ダイアログオブジェクトという概念について

 

今回は、僕らが対話の場で使っている「ダイアログオブジェクト」という概念について説明を試みてみたいと思います。

結論から説明すると、ダイアログオブジェクトは「対話のとき、場の中心にある皆が共有している何か」です。

対話って、時間が立つに連れて盛り上がることがありますよね。

そんなとき「得も知れない共通の何か」を参加者の皆で持っているようなことを感じたことはありませんか?

「その何か」を持っているから「あれ」だとか「それ」だとかで話が通じるし、「それはなんか違うよね、もっとこんな柔らかいものだよね」といったことが通じたりする、僕はそんな感覚を持つことがよくあります。

そしてその皆で持っている場の中心にある何かをダイアログオブジェクトと名づけていたりします。

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ダイアログオブジェクトは裸で存在しているわけではありません。それはコンテキストや文脈といったものの中に保持されています。

コンテキストというのは、文脈とも表現されるもので、参加者一人ひとりが持つ雰囲気、から会場の空気感まで、そこにある全てのことが時系列に重なって生成される「意味を持った流れ」です。

ダイアログオブジェクトは、そのコンテキストが持っている「意味」とも捉えられます。

もっと例えて言うなら、コンテキストが溶媒であって、ダイアログオブジェクトがその中にある結晶でしょうか。

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ダイアログオブジェクトはコンテキストがなくなると、時間の経過と共に霧散してなくなります。

いや、なくなると言うよりは、意味を放出してしまうと言った方がいいかもしれません。

コンテキストの中にあるときは、水(意味)を潤沢に含んだ脱脂綿のようなものなのですが、コンテキストがなくなるとその水(意味)は次第に蒸発していってしまうのです。

そして、そのまま何もしないで置いておくと、脱脂綿の形をとっていたモノすらも蒸発してしまいます。そうなると、同じダイアログオブジェクトを再度生成することは至難の技です。そんなことになっては非常にもったいない。

ただ、ダイアログオブジェクトはある手法を使えば保存することができます。(意味としての水は失われるが、脱脂綿としての形は保持することができる)

その手法とは、ダイアログオブジェクトを場でフワッと共有しているものから現実世界に見えるものに変換することです。

例えば言語化はその1つの手法です。言語化されたダイアログオブジェクトは「コンセプト」と呼ばれるものに近い気がしています。イシューや、論点と言われるものも、その性質を持っていそうです。それらを参加者で保持していると、対話の場は大きく活性化されます。

言語化以外にも、模型をつくる、絵を描くなどの手法もあるかもしれません。ただ、模型や絵などは、ダイアログオブジェクト以外に、コンテキストまでもを保存する手法だと考えているので、純粋にダイアログオブジェクトの保存手段というのとは違う気がしています。

この違いからもダイアログオブジェクトについて推察することができそうですね。言語化はダイアログオブジェクトを高純度で保存する方法だけど、模型化はダイアログオブジェクトに加えてコンテキストを保存する方法である。その差は何でしょうか。その差分を考えることで、ダイアログオブジェクトに関する理解を深めることができるそうです。

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・・・さて。

説明があっちこっちに言ってしまいましたが、ダイアログオブジェクトを文章で説明する試みをやってみました。始終抽象的な表現でしたが、なんとなく概念をお伝えすることはできたでしょうか。

わかったような、わからないような。。。噛めば噛むほど味の出るスルメのように説明できたらいいなと思います。

ダイアログオブジェクトを場で共有できたら、対話の質って一気にあがるものだと考えています。

きっとお役にたてる考え方だと思うので、ぜひ使ってみてください。