経験学習で知っておきたい、経験の連続性

最近、興味が経験学習に戻ってきて、改めて昔買い漁った本などを読んでおります。

経験学習といえば、日本では北海道大学の松尾先生ですよね。有名な経験学習の入門や、経験からの学習、成長する管理職などたくさんの経験学習に関する著作をお持ちです。

今回は「成長する管理職」という本を読み返していたのですが、忘れかけてた経験の大事な原理を改めて思い出したので、ブログでもまとめてみます。


これは私たちのキャリアを考える上でも非常に大切な概念だと思いますので、ぜひ頭の片隅に置いておきたい原理です。

経験には連続性という性質がある

さて、経験の大事な原理。

それはタイトルで言ってますが「経験には『連続性』という性質があるよ!」ということです。

これ、もう少し簡単にいうと「未来の経験は昔の経験から影響を受けているよ!」ということです。

例えば、スーパーで珍しいみかんを買ったとしましょう。普段は買わない高価格帯のみかんですが、安売りしてたので買ってみたらそのみかんが凄く美味しかったという経験をしたとします。

数週間後、スーパーで同じみかんを見かけました。お値段は安売りが終わってしまって、超高いです笑

さて、あなたはそのみかんを買う、買わないどっちでしょうか。

もちろん、正しい答えはないですが、前回そのみかんがすごく美味しかったという経験をしていると、そのみかんを買う可能性は十分にありますよね。

一方で、そのみかんを食べた経験がなければ、ただ高いだけのみかんを買う可能性は「美味しかった!」という経験をしている人よりだいぶ下がることが予測されます。

つまり、みかんを食べたことがあるかどうかの経験が、みかんを買うかどうかの経験に連続的に影響している!というのが経験の連続性の原理の言わんとしているところです。

どうでしょう、皆さんの体験にも一致しているところがあるのではないでしょうか。

連続性をキャリアで考えると

これを私たちのキャリアという部分に転用すると、未来のキャリアは、今の(過去の)私たちのキャリアに大きな影響を受けることがわかります。

今、どんな仕事をしているか・どんな経験をしているかで、将来にどんな仕事をできるか・経験をできるかが決まってしまう、というのです。(決まる!というと大げさですけどね)

経験の連続性という原理を頭に置くと、将来こんな仕事がしたい!こういう働き方がしたい!と考えている方は、それに繋がる仕事・経験が今できているのか?それを考えることが大切になることがわかります。

「今の時代は、みんなが経験の獲得競争をしている」という言葉がありますが、どんな経験を獲得するかで、将来どんな経験(人生)を獲得できるかが決まってくるというのです。

良い経験はみんなが狙います。全員が良い経験をできるとは限りません。

私たちは将来に繋がる経験を、人間社会の群れの中で獲得できているのでしょうか。

私たちが良いキャリアを築くためには、日頃からそう考えることが必要なのかもしれません。

だからこそ目標が大切

ちなみ、お気づきの方もいるかと思いますが、良い経験のためには目標(自分がどう在りたいか)を把握していることも大切です。

目標があるから、それに近づくためにこんな経験をしよう!というのがわかります。目標がないと、どんな経験をすればいいのか決めることができません。

冒頭の話題に出した松尾先生は、著作「成長する管理職」の中で「目標のあり方が経験を方向づける P167」と延べています。

自分がどんな目標を持っているか、も定期的に思い出してみることが必要なのでしょう。ということで、やはりリフレクションが大切ということなのです(笑)

以上、経験の連続性というものについて、思っていることのまとめでした。