時間:19時頃から
場所:表参道駅近く
ゲスト:某有名社会変革企業、若手リーダーGさん

※申し込みなど、ナカシマガジン、フライデーリフレクションのメールマガジンにて、決まり次第詳細ご連絡します。確実にご案内が欲しい方はよろしければご登録ください。
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さて、次回はどんなリフレクションの学びができるのでしょうか。

次回もご期待ください!

菊地さん、そして参加して頂いた皆様、ありがとうございました!!